表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「またね」

作者: 七草せり

「またね……」と握手をしてそれぞれの家に帰る。

"またね"がただの約束のない挨拶だという事か分かっていたから、一瞬その手に伸ばすのを躊躇った。


ただの友達の位置から何処にも動けない自分は、この先この想いを抱えたまま生きていくのだろうか。


どうにもならない人だから、どうにもならない苛立ちを覚えて、いっそのこと気持ちをぶつけて終わりにしてしまおうか。そんな風に感じてみたり。


でもどうしても。どうしても友達でいいから、このままでいたいと思ってしまうのも正直な気持ち。


ずっとずっと好きだった。ずっとずっと好きな人。

手を伸ばしても届かない、それでも大切な人。


今度の約束なんて当然ない。いつ会えるかなんて、分からない未来。


貴方の暖かな手を一瞬握って、じゃあって言ってバイバイした。


悲しいのか、悔しいのか分からない。自分が隣に居られない人間だから、歯痒さばかり感じてる。


この先どうしたらいいのか、この先どうなるのか、多分きっと答えは出ているのかも知れないし、出ないかも知れない。


初めて握った貴方の手を、離したいのか違うのか、分からなかった。


友達のままで、このままで。想いを胸にしまい込んで。いつもの様にメールを送って、何でもない話をして……。


「好きです」の言葉は日常に隠して、いつの日か、「またね」のセリフが現実になる様に願おうか。


もう一度、貴方と握手をしようか。


ただの友達として……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ