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月の女神

アテナからは、さっさと番いを作らないのか聞かれているけど。

ゼウスを見てるから、手が早いのが普通という考えがありそうだ。

複数に手を出すのは苦手らしいけど。


アジトに戻る。

細々と暮らすには資金に余裕が出来たので、色々買い揃えた。

家電等はこの世界にはないらしい。

勝手に作って流通させないように、とも釘を刺された。

アジト管理用の端末だけオーパーツ的な感じだ。

本来は神以外は触るの厳禁らしいけど。


アテナは、何とか趣味を見つけようと頑張っているみたいだが、上手く行かず・・・

結局、俺が端末をいじって、神界にアクセス出来るようにして、ちょくちょく仕事を消化しているらしい。

何でも、あまりにも部下が有給を取らないから、上の人が率先して取る所を見せる必要が生じて・・・で、一番働いていたアテナに白羽の矢が立ったそうだ。

有給数千年分消化するまで帰れないらしい。


「アテナ様、また趣味を見つけるのを失敗したのですか?だらだらしないといけないのでしょう?」


「・・・好きに生きるのって大切だと思うんです・・・というかキミのせいで、元の仕事すら少なくなってしまって困っているのですが・・・」


本来はアテナの仕事量は、たまる一方だったのだが・・・

作業内容を聞いて、表計算ソフトで自動で出来るようにしてあげたら、今まで数週間かかっていた作業が数分で終わるようになり、本来たまるはずの仕事すらなくなる状況。

いよいよ追い込まれ、自分のタスクフォルダやメールを何度もリロードするという不毛な作業をしていた。

それで自動で作業するのは魂が籠もっていない、とか言って、手作業に戻る救いのない人もいるけど・・・アテナはそこまでではないらしい。


「ほら、手芸の本とか、編み物の本とか、ペーパークラフトの本とか・・・幾つか買ってきたので。アクアリウムの本も有りますよ?」


アテナの前に買ってきた本を積むと、


アテナはじっと抗議するような涙目でこっちを見た後、手をかざして遠くの風景を見せてきた。


風光明媚な地だ。

植物の配置、水の流れ・・・そこに動く動物も・・・一体となって調和している。


「綺麗な場所ですね。どうされました?」


綺麗だが、意図が分からない。


「・・・試しに作ってみましたが、すぐ出来てしまったのです」


・・・世界規模でアクアリウムを作ったらしい。

流石最高神。


「アテナはいますか!」


不意に、凄い剣幕で女性が・・・女神・・・?が入ってくる。


「・・・あれ、アルテミス、貴女も此処に来たのですか?」


「休暇中に何故仕事してるんですか・・・しかも、効率よく作業進めて、勝手に他の人の作業までして・・・お陰で私まで休暇を取るように言われてしまったじゃないですか!」


「あら・・・それは気付きませんでした。ご迷惑をおかけしました」


アテナがぺこり、と頭を下げる。


「気付かない訳ないでしょう!貴女わざと私の仕事を優先的に潰しましたね?」


すっと顔を背けるアテナ。

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