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<上>~前夜晩餐会①

領主会議は5日掛けて行われる

しかしながら、一日を丸々会議に使うのではなく、夜は毎日晩餐会という名の立食パーティーが開かれる


会議の出席者は領主12人と龍山の主人という事で黄龍、司会進行役に国府の役人、領主の護衛が1人ずつ、それから、領主の補佐役などで、人数は毎回少し変わる


夜の晩餐会になると、更に人数が増える

領主の娘や息子が来ているからだ



「急だったから兄様からの借り物だけど、よく似合っているわね」


レインが宛がわれた部屋で礼服を身に纏った桐藍を見て満足そうに笑う


「うん、本当によく似合っているよ。」


「ありがとう、ございまス。レイン様、セルゲイ様」


少し照れたように笑う桐藍は普段顔を覆う布が無いため珍しく表情が分かりやすいので、レインもセルゲイも微笑ましそうに笑った


「あノ、レイン様・・・」



「心配しなくても、いつも通りでいいのよ。気負う必要はないわ。

私と隅に立ってましょう」


「はイ」


「普段、影の中だからねぇ

まあちょっとばかり、視線が煩わしいかもしれないが・・・」


眉尻を下げるセルゲイ、レインは苦笑する

色々な意味でシュレイアは目立ってしまうのだ



「しかシ、」 


「「?」」


「龍山でノ護衛が許可され良かったデす。

何時も、龍山の外で祈ル事しか出来ませんカラ」


「本当に何時も有難うね。

もう少し、紅葉が深まったら温泉行きましょうね


旅行もいいかもね。

ローランとかリオルが落ち着いたらリオルもね」


笑うレインにセルゲイはにこやかに同意し、桐藍も嬉しそうに笑った





時間となり晩餐会の会場に出向けば既に大方の領主達が集まっていた


「まだなのは、ヴォルケと四領の方々みたいね。


じゃあ、父様あとで」


「うん、じゃあまたね。桐藍、レインを頼むね

レイン、余り桐藍に迷惑を掛けないようにね。」


まるで小さな子供に言うようにレインに注意して領主達の一団に加わるセルゲイ


このあと、晩餐会の始まりと共に黄龍に揃って挨拶するのだ


「じゃあ、適当に飲み物頂いて端に寄りましょうか。」


「はイ」




部屋の端に寄ろうと減らない好奇の視線はレインには勿論、初めて連れてきた桐藍に向いている


桐藍は普段顔の大半を布で覆っているため、シュレイアの人間でも素顔を知るものは多くない


「(実なイケメンだもんねぇ)」 


切れ長の瞳に、この辺りでは見ないような顔立ち、身長も高く現代で騒がれていたアイドルのようなのである


「レイン様?」


「何でもないわよ」


ほほほ、と笑うレインを少しいぶかしんだ桐藍だったが大きな音をたてて開かれた扉に身体を固くする


「八龍様がお越しになったわね。いつの間にかヴォルケと四領の方々もいらしていたみたいだし、始まるわね」



波乱の領主会議が幕を開けた

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