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前篇

婚約破棄ものが書きたくなった。思いつきで始めたので駄文でも優しく見てね。

 何故玉座の間でこのような茶番に参加させられているのだろうか?

 目の前では、父である国王陛下や王妃が呆れているが、それすらも気にならないのか?

 周りの貴族や重鎮らですら呆れている。それで済めばよいが、青ざめている者さえいる。

 現状が理解できているという意味では、むしろ青ざめている者の方が有能と言えるだろう。スカウトしておくべき人材なのかもしれないな。後ほどリストアップさせておこう。



 などと、若干現実逃避をしてみたが、ますます熱く語りだして終わりも見えないし、そろそろ良いだろう。


「さて、アスラン王子。私に対する処罰を求める嘆願だったはずだが、平民を愛しているなどと愚にも付かないような答弁をするのはいい加減止めてもらおう。私だけでなく、出席者の方々の時間は有限であって貴方ほど暇ではないのだ。」


 王子にとっては諸悪の根源である私が割り込んだことが許せないのだろう。歯を食いしばり、怒りで真っ赤になってしまった。まぁ、どうでもよいわけだが。


「うるさいっ!レイラ辺境伯爵令嬢っ!!マリアを殺害した貴女に言われることではないっ!!父上っ、聞いたでしょう?まるで反省もしておりませんし、毅然とした処罰をおね」

「黙れっ!!馬鹿者がっ!!!貴様は自室に引っこんでおれっ!」


 王子は、国王陛下の叱責を予期していなかったのか呆然と立ち尽くしているが、ことごとく愚鈍であることを証明しているな。


「衛兵。この馬鹿者を自室まで連れて行けっ!!」


 国王陛下の命令に従い、衛兵が呆然と立ち尽くした王子を連れて出て行った。ううむ、王子に対する扱いではないが、中々に面白いなっ。結構な喜劇と言えよう。


 必死に笑いをこらえる私を脇に、皇子の強制連行が終了し、改めて協議の場が整った。


「では、何があったのか改めて伺わせて頂こうか?レイラ辺境伯爵。」


「了解いたしました。とは申しましても、何から話せばよいやら。私も突然の事でした故、少々話が長くなるかと思いますが宜しいでしょうか?」


「構わぬ。それでは聞かせてくれ。」


「では、失礼して。あれは本日の昼過ぎの事です・・・・



================


 私は、1月ほど前に領地に帰っており、所用を済ませていた。そして、王都に戻り次第、帰還の報告などを国王陛下や王妃に報告をした。

 その後、午後から学園に登校した時のことだ。


 学園の入り口で王子と見た覚えのない女生徒が私を待ち構えていた。今思えば、あの女生徒がマリアというのだろう。

 不審に思いながらも、挨拶をしようとしたところで王子が唐突に宣言したのだ。


「レイラ辺境伯爵令嬢。今日、この場を持って婚約を破棄する。その上で、貴様を処罰する。」


 私だけでなく、周りの貴族子息・令嬢も目を剥いているが、これは中々に面白い展開かもしれないな。


「アスラン王子。突然に何でしょう?私は婚約破棄自体は構いません。それによってどのような事態が発生するかについては十分に御理解頂いた上で言ってらっしゃるのでしょうから。ちなみに、処罰の理由というのは如何なものなのでしょうか?」


 婚約の破棄を受け入れたことに驚き半分、強がっていると思っているのが半分といった微妙な反応をしつつも、落ち着くまで待ってから口を開いた。


「しらばっくれるな。この女生徒を苛めていたのはキサマだろう?証拠もあるのだ。黙って処罰に従うがよい。」


「私には全く覚えはありませんが、どのようなイジメをしたというのでしょうか?」


「彼女の私物を盗んだり、暴漢に襲わせたりしただろう。1週間ほど前のことだ。」


 ほほう。武の誉れ高い我が伯爵家がそのようなことをするとでも思っているのか?しかも、1か月ほど王都にいない以上、冤罪は明らかだな。


「お嬢。どうしますか?」

 護衛も冤罪なのは分かっているせいだろうか。尋常ではない殺気を漲らせているが、任せたらどうなるか想像するだけでも面白いな。まあ、そうも行くまいか。


「その被害者令嬢とやらは、初めて拝見いたしますが、御名前を頂戴してよろしいでしょうか?」


「誤魔化さないでくださいっ!私が平民だからって何をしても良いのですか?」


 むっ。王子が傍にいるから強気なのか分からないが、攻撃的だな。にしても、平民とはな。これは面白い。また、護衛の殺気も一段と強くなって周りの貴族子息・令嬢も震えているが、どこまで行くか確認してみるのも悪くないな。


 私は、女生徒に近づいて問う。


「では、重ねて聞きますが、私が貴女をいじめているということに間違いはないということですか?」


「はい」


 私は返答を確認すると同時に、手に持っていた鉄扇で一閃し、女生徒の首を落とした。

 そこかしこで貴族子息・令嬢の悲鳴と女生徒の遺体から血飛沫が上がる中、護衛のみが「お見事」と囁いているのが聞こえた。

 やれやれ、血の気の多い護衛というのも困り者だな。


 王子の方を向きなおすと、腰が抜けたのか、失禁しながら座り込んでいる。ふんっ、情けない。


「事情の報告と今後のため、王城に行く。貴様はこの愚物を持って付いてこい。」

 本来の口調に戻し、護衛に命令する。護衛も失禁した王子に近寄りたくないのか嫌そうな顔をしているが、命令に従わざるを得ないのに気付くと首を掴んで猫を持つように付いてきた。それでよいのか?と思わなくもないが、気持ちも分かるので言葉には出さないことにした。


「それでは、皆様失礼いたします。なお、これは不敬罪で無礼討ちにしただけですのでお気になさらず。すみませんが、我が家に連絡して掃除しておくように伝えておいてくれますか?」


 周囲の貴族子息・令嬢らが頷くのを確認してその場を後にし、王城に向かった。


 王宮の門番は、王子の状況に酷く驚いていたが、王子の件でご報告したいことがあるとして謁見を申し込んだ。


===================


「それで、現在に至るということです。私がここ1か月ほど領地に帰っていたこと及び私が父より辺境伯家の当主に任じられ、その了承を今朝国王陛下より頂きましたことは明らかですから、平民が辺境伯爵家当主に対する侮辱及び冤罪を着せてきたとのことで、その場で不敬罪として処断いたしました。」


 周りの貴族らが、私が辺境伯爵家を継いだことに驚きざわついている。女性が当主というのは珍しい上に、我が家は軍事を担っていることから尚更か。それとも、鉄扇で一閃して首を落としたことについてか?


 なお、この国では平民から貴族及び王族、貴族から王族への不敬罪を処罰する法律があるが、今思えば、あの平民は既に王子の婚約者のつもりだったのかもしれんな。国王陛下及び王妃が認めぬ限り平民に過ぎぬというのにな。


「うむ。その点はさほど問題ではない。バカ息子が謁見の間で言っていた経緯とも一致しておるしな。問題は、婚約の件だ。そちらは・・・」


「婚約の件は破棄させていただきます。あの女生徒に王子が好意を持っていたのは構いませんが、学園内及び謁見の間で公然と私を侮辱していますから、我が家がこれを許すことはできません。つきましては、先代の国王陛下及び先先代の我が辺境伯爵家の当主の約束に従い、王位を当家に禅譲していただくか、爵位を返上し、辺境伯爵領で独立させていただきます。」


 周りの貴族共がどういうことか?と騒いでいるが、すべてを無視して国王陛下の回答を待つ。


「それは・・・・少し検討させてもらいたい。追って回答でよいだろうか?」

 冷や汗を流し、顔色が悪い。体は大事にしてもらいたいものだ。


「私個人としては、先代及び現国王陛下の人柄及びこれまでの温情からしても応じたいのですが、隣国の侵攻の予兆もあり、急いでもらう必要があります。禅譲して頂けない場合には、隣国に事情を話したうえで、不干渉とするか抗戦するかを選択する必要がありますので。」


「待てっ!辺境伯爵領は、敵軍と内通するということか?そのようなことが許されるとでも」

 呆然とした貴族が割り込んできた。ううむ。煩わしい。


「そのような場合には、既に我々はこの国から独立しておりますからな。許される相手はいないでしょうな。まぁ、これまで戦争は全て当家が行っておりましたからな。当家以外の方々が苦労されるのもたまには宜しいでしょう。」

 そう。この国は海に面し、農業に向いた肥沃な平野は広い割に山に囲まれており、隣国と面しているのは辺境伯爵領のみである。そのため、隣国はこの国をほしがり再三侵攻してくるが、戦闘はほぼ当家のみが担い、他の貴族らは平和を甘受できているのだ。


「それと、独立の際には当家の兵士及びその家族は引き取らせていただきますが、望む者には残留を認めましょう。もっとも、金食い虫の役立たずと兵士を見ていたこの国に残るものなど殆どいないでしょうがね。」

 ようやく自分らの状況が理解できたのか、他の貴族らも青ざめている。ふんっ、愚物が。


「では、正しい選択をされますよう願っています。失礼いたします。」


 一礼して私は王宮を辞した。



筆者も気にはなっていたのですが、感想にもあったので不敬罪について説明を入れておきました。

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