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龍騎士

久しぶりにゆっくり眠った・・・それこそ泥のように



夢さえ見ないほど熟睡したレインを揺り起こしたのは、影の護衛役、可鈴だ


黒い髪は肩上で切り揃えられ、可愛らしい顔は今は心底申し訳なさそうに眉を下げている


現在朝の八時前・・・普段は六時前から活動しているレインだが流石に連日の寝ずの執務に疲れはピークに達し、止めに稲刈りをしたせいか可鈴が揺り起こすまで一度も意識が浮上することはなかった



「・・・ん・・・?かりん?どーしたの」


寝惚けた頭で、珍しいと思いながら(こういう場合、自然に起きるまで良い意味で放置されるからだ)可鈴を見る



「お休みの所申し訳ございません・・・


実はお客様がいらしておりまして・・・」


「お客様?ーーー約束はなかったわよね?」


目をごしごし擦り、視界のハッキリしたレインは可鈴に問いながら首をかしげた



「お約束はありません。急遽いらしたようで」


「そのお客様って?」







貴族の屋敷の応接間というのは華美な装飾、豪華な調度品などで自分の家が如何に余裕があるかを来客に披露する場である


下級貴族と言えども精一杯見栄を張るものだが、やはりそこはシュレイア家


応接間の装飾も調度品もシンプルなものしか無い


唯一の例外は自分の座るソファだろう


フカフカしていてゆったり寛げる

これが仕事でなければしっかりリラックス出来そうだと思った


「お待たせいたしました。シュレイア家次女のレイン、参りました」


木目の美しい扉を開けて待ち人が現れた


噂にたがわずシンプルなドレスに身を包んだ若い娘


初めて見たが、この娘がレイン・・・


「朝早く申し訳御座いませんレイン殿


私は龍騎士、【翠】のアシルと申します」


ー八龍の近衛隊を龍騎士と呼び、仕える主の色のラインが鎧に入る


(スイ)】は【ミドリ】とも読む


緑龍であり樹龍の事である


龍騎士は他に


黄龍の【洸】


水龍の【蒼】


土竜の【砂】


金竜の【鋼】


銀竜の【嵐】


氷竜の【霰】



赤龍には近衛は存在しないので近衛は7つ

名前は主の性質などからつけられているー



「それで、当主セルゲイではなく、私に用件があると伺っていますが」



「えぇ。黄龍様より、文を預かって参りました。生憎今はリオルとの一件で動ける龍騎士が少なく、内勤だった私が預かった次第で」


そう言って懐から手紙を差し出す


封には黄龍の玉印が押されている


「この場で読ませていただく方が・・・?」



「いえ、二週間以内に返事を頂ければと仰っていましたから。私は届けに参っただけ


どうぞ御家族で御覧下さい」



「分かりました。態々こんな端の領地までありがとうございました」


「いいえ・・・では、私はこれにて」


アシルが会釈し、立ち上がりレインは 再度礼を言うと先導し外まで見送った






「さて、何が書かれているのかしらね」

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