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鬼畜女神様

朝ちゅん。

外では、鳥のさえずりが聞こえる。


俺はただ、目の前のスマホを眺め・・・見たくもない外を見・・・徹夜した事に気付く。

仕方なくアプリを閉じ、出社の支度を始める。

まさか徹夜してしまうとは・・・眠気と戦いながら仕事をすると考えると憂鬱だ。

既に年齢は30を過ぎた。

徹夜明けの仕事は、非常に気が重い。

有給は余っているし、急ぎの仕事もないので休みの連絡を入れても良いのだが・・・面倒だが仕事に向かう。


やはり仕事中は眠かった。

それでも何とか帰宅。

食事は駅の立ち食いそば屋で済ませてきた。

再びアプリをタップすると・・・朝と同じ画面が出る。

普通タイトルに戻って、利用規約に同意する所から始まるのだが・・・珍しい。


冒険者になろう


それが、昨日アプリに表示されていたタイトルだ。

別に、リリースされたとこ、という訳でもないし、話題になっている訳でもない。

たまたま、アプリストアのおすすめに表示されていて、内容が気になったのだ。

レビュー者は0。


今は、キャラのエディット画面だ。

名前、外見、種族、初期職業、スキル・・・この内、スキルというのがかなり細かく設定できるらしく・・・20000ポイントものポイントから、これでゲーム成り立つのか、という程のチートスキル含むスキル群から選ぶ。

これらの情報は、職業以外はゲーム内で変更不可らしい。

もっとも、時間の半分は、初期職業までの情報を決めるのに使ったのだけど。


画面右下には、


さくっと決めちゃってね~


と吹き出しが出ている女神様が映っている・・・

あれ・・・女神様のグラフィックが変わっている気がする。


スキルの詳細を見ては閉じる、を繰り返す。

そんな事を3時間程繰り返し・・・そろそろ寝ようかなと考える。


アプリを閉じ・・・


「こら」


アプリからにゅーっと女神様が出てくる?!


「さっさと決めて頂けませんか?困るんですよ。規約に同意されてから、ここまで悩む人初めてです」


「えっと・・・?スマホから・・・人・・・が・・・?」


「人ではないですよ。一応女神です」


頬を膨らませる女神様。


「・・・これは神が作ったアプリ・・・的な・・・?」


「そうですよ~。利用規約でちゃんと、この世界での命を失う事とか色々書いてあったでしょ?」


見てない。


「だからこそ、こんなにたくさんチートスキルを選べるんですよ?どれを選んでもかなり強いので、フィーリングでさくっと決めちゃって下さい」


「えっと・・・これを決めるまで大丈夫なのなら、ここでアプリを閉じて置いておきたいのですが」


「それは困りますね。一度同意した以上・・・と言うか、ここまで話を聞いた以上、ここで止められると困ります」


勝手に話したくせに。

話題を逸らそう。


「女神様、最初の女神様と別の女神様ですか?」


「そうですよー。貴方があまりにも長引くせいで、元の担当者は別の人の処理に移ってしまったのです。たまたま手が空いてた私が、貴方を引き受けた感じですね。私もこの後行くところがあるので、さくっと決めて下さい」


むう・・・逸れなかった。


「とりあえず」


アプリを閉じる。


「寝ます」


「こら、駄目ですって!」


本気で困ったように、体を揺する女神様。

そう言われもまだ死ぬわけには・・・


「・・・仕方がないですねえ・・・」


そっと女神はスマホを手に取ると・・・あっ。


「スキル選ばずにスタートで」


「ちょ、鬼ですか?!」


意識が遠のいていく・・・

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