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シアター

「指輪に魔剣、かあ・・・」


エイプリルが呟く。

俺のクランのアジトの自室、エイプリルとお茶を飲んでいる。

最近の状況の情報交換も兼ね。


「そっちは何か変わったことが有ったか?」


「そうねぇ・・・豪華な遊戯施設建設している怪しい団体があるとか・・・低レベルクランが狙われて神が捕らえられ、そのままクラン所属のメンバーが謎の団体に従っているとか・・・そんな噂は聞いたけど。実際に見たわけでは無いわね」


こくり、とお茶を飲むエイプリル。


「今の私の実力ではどうしようもないしね。淡々とレベル上げの毎日」


ぽふ


エイプリルが魔法を行使、炎が空中に閃き、消える。


「俺も、積極的に解決しようとしている訳では無いさ。何故か巻き込まれるんだよなあ」


俺が言うと、


「主人公体質、って奴かしら」


エイプリルが言う。


「前の世界では脇役だったんだがなあ・・・とは言え、主人公、って程ではないと思う」


俺が溜息交じりに言う。


「後は・・・スキルもどき?」


「スキルもどきって何だ?」


エイプリルがすっと、ギルドカードを出す。


「最近気付いたんだけどね、これなんだけど」


エイプリルがそう言いつつ、備考の欄をさわさわ触る・・・と、


備考:

 トールの眷属

  ・鑑定や読心の対象になりにくい。

   一部例外有り。

  ・鑑定や読心を無効化する。

   無効化した際に不審に思われない。

   一部例外有り。


小さな文字が浮き出る。


「なるほど・・・これがあれば、悪魔から心を読まれないって事か」


「ん・・・で、多分、オーディンも同じのがあるんじゃない?」


「なるほど」


調べて見る。


備考:

 アテナの眷属

  ・鑑定や読心の対象になりにくい。

   一部例外有り。

  ・鑑定や読心を無効化する。

   無効化した際に不審に思われない。

   一部例外有り。


「有るな・・・でも一部例外って言うのは?」


「多分、アテナ様達の事だと思うわ?」


「なるほど」


とりあえず備考は消しておく。

完全に消えるらしい。


「そう言えば、アテナ様達は、俺達の考えている事とかも分かるみたいだな。時々ツッコミが入るよ」


「ああ、風俗行くとか言ってたあたりとかかしら」


「ちょ?!」


何で知ってるの?!


エイプリルがすっと目を逸らし、


「誘われて、つい」


何に?!


「まあ、今更隠す事でもないでしょうし」


エイプリルが立ち上がり、俺の手を取る。


「付いて来て」


エイプリルについていくと・・・廊下に出て少し進み、壁を押す・・・と、


「?!」


そこは映画館の様な作り・・・日本の映画館を更に未来っぽくした感じ。

数十席のシートが並び、男女・・・恐らく神々が座っている。

神々は、俺達の顔を見ている。

振り返って見ている者もいれば、スクリーンを見ている者もいる。

そう、スクリーンには俺達が映っていた。


そのうち一人、アテナが微笑み、


「オーディン、良く来たわね」


「・・・えっと・・・アテナ様・・・ここは・・・?」


「シアター、ね」


「このシアターの椅子に座ると、森羅万象を識ることが出来るのだよ」


オーディンが言う。

いや、多分違うと思う。


エイプリルが後ろから言う。


「まあ、こうやって私達・・・と言うか多分、主に貴方の行動を映してみんなで鑑賞されてるみたいね。神々の為されること、気にしない方が良いわ?」


というか、知らない神々たくさんいるんだけど、多分みんな高名な神々なんだろうなあ。


とは言え、映ってるのが俺の姿では、見ていても仕方がないし・・・


「あら、他の者も映せるわよ?少し見ていく?」


「・・・はい」


俺と、そしてエイプリルが横に座る。


「あっちにカップルシートもあるぞ?」


トールが端にある、二人分の席が繋がったシートを指す。

・・・普段は誰が使っているんだろう。


「・・・お気遣い有り難うございます。こちらの席で十分です」


「と言うか、さっきまであそこには独立した席しかなかったわ?」


・・・今まさに作り替えたのか!

音も無く、瞬時に。


スクリーンに、映像が映る。

冒険活劇、だろうか。

出演者は全員男性のようだ。

どこかの建物・・・そこに魔族って感じの容貌の魔物が暴れ、人間っぽい感じの人が指示を飛ばす。

ところどころ心の声まで聞こえる。

・・・ちょっと見てて楽しいと思ってしまった。


あの敵役・・・見た事ある・・・あれ・・・ストラスじゃ。


「これ・・・悪魔が何処かを攻めている?!」


俺が叫ぶ。


「紋章からして・・・あとさっきウルフさんが映ってたから、ウルフさんのクランのアジトかしら?」

「そうですね、今フォリテドーテのクランが襲われているようです」


「・・・大変だ」


「大丈夫ですよ、フォリテドーテは意外とやります」


奥から、マッチョが出てくる。


「私のクランに手を出すとは、許せない奴等であ~る。生きては返さないであ~る」


マッチョが次々と魔族を仕留めていく。

ウルフを始め、団員も健闘し・・・フォリテドーテとストラスが一騎打ち。

そして・・・


ストラスが撤退する。

強い!


「ストラスが本気を出せばフォリテドーテ程度なら片手で済むはずですが・・・ああやって遊んでいるようですね。ほら、フォリテドーテが勢いづいて、努力と団結の勝利とか叫んでますよ」


アテナが台無しな解説をする。

また何か企んでいるのかなあ・・・


「さっき画面の端に、何か小部屋に入ってく悪魔がいたわ?」


「あれは魔剣や魔環を大量投棄していったようであるな。使用すると徐々に攻撃性や本能、性癖・・・そういった感情が増幅されるので、お勧めはせん」


オーディンが言う。

お勧めはせん、というか、多分その感情の増幅を目的でばらまいてますよね!


「・・・取り締まらないのですか?」


俺が尋ねると、


「しかし、フォリテドーテや子等が頑張っているからな。まだ水を刺すのは早いと思う」


オーディンが答える。

そういう物かなあ・・・


「それよりオーディン殿、最近槍の稽古をしていないし、していくかね?」


「そうですね、御願い出来ますか?」


「うむ」


「エイプリルさんも、一緒に稽古してあげますよ」


アテナが言う。


「はい、御願いします」


俺とエイプリルは、その後は槍と錫杖の稽古をつけてもらった。

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