言語習得
豪華な部屋、味わった事が無い美味な夕食・・・仕事は大変だったが、この部屋は
悪く無い。
「お先、お湯頂いたわ」
エイプリルが、バスローブを纏って風呂から出てくる。
色っぽい。
目の保養になるなあ。
エイプリルは、部屋が同室なのも、ラフな格好も、欠片も気にしないようだ。
「じゃあ次は俺かな」
お風呂も豪華だった。
温泉っぽい。
入ると気持ち良い。
お風呂から出ると、エイプリルが伸びをしている。
「気持ちよかったね」
エイプリルに言うと、
「ええ、本当に良いお湯だったわ。ゆっくり入りたいし、明日は一緒に入る?」
エイプリルがそんな冗談を言う。
断ると信頼してるからこその冗談か・・・もしくは友人と割り切っているからか。
ここで誘惑に負けて、是非、と言えば実現しそうだが、流石にそのくらいの自制は効く。
「お風呂は一人で楽しみたい派なのでね」
どんな派だよ。
「あら残念。背中流してあげるのに」
くすっ、と笑うエイプリル。
本当に魅力的な女の子だと思う。
大人の色香も、落ち着きもあるし。
と言うか、男として意識されて無い気もするんだよなあ。
明日も頑張らないと。
ベッドに潜り込むと、すぐに睡魔が襲ってきた。
ちなみに、エイプリルの枕はYESだった。
またYESYES枕なのだろう。
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朝。
エイプリルはまだ寝ぼけているようだ。
可愛いなあ。
「ん・・・おはよう」
「おはよう、エイプリル。可愛い寝顔だったけど、よく眠れた?」
「ええ。オーディンと一緒に居ると安心出来るから、よく眠れるわ」
「こっちも頼りにしてるよ。心のパートナーって気がするよ」
「ふふっ、有難う」
豪華な朝食を堪能してから現場に向かう。
未着手トレーの山が・・・増えている。
一割程。
手近にいた者に聞く。
「すみません、この山増えているんですが」
「ああ、これは、毎朝要望書や意見書が届くから」
ちらっと目を通す。
内容、出処、発行日、納期・・・印鑑。
押印は、複数ある場合と、1つだけの場合がある。
「この印鑑は何ですか?数が違うようですが」
「ああ・・・これは・・・意見書と要望書があってね。要望書は会議で決めて、製作委員会の判子が押される。意見書は、序列が3位より低い神やその眷属の場合、序列4位の神以上の神印が3つ必要。序列3位の神の眷属以上の権限が有れば、自分の神印だけでいけるんだ」
それで量産されるのか。
「発行された指示の優先度は単純で、発行が早い方が先に対応、矛盾する場合は後から発行された方が優先」
揉め事を避ける為かな。
それにしても面倒な。
「納期、って欄もあるみたいですが」
「どうせ全部緊急で来るから、発行日順で良いよ」
あるある。
シュバババ
エイプリルが未着手トレーの整理を始めた。
終わった。
とりあえず、システム構築、これ以上はアドバイスも手伝いも難しい。
ルーン文字?か何かの文字に、魔法構成もどき。
それの組み合わせで作るので、読めないし書けない。
〈うずうず、ほーほー、良ければ教えますよ〉
ストラスの提案。
嘘を教えられても困るが・・・まあ仕方無い。
午前中は自室に戻らせて貰い、ストラスの講義を受けた。
お昼は、エイプリルが軽く軽食を作ってくれた。
サンドイッチだ。
「美味しいよ、エイプリル。エイプリルは良いお嫁さんになるね。エイプリルと結婚する人は幸せだね。美人で優しく、賢く、料理も上手い」
「ふふっ、有難う。何なら立候補してくれても良いのよ?」
「それは魅力的な提案だね」
エイプリルに微笑みかける。
エイプリルはちょくちょく、こういう冗談を言う。
すごく魅力的で、ついつい本気にして頷きたくなる。
無論、友人の信頼を裏切る訳にはいかない。
俺はちゃんと自制出来る。
午後からも、ストラスの講義。
予め魔法が組み合わされた、概念大系。
これを利用してシステム構築を行うらしい。
こうして基礎知識を身に着け、夕方頃現場に戻る。
「ニンゲンさんにメガミ様、もうよろしいのですか?」
出迎えた神が尋ねる。
エイプリルは女神じゃないぞ。
「はい、基礎知識は身に付けたので、少しはできると思います」
エイプリルはおかしな変更要望がないか、書類整理。
俺はシステム構築のヘルプに入る。
夜まで作業し、ようやく終業。
自室に戻った。




