第10話
なるべくお金を使わない様に過ごしていた日々……そのお陰で、今度の日曜日にサバゲーへ行く事が出来る様になりました!
もちろん、その様子をGoProで撮影します。面白い映像が、撮れれば良いんですが……。
家の用を済ませたら夜になったので、そろそろ寝ようとベッドに寝そべった時の事だった。
「・・・・・・ん?」
何で敵マークが出ているんだ?
そう、レーダーに敵のマークが出て来たのだ。
数は・・・・・・・五人か。こっちから手を出したら正当防衛にならないからな。武器を用意して様子をみよう。
念の為にPDWの H&K MP7A1 と愛銃の JERICHO941 PSL を装備する。
一応、相手の動向を確認しよう。
敵らしき人達がいる場所へドローンを飛ばす。
「これはどう見てもやる気満々って感じだね」
サーマルビジョンで顔の表情は見えにくいが、仲間同士で話し合いながら手を俺の家に向けている。恐らくだが、どうやって家に侵入をするのか相談し合っているのだと思われる。
「こっちからはそっちの様子がバレバレだって言うのに、よく話し合えるねぇ」
取りあえず急いで二階に続く階段と玄関まで行くと小型ターレットを置き、罠としてリビング繋がる廊下に鉄条網を敷く。
そして最後に自室に逃げ道を作り完成。
「さて、お手並み拝見させて貰おうか」
そう言った後、ドローンで相手の様子を見続けると全員で玄関前までやって来た。
コイツら全員で突っ込んでくるつもりなのか? てっきり俺は家の周囲を囲んだ
後に全員で突入をすると思っていたんだが・・・・・・。
そんな事を思っていたら、その内の一人が鍵を開けようとしているのか鍵穴に棒を突っ込む。
「そんな事をするぐらいなら、ドアを壊して突入した方が良いんじゃねぇ?」
しかし、中々鍵が開かないのか男性が度々首を傾げている。その様子を見ていた仲間がサーマル越しでも分かるぐらいに苛々した様子を見せる。
ドアを壊されるのも困るし、俺から出向こうかなぁ?
そう思ったので自室の窓からロープを使い、地面へと降りてそっと近づいて行くと声が聞こえて来た。
「なにをしているんだよ、早く鍵を開けろ」
「わかってるって! でも、なんかしんねぇけど、開かないんだよこれっ!」
「グズグズしていると気づかれるぞ!」
もう気づかれているんですけど。
「ああ~もうじれったい! ドアを壊して中にはいるぞ!」
後ろにいた仲間の一人が剣を取り出してドアの前まで立ったので、流石にそれは困ると思いMP7A1のチャージングハンドルを引っぱってから物影から出た。
「キミ達は人ん家の前でなにをやっているのかな?」
「「「「「ッ!?」」」」」
驚いた顔をさせたまま、こっちを向く襲撃者達を気にせず呆れた顔をさせたまま説明を続ける。
「まぁ、何をしているのかは見て明白だよね。このまま大人しく捕縛されるか、それともやり合うか選ぶんだね」
睨みを利かせて言ったのだが、なにを勘違いしているのか知らないが全員ニヤリとしたまま武器を構えた。
「こっちは五人もいるんだ! 負けるはずがねぇ! 行くぞぉ!」
「「「「おうっ!」」」」
どうやら向こうは正真正銘の馬鹿の集まりだった様だ。
そう思いながらMP7A1のセレクターをフルオートに合わせてから先頭を走っている人間から順番に撃って倒していく。
「ギャァアアアアアアッ!?」
「いてぇっ! いてぇよぉ!?」
「ッ!? ・・・・・・ッ!?」
二人は意識を失い、一人は身体を押さえて叫び、もう一人は肩を押さえている。そして最後の一人が当たりどころが悪かったのか、喉元を押さえて苦しんでいる。
「・・・・・・まだやる気?」
「ヒッ、ヒィッ!?」
肩を押さえている方が立ち上がり逃げ出したので、ドローンに後を追いかけさせてから、身体を押さえている人の方に近づく。
因みに喉を押さえていた方は、意識を保つに限界を迎えたのかグッタリしているし、レーダーに敵マークが映らなくなった。
「もう一回質問するよ。なにをしにここに来たの?」
「いや、そのぉ〜・・・・・・アナタに会いに来ただけで」
時間稼ぎをしようとしているのが見え見えなので、足元に一発撃ったら真っ青な顔になる。
「こっちはイライラしてるの。ハッキリと答えないのなら、今度はアナタの脚に当てるよ? 良いの?」
「い、依頼でここに来たんだぁっ!!」
「依頼?」
「そうだ! お前を殺せば報酬が出るって掲示板にあったんだぁっ!?」
コイツらもしかして・・・・・・。
「まさか闇ギルドの人間?」
俺がそう聞いたら、男はブンブンと首を縦に振った。
闇ギルドが俺の命を狙いに来た・・・・・・あっ!
そう言えば、ラミュールさんが闇ギルドが不穏な動きをしているって言っていたな。
「これは詳しく話を聞かなきゃいけないねぇ〜」
「な、なんでも話すから許してくれぇ!!」
ジリジリと近づく俺に対して、相手の方は這いつくばって遠ざかろうとする。
「お前達、そこでなにをしているんだっ!?」
声のした方に顔を向けてみると、なんとグエルさんが仁王立ちをしていた。
「あ、グエルさん。お久しぶりです」
「お久しぶりです。じゃない! これは一体どういう事なんだ?」
「どう言う事って、この人達に家を襲撃されそうになったから止めただけです」
「襲撃。まさかこんなに早い段階で・・・・・・」
早い段階?
「グエルさん、なんで私が知らない事を知っているんですか?」
一応男が逃げたり、ましてや襲って来たりしても対応出来る様に目線を外さない。
「ああ、お前が襲われる可能性があると今日の昼に聞いたんだ」
「そうなんですか」
「とりあえず、コイツらを連れて詰所で色々と話を聞くぞ。良いな?」
「どうぞ、お構いなく」
俺がそう返事をすると、グエルさんは部下と共に寝転がっている人達の容態と生きている男の捕縛をする。
「コイツらの事は俺に任せてくれ」
「はい」
下手に俺が介入するよりも、グエルさんに任せた方が良いか。
「それと、お前も俺についてこい」
「ついてこい。って事は、証言を取る為に私も詰所に行くんですね」
「違う」
えっ!? 違うの?
「俺がバルデック公爵家にまで付き添ってやる」
バルデック公爵家まで付き添ってやるぅ?
「あのぉ〜・・・・・・私のお家はここなんですけどぉ〜」
そう言って自宅を指をさして言うが、グエルさんは首を横に振って否定する。
「さっきの話の続きだが、お前の身に暗殺者の魔の手が差し掛かっている時は、バルデック公爵家に連れて行くって事になっている」
「また私の知らないところで勝手に決められている!」
「それに、まだ闇ギルドの連中がお前を狙っている可能性がある」
いや、もうこの場にいないんですけど。
「バルデック公爵様の元へ行くぞ」
「いえ、私は平気ですから・・・・・・」
「今日は平気だったかもしれないが、明日はどうだ? その次の日は?」
詰め寄りながらそう言ってくるので、タジタジになってしまう。
「もしかしたら今回の失敗を受けて、もっと大人数でお前の命を狙いにくる可能性があるぞ? その時お前は対応出来るのか?」
「流石にそうなってみないと分からない事なのでぇ〜・・・・・・」
そう返答したら、睨まれてしまった。
「お前が死んだら誰が悲しむのか、考えているのか? 少なくともリズリナは泣きそうな気がするが?」
「うっ!?」
確かに、俺が亡くなったらリズリナさん泣きそうな気がする。
「で、どうする? 俺と共にバルデック公爵様のところへ向かうか、それとも自宅に帰って大目玉を喰らうか」
ここで断ったら、アイーニャ様にヤバい事をされそうな気がする!
「分かりました! グエルさんについて行きますよぉ!!」
「素直でよろしい」
なにが素直だよ。脅迫紛いな事をしやがって!
「一応家の戸締りはしておきたいので、一旦家の中に入って良いですか?」
後は入ってくる事を想定して置いておいた小型ターレットの回収もね。
「ああ、構わない」
グエルさんの許可が下りたので、自宅に入り小型ターレットの回収と戸締りの確認をしたのであった。
またサバゲーの話になってしまいますが、今度サバゲーはKSCのMASADAとタボール21とCZ75を持って行く予定なので、ガスガンしか持って行かない事になりそうです。
季節があれなので、撮れ高の方も心配になりますねぇ〜。




