再燃
「ディーンさん、私達も付き合って貰います。ハーレムを作って下さい」
「何で?!」
集合場所に着くなり、リパーが迫って来た。
昨日一段落したんじゃ無かったの?!
「ディーン、僕達を君のハーレムに入れて欲しい。いや、入れなければならない」
ジリアンも強く迫って来る。
「何で?!」
エイプリルが泣きそうになりながら、訂正、泣きながら問う。
エイプリルが俺の腕にしがみつくと、
「嫌、ディーンは私だけを見て欲しい。捨てられたくない」
昨日の今日で・・・しかも、真剣な顔付きだ。
リパーが言う。
「事情は言えません。でも、この世界を救う為何です!」
「「何で?!」」
俺とエイプリルの声がハモる。
おかしい。
因果関係とスケールがおかしい。
「昨日も話しただろう。俺はエイプリル以外とは付き合えないって」
「「事情が変わったんです!(だよ)」」
昨日の今日で?!
主神に何か言われたのだろうか・・・
「その・・・リパー・・・タケル様に何か言われたの・・・?」
「えっと・・・タケル様・・・いえ、オーディン様の神意も有りますが、私自身の意志も有ります!」
明かしてる?!
「アルテミス様は穏健派だけど・・・僕達の意志は汲みたいと仰ってました!」
アルテミスも?!
と言うか、穏健派?
「アテナ様から何も聞いておられないのですか?アテナ様とトール様は反対派ですしね」
反対派?!
「あ、僕達もディーン達のアジト・・・無限回廊に住んで良いって許可貰ったよ!」
ジリアンが言う。
許可出た事にびっくりするべきか、自分の住処に何時の間にか物々しい名前がついていた事にツッコむべきか。
パクパク口を動かす。
「許可が出たなら、住むのに反対はしないわ。ようこそ」
エイプリルが微笑む。
「・・・ディーンの心が動かないか不安だから、頑張るわ・・・」
泣きそうになりながら、続けるエイプリル。
弱々しく腕に絡み付く。
「あ、でも、私ディーンを信じているから。自分に自信が無いだけなの」
腕にしがみつきながら言うエイプリル。
「大丈夫だよ、俺はエイプリルが好きだ。エイプリルを選んだんだ」
「ディーン・・・嬉しい」
涙を覗かせつつ、正面から抱きついてきた。
そっと抱き留める。
「ぎゅうう・・・もっと、強くして?」
エイプリルが抱きつく強さを強める。
こちらも、抱きしめる力を強めた。
「うー・・・」
リパーは世界を救う話に集中していないせいか、不満気な声を漏らす。
「・・・僕としては、自分のメンタルが保つか心配だけどね」
ジリアンが言う。
確かに、高名な神々と接するのは凄く気を使うんだよな。
「今日は狩りを中止して、この事を相談したい。ディーンのアジトに行こう。アルテミス様とオーディン様は先に無限回廊に移動している筈だよ」
とりあえず状況が分からない。
言われた通り、アジトに戻ろうか。
でも、レベル上げは積み重ねなので、サボるのは感心しないけどなあ。
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「遂に・・・ディーンさんのアジトに・・・」
リパーが雰囲気を出しつつ、アジトに入る。
「ちょっと大き目の、一般的なアジトだね。クラン規模にしては異常に大きいと思うけど」
2人が、色々感想を述べながらうろうろする。
偽装側探検しても仕方ないと思うけど。
「ディーンさんの部屋は何処ですか?」
リパーが尋ねる。
俺の部屋に来た訳では無い筈だが。
「こっちだな」
入り口近くの部屋を指差す。
「じゃあ、エイプリルの部屋は?」
ジリアンの質問に、
「此処には無いわ?」
「「えっ」」
2人の驚きの声がハモる。
本体側にあるからな。
「一緒の部屋で寝る事が多いからな。わざわざ此処に部屋は用意してない。それより、早くオーディン様達が待つ部屋に行こうか」
「そうですね、忘れていました。雲海の間で待っておられるそうで・・・待って下さい、今何と言いましたか?」
リパーが何故か聞き返す。
「雲海の間で待っておられると言ったわ?」
エイプリルが小首を傾げ答える。
「その前です!」
「忘れていた、と言ったね?」
ジリアンが不思議そうに答える。
「ちがっ・・・」
「リパー、今は神々を待たせる訳にはいかない」
俺がリパーを促す。
何故か納得いかない様子のリパーを、ジリアンが宥める。




