停戦とほんの少しの過去
黄龍への戦争終結を働き掛けてからあっという間に時間が流れた
レインとフェンネルは交信の後直ぐに手勢を引き連れ教会に踏み込み、王に向かい武器を向けた信者達を確保し、信者同士が連絡を取り合っていた交信に現代で言うところの、妨害電波を流した
連絡を取り合えなくなった戦場の信者を別動隊が次々確保していき、エーティス側が魔力増幅機を破壊し更に事態は急に動いていった
国民にはフェンネルから国は長らくの戦により、大変困窮した状態であること
古い考えをゆっくりと、しかし確実に一新させる、国にとって、大きな分岐点となると伝えられた
「どう、なるのだろうな」
「その様に弱気な発言は控えた方が宜しいですよ」
「しかしな」
「不安に思うのは、当たり前です。それでも、貴方が国王で在る限り、振り返ることは赦されず、前を見続ける義務がある。
そうで御座いましょう?今一番、不安なのは情報が端的にしか明かされておらず突然終戦を宣言された国民です。
国民の不安を煽らないよう、復興に向け指針を掲げる。それが貴方の今からする事」
言ってレインは出すぎましたと深く頭を下げた
「いや、
不思議だ。レイン殿はまるで民側に立って同じ様な経験をしたような」
「そうですね」
喪う痛みも、一心不乱に復興に向けて駆けた記憶も、全て魂に刻まれている