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第五章 【領主会議編】愛しい我が子

「さてレイン、今回の領主会議には君も行かなくてはね」


「えぇ。ご挨拶しなくてはいけないものね」


苦笑いするレインにセルゲイは笑う

この若さで次の領主を任される程なのに・・・任したのは自分だが・・・パーティーは本当に苦手なのだ


普通治領を苦手とする者が多い中、レインも他の兄弟姉妹も真逆なのだからこれは最早血なのだろうか


自身や先代、先々代を思い浮かべ納得してしまう



「今回の領主会議は何処で?」


「今回は王城だよ」


「・・・てことは翼竜なのね」


「君にとっては残念なことに。」


肩を落とすレインに笑う


普段年不相応な彼女が今日は年相応にクルクル表情が変わる

親として、ありのままの彼女を愛しているが、それでも時にはこうして子供の様に表情を変えて欲しいと思うのは親心というものだ



「では父様、私は執務に戻りますわ」


「うん、私もギリギリまで流入民の元で作業しておくよ」



礼をして下がるレイン


後ろ姿は何処にでもいる娘のもの


しかしその双肩にはシュレイアの民40万が乗っている


苦にせず慈しむレインを父として領主として誇りに思う




「父様、流入民の元へお戻りに?ならば私も一緒に行って構わないかしら」


「あぁ、勿論構わないよ。天馬で行くだろう?」


「普段ならそうなんだけど。ちょっと荷物が多いから、飛龍で行くの」


「飛龍?そんなに荷物があるのかい?」


「えぇ。備蓄していた穀物、今朝獲れて運ばれたばかりの果物、塩に調味料、衣類、薬ナドナド」


アリアの挙げていく物の多さに納得すると同時に浮かぶ疑問


「備蓄関連は君たち上三人に任していたが、衣類もかい?それに、その量で備蓄は大丈夫なのかい?」


「衣類の備蓄は、レイン提案です。天災に遭った時着の身着のままの事が多いから備えて損はないって言ってたわ。


町のお針子達に伝えて、余力のあるときは老若男女問わずサイズ問わず作って貰ったの。作った品は、買い取りか税の代わりにして納めてもらってるの


備蓄は向こう三年全領民が食べていけるだけしてあるから大丈夫。今年も豊作ですからね」


「君たちに一任しておいて正解だったようだね」


「サディクとレインの作物の品質向上の成果でもありますわ。あの子達のおかげで年々穀物は実りを増やし、病気にも強くなっている・・・特にサディクの研究っぷりはレインも唸るほどなんですよ」


笑うアリアに私も笑う

三つ子は似ると言うが、一人は武の道に、一人は医の道に、一人は農の道にと進む道は異なる三人


彼らもまた、このシュレイアの為に動く



「さあ、父様、急ぎましょう!」


「そうだね。民が待っているしね」



愛しい我が子達の成長振りを見る為にも


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