唯一の主
「全く、レイン様が帰還してまだ7日だというのに。
こういう時に限って反応が早イ」
簀巻きにした他国からの侵入者を見下ろす
「桐藍、他国だけではないですよぅ」
「他領からの偵察も捕まえたぜぃ」
「今、シュレイアは各領地から注目されているからネ」
元々近隣の国から注目されていたシュレイア
リオルとの停戦後はとうとう国内からも注目されるようになった
「まぁ、今まで国内から注目されなかったのが可笑しいんですけどねぇ」
「今更動き出した所で、シュレイアを馬鹿にしてきた過去は消えなイ」
「で、こいつらどうするんだ?いつも通り処分するか?」
「(ビクッゥウ)」
大袈裟に身体を震わせるネズミに冷めた視線を向ける三人の影
「何処の領地からのネズミか、吐かせてかラ処分する
シュレイアに放たれたこと、後悔シロ」
大切な主が望んだ幸せの妨げになるならばどんな小物も容赦せず全力で排除する
それが己の望みであり役目
「桐藍のレイン様至上主義は相変わらずですねぇ」
「まぁ俺達もだけどなぁ」
誰もに手を差し伸べる
懐に入った者は全力で護る
影の民すら護られる存在になるのはくすぐったく、中々慣れない
だがそんな主が主で良かった




