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綺麗な女

「多分ここね」


目撃情報が集中している辺りで、エイプリルがサーチの魔法を行使。

古びた廃教会の前で止まる。


「よし、行くぞ」


ウルフが先陣をきって乗り込む・・・が、中には誰も居ない。


「外れかあ?」


ウルフが唸ると、エイプリルが否定する。


「恐らく地下が有るわ?」


エイプリルは目を閉じ・・・ややあって、目を開け、


「そこの像の下あたり、怪しいわ」


女神像を指さす。


ジリアンが調べ・・・


「確かに動かしたような跡があるね」


女神像を動かすと・・・階段が現れた。


「ち・・・隠れて何やってやがる」


ウルフが前に進み出て、階段を率先して降りる。

次に俺、リパーとエイプリル、最後尾にジリアン。


地下に広い空間が有り、そこにたくさんの人が自堕落な様子でくつろいでいた。


「・・・お前達、誰だ!」


そのうちの一人の男がこちらに気づき、向かってくる。

捜索願が出ている人物だ。


「お前達を迎えに来た」


ウルフが進み出る。


「・・・なっ・・・ウルフさん?!」



男が驚いて下がる。


「薬をやるのは別に構わないが、こんな所に隠れてやるこたあないだろう?お前等何で黙って消えた。この集まりは何なんだ?」


「・・・どうしようが俺達の勝手だろ!ここは楽園なんだ!」


最初こそウルフに驚いたものの、持ち直し、開き直る男。


後ろの人達も、警戒の目を向けている。


「・・・魔力の流れがおかしいわ?」


エイプリルがぽそっと言う。


「どう言うことだ、嬢ちゃん?」


ウルフがエイプリルを見て言う。


「ただの薬じゃ無さそうね。押収して調べてみたいわ?」


「おう、分かった」


ウルフが進み出る。


「く・・・来るな!」


男が叫ぶ。


「困ります!」


女が進み出て、ウルフを止めようとする。


「その女性も、何かおかしいわ?人・・・じゃない?」


「・・・確かに違和感を感じるな。お前、何者だ」


女はきょとん、とすると、


「・・・まさか、ばれるとは思いませんでした」


怯えた表情が消え、にっこりと微笑む。

かなりの美女だが・・・


「綺麗な外見だが・・・手加減はしねえぞ?大人しく洗いざらい吐け」


ウルフが女に向けて一歩踏み出し・・・


つん


いつの間にか女はウルフの目の前に移動。

額を指で押さえ、


「ここは放棄しますね。ウルフさん、貴方とは近いうちに会うことになると思いますが・・・今は見逃してあげます」


がく


ウルフが膝をつく。

震えている・・・?


「ほらみなさん、薬、は回収しますわよー」


奥に居た人々が持っていた何かが、光の泡となって消えていく。


「それでは」


女はそう言うと、光の泡となって消えた。


重苦しい空気がなくなり、俺は膝をついた。

動けなかった・・・


他のみんなも同じようだ。

圧倒的な殺気・・・?

悪寒・・・?

動かないことを魂に命じられているような重苦しさだった。


「何・・・あれ・・・強いわね」


エイプリルが呻く。


「ウルフさんが一歩も動けないなんて・・・」


ジリアンも驚いて言う。


「く・・・お前達・・・情けない所を見せたな」


ようやく動けるようになったのか、ウルフが立ち上がる。

・・・ランク4のウルフでも駄目なら・・・あいつは一体どんなランクなのか。

そもそも人じゃ無い・・・?

神?


エイプリルがつかつか、と奥に行くと、一人の男性の前に行き、


「貴方、何らかの方法でさっきの薬持ってるわよね、渡して欲しいわ?」


「な・・・貴様・・・何者か知らんが、何の事だ」


「渡さないと、ウルフさんけしかけるわよ?」


「・・・くそ・・・」


男が瓶に入った薬を虚空から取り出す。


「少しでいいわ?」


エイプリルは一部を自分の瓶に入れると、男に残りを返した。

・・・周囲からよこせ、とたかられているけど。


「テミス様に見せてみるわ。何か分かるかも知れない」


「そうだな」


ウルフは、溜息をつくと、


「とりあえずお前等、全員ついてこい。ついてこなければ、逃げないように気を失わせた上で、うちの者に運ばせるからな」


「・・・はい・・・」


大人しく、ウルフについてくる。


「これでリストの半分くらいは片付いたな・・・まだ他にこういう拠点が有りそうだ」


俺が言うと、


「とりあえず今日はこのくらいだろ。嬢ちゃんも何か調べてくれるようだしな」


ウルフは疲れたように言う。

先程の女と至近距離で対峙したのがこたえているのかも知れない。


「戻るぞ」


ウルフは地下に居た人達を促すと、地上に向かって歩き出した。

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