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曲者

「ニンゲン様、この、世界への入り口をアプリだけにする、っていう方針はまずくないですか?」


神が数人、こちらに聞きに来た。


「大丈夫だよ。おかしなサイトでの勧誘等は一切やめ、『冒険者になろう』のアプリのみでの勧誘で問題ない」


「しかも、規約もかなり分かり安く書いちゃってますよね。死んでしまうって事がばれてしまうと、来る人がいなくなると思うのですが・・・」


「でも実際に人は増えたし、優秀な冒険者増えただろ?」


「はい。確かに・・・何故でしょうか?」


「現代日本には、異世界に転生出来る、と聞くと、敢えて実行する奴が一定数居るんだ・・・しかも、それなりに活躍するんだ」


「流石元日本人、詳しいですね・・・興味深い現象です」


理解し辛いだろうなあ。

『冒険者になろう』のアプリは規約の部分に転生する旨明記した。

後、一度規約に同意したら、周囲の空間ごと凍結、開始するしかなくなるようにした。

そうしないと、途中中断して会社行く奴とかいるしな。

小説投稿サイトの罠バナー等、他の勧誘手段は全て廃止した。


結果、来訪者の数は増え、かつ、多彩なスキル持ち、レベル上げが早い者達・・・世界が活気付いてきた。

低級神達も喜んでいるようだ。


フィールドボス等も増やした。

この辺りは、悪魔に運用させている。


一般フィールドのダンジョン、インスタンスダンジョン、素材のドロップ、素材からの武器の作成、クエスト専用フィールド・・・一通りは実装出来たと思う。


「どういうことだ!」


厄介な奴が怒鳴り込んできた。


「ファルシネス様!」


作業にあたっていた神と天使が跪く。

俺も一緒にならう。


「人間なんかの変更案は全て潰せと指示した筈だ。何故続けている」


「・・・恐れながら・・・低級神にも、来訪者にも、好評でして・・・今更撤回は難しく・・・」


「貴様は箱庭と神々の名誉とどちらが大事だと思ってるんだ!」


まあ、人間の意見で上手く行くのが気に入らない、という奴だ。

ファルシネスは序列2位。

非常に大きな発言力を持つ。


「ファルシネス様、他の神々から、現在の方針のまま進めて良い、と承認を貰っております」


エイプリルが、序列2位の神印が3つ押された承認書を差し出す。


「ふん、我に賛同する者は10柱を超えておるわ」


ファルシネスが呼びかけると、音も無く神々が13柱程入ってくる。

圧巻。


「良いか、明日までにこの仕様を戻しておけ。分かったな」


ファルシネスが言い放つ。

・・・そろそろ潮時か。


「いや、俺の方針で行かせて貰うし、勝手な変更も許さない」


俺は跪くのを辞め、立ち上がると、言い放つ。


「貴様、不敬だぞ!」

「塵と化してやろうか」


神々が口々に怒鳴る。


「控えよ、我は大神アテナが眷属なるぞ」


出来るだけ低い声を作り、告げる。


「・・・なっ・・・嘘をつくな。貴様何をしているか分かっているのか!大神アテナ様の眷属を騙るとは!重罪であるぞ!出会え!」


序列2位の神が叫ぶと、天使兵が流れ込む。

・・・あ、実力行使に出られると不味い。


天使兵が殺到、こちら側からは黒服が出て、天使兵と切り結ぶ。


カシーン カシーン


「・・・ねえ、オーディン、あの黒服誰?」


「・・・俺に聞くな。詰んだ、と思ってたんだけど」


作業していた神々は、恐れおののき、隅で固まっている。


「ささ、旦那、そろそろその神印を」


ストラスが耳元で囁く。

あ、そうか、これを見せたら効果があるのかな。

俺の神印、アテナの眷属の証。


黒服の一人が絶妙のタイミングで傍によると、叫ぶ。


「控えろ!其方等、誰に剣を向けているか分かっているのか!」


「これが証だ!」


俺が神印を掲げ、叫ぶ。


「・・・馬鹿なっ・・・まさか・・・本当に・・・大神アテナ様が眷属であらせられましたか」


ざわ・・・どよめきが広がる。

天使兵も、序列2位の神々も、そして一緒に作業をしていた神々や天使も・・・跪く。


「大変なご無礼を致しました・・・どうかお許し下さい・・・」


「面を上げて下さい。私は大神アテナ様が神意により、此処に参りました。無事神意を果たし、間もなく帰還します。今後も、運営に重大な支障があれば、助力に応じる事もあるでしょう。どうか滞りなく運営を御願いします」


つまり、勝手な事をするなよ、と。

釘を刺す。


序列2位の神々、天使達がすごすごと去って行く。

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