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黄龍の憂鬱

赤龍とは

龍の護る国エーティス


国のほぼ中心部にそびえる大きな山の頂上に黄龍と八匹の龍の住む宮がある。



その宮の中でも別格の広さを持つ黄龍の宮。

玉座に座るジルヴァーンは、届けられた書状に目を伏せた


「黄龍様、どうなされたのですか」

「シヴァ、樹を司るそなたに急ぎ行って欲しい場所がある」


ジルヴァーンの言葉にシヴァは片眉を上げる


「シュレイアの土地だ。赤龍が怪我を負って滞在しているらしい」

「なんと赤龍が……?」

「東の森が焼失したようでな。シヴァは森を復活させシュレイア家を訪ね赤龍を連れ帰れ」


「畏まりました

しかしひょっとしてシュレイア家の者が赤龍を屋敷に?」

「文にはレイン=シュレイアという娘が館に連れ帰った。と」

「人間の女性が連れ帰ったと…?あの赤龍を?


それが事実ならば、喜ばしい事ですね・・・」

シヴァが感心したように溜め息を吐いた


赤龍はこの国で存在する数多の龍族のトップクラスの破壊力を有する。司るのは焔。火でも火炎でも炎でもなく焔だ

純然たる力の勝負なら黄龍とて並ぶ事叶わない。それほどの力を有している。


だが大きな力には代償がある


赤龍は対等たるものがおらず本質は孤独。

どのような生物でも孤独で生きていく事など出来ない。故に自棄になって戦闘で特攻…なんてザラだ



黄龍は赤龍を大切に思う。黄龍と八龍の関係は他とは違う絆で結ばれてると思っている。

だが、赤龍は早く死にたいのだろう。己を受け入れぬ世界を憎み悲しみ絶望の中にあるが故に


赤龍の事は国民ならば誰もが知る。


曰く、荒く猛々しい赤龍


曰く、血に穢れた赤龍


曰く、野蛮な赤龍。



彼を人々も宮の半龍の侍従達も皆畏れ最低限にしか近寄らないのに、書状の娘は屋敷に。と書いてある。

もしこれが本当ならば赤龍の救いになるやもしれぬ。

そうならばいい。黄龍は願う



荒く猛々しい力とは違い、その本質は寂しがり屋の哀しき龍

長く長く同位の八龍と黄龍以外に受け入れられず孤独の最中サナカを生きる


受け入れて欲しい。



大切な大切な同胞ハラカラなのだ

無くしたくはない

生きてほしい

共に世界の明日を見続けたい。

未来の光の中胸を張って威風堂々と生きてほしい



まだ見ぬ稀有な心の娘に心から願った

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