ショッピング
今日は羽をのばす。
約束していたリパーとのデートだ。
ダンジョンの2階層か、3階層か・・・迷いどころで、リパーに希望を聞いたのだけど。
何故か街でショッピングになった。
てっきり自主訓練に付き合って欲しいのかと思っていたが、装備を整えたかったようだ。
武器は有るので、防具か。
飾りや普段着をちらちら見ているので、そういう見た目も気にする・・・やっぱり女の子だなって思う。
「オーディンさん、凄くたくさんあって目移りしますね!」
これは、絞り込んで欲しいって事か。
「リパー、こういう綺麗な」
リパーに綺麗な髪留めを見せる。
息継ぎの間に反応をうかがい、
「・・・物や、こういう可愛い物・・・こういうキラキラした物・・・だと、やはりキラキラした物が似合うね」
「本当ですか・・・!実は、私、こういうの好きなんです・・・でも、やっぱり大人びた落ち着いた物の方が」
適当に相づちを打ちつつ、商品を幾つか触り、反応を伺いつつ・・・見た目のバランスも考え・・・
「これとか、リパーに凄く似合うよ・・・すみません、店主さん、これ下さい」
うち1つを購入。
価値の割に値段は高い気はしたが、お金はある。
どうせなら魔導具を買った方が、戦闘の役に立ちそうなんだけど。
「ほら、リパー。付けてあげるよ」
「・・・!有難う御座います!」
リパーが目を丸くして、御礼を言う。
さあ、満足したら防具屋かダンジョンに行こうか。
ぽふ
リパーが抱きついて、頬ずりしてくる。
まあ、可愛いから良いか。
適当に相づち打ちつつ、服を選んだり、スイーツを食べたり・・・まあ、可愛い女の子と街をぶらぶらする何て経験、前の世界では考えた事も無かったけど、非常に楽しい。
でも、レベル上げは良いのだろうか?
まあ、この世界に来てから気が休まる暇もないのだろうし、たまには良いのだろう。
頭を擦り付けてくるリパーの頭を撫でていると、騒ぐ声が耳に入った。
「こんな不味い飯には金なんか払えねえと言ってるんだ。何が悪いんだ?」
無銭飲食だろうか。
大男が暴れている。
かなり力が有りそうだ。
恐らく、俺が戦ったら無事では済まないだろう。
「止めて下さい!兵士を呼びますよ!」
店員の女性が果敢に抗議するが、
「呼びたければ呼べよ。こんな飯提供している方が犯罪じゃねえか?兵士様に判断して貰おうぜぃ?」
男がげらげら笑う。
恐らく、本当に兵士に判断、等とは考えていないだろう。
今は、治安維持に手が回っていないのだ。
それ故、兵士は来ない、そう考えているのだ。
リパーがぎゅっと抱きつく力を増す。
「辞めなさい、オルフェンス」
女性が一人、人垣から出て来る。
「おや、お師匠様じゃ無いですかあ?ご無沙汰しております」
男がニヤニヤ笑う。
「貴方は破門しました。今は師弟関係では有りません。それより・・・もう乱暴はしないと、以前約束した筈です。今度は無いと言った筈ですよ!」
女性が叫ぶが、
「そうでしたっけねえ、何分、物覚えが悪いもので」
男、オルフェンスがニヤニヤ笑いながら言う。
・・・ヴェルローズやウルフが来てくれれば良いのだけど。
「今度こそ捕縛し、兵士に突き出します」
「天の剣所属のお師匠様には敵わないですなぁ。これは万事休すですぜ?大人しく従いましょうか?」
せいぜい罪に問えるのは食い逃げくらい。
力が有る者には処罰は甘いし、恐らく直ぐに解放されるだろう。
女性も、困ったような顔をしている。
「では、こうしてはどうでしょう?貴方と俺が魔法で勝負、勝った方が絶対服従、ギアスロールを使って反故にしないようにしましょう」
「絶対服従まではしなくて良いですが・・・分かりました。その内容で良いですよ」
女性が応じる。
この勝負、女性が圧倒的に有利だ。
魔力が明らかに違う。
女性が強いのもあるが、オルフェンスが異常に少ない。
何かスキルの影響かも知れない。
女性とオルフェンスがギアスロールで契約を交わし、向き合う。




