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黄身か白身か

「その上で、正式に俺と付き合って欲しい」


「良いけど、何処に?リパーかジリアンか決めたの?」


小首を傾げ、尋ねるエイプリル。


「そうじゃなくて、俺の彼女になって欲しい」


「彼女のふり、を辞めて、また彼女のふりをするの?」


意図が分からない様子で、可愛らしく思案するエイプリル。


「ふりじゃなくて、正式に付き合って欲しい」


「・・・それはさっき承諾したわ・・・?」


珍しく怪訝な顔をするエイプリル。

く・・・


「エイプリル、君が好きだ!」


「そう、私はどちらかと言えば白身が好きよ」


「分かるよ、ゆで卵でも、目玉焼きでも、白身が美味しいよね」


気が合うなあ。


「かと言って、黄身を取り除いて白身だけ渡されても何か違うのよね」


そうそう。


「うどんとかに入っているときは、黄身が美味しいんだけどね」


「そうよね、最初は割らずに、埋めておいて、最後の方でパクっといくのが」


「うんうん。後は、牛丼も黄身が美味しいかな」


「牛丼?食べてみたいけど、食べた事は無かったのよね・・・」


「・・・お嬢は、社長令嬢だったものなあ・・・」


「その気になれば食べる機会はあったのだけど。結局食べないままになってしまったわ」


「アテナ様達に頼めば食べられそうだけど」


「そうねえ」


エイプリルとの雑談は楽しい。

何時までも話していられる。

結局、出かける時間間際まで、楽しく雑談を続けたのだった。


--


〈本題逸れてますよね?〉


突然、アテナの声。

何の話だろう。


・・・


ああ?!


「エイプリル!」


「ん・・・ああ、もう出ないといけない時間ね」


「違うんだ!」


「違わないわ?!」


エイプリルがびっくりした顔をする。


「エイプリル、俺の恋人になって欲しい。偽とかじゃなく、本物の恋人に。俺は、君の事が好きだ」


エイプリルはきょとん、とした顔をすると、


「・・・ごめんなさい、何を言っているか分からないわ?」


ぐふ・・・

脈ゼロっぽい。

でも・・・リパーやジリアンも頑張ったんだ。

俺も頑張って伝えないと。


エイプリルの肩を持ち、顔を近づけ、


「エイプリル、お前の事を愛している。嘘じゃない、心の底からエイプリルが好きなんだ」


エイプリルは訝しげな顔をした後、自分の頬をつねる。


「痛っ・・・」


かなり強くつねったらしく、声をあげるエイプリル。

そして、


「えっと・・・私・・・告白・・・されて・・・る?」


「ああ」


エイプリルは泣きそうな顔をすると。


「・・・夢・・・じゃない・・・?だって・・・私・・・だよ?」


涙目でこちらを見上げつつ、言うエイプリル。


「どっきり・・・よね?」


「違う、俺はエイプリルが好きだ」


エイプリルは顔を真っ赤にし、震える声で、


「何・・・で・・・?だって私・・・リパーみたいに可愛くないし・・・ジリアンみたいにコミュ力ないし・・・・二人よりおばさんだし・・・選ばれる訳ないのに・・・」


「俺はエイプリルが好きなんだ」


エイプリルをそっと抱き寄せる。

エイプリルは抵抗しない。


ややあって、エイプリルは呟いた。


「よろしく御願いします」


--


すっかり遅れてしまった。

エイプリルは少し落ち着き、着替えてから来るらしい。


リパーとジリアンは当然、既に着いている。


「遅いですよ、ディーンさん!」


「遅いよ!」


リパーとジリアンの抗議。


「悪い悪い」


リパーがきょとんとして、尋ねる。


「エイプリルさんもまだなのですが、ディーンさん何か聞いてますか?」


「ああ、エイプリルは少し遅れてくるらしい」


「・・・ふーん、エイプリルの事情も知ってる、流石だね」


ジリアンが半眼で言う。

いや、聞いたのあんたらだろう。


「それよりディーン、君に聞きたい事があったんだ」


ジリアンが切り出す。


「何だ?」


「リパーと話あったのだけど・・・エイプリルとディーンが付き合っている・・・あれは嘘だったんじゃないかな?偽装恋人、だったと思うけど、どう?」


「その通りだ、良く分かったな」


やれやれ、ばればれだったか。

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