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衝撃

シュレイア家の次女、レインがリオルに誘拐されたと彼女の兄であるキリクが告げた時、赤龍にも、黄龍にも、衝撃が走った



「どうやら竜族の意識を逸らし五感を鈍らせる魔術を開発したようです。」



「・・・・なんと・・・」


黄龍の呟きを違う意味で取った領主の者達が口汚くキリクを罵る



「なんと無様な!!!これだから田舎領主は!!!」



「抵抗すらしなかったというのか!!エーティスの恥さらしめ!!!」



「黙れ!!!!!!!!!」



怒号一喝


赤龍の怒りの一喝にそれまで喚く領主は顔を青くして口を閉口した


赤龍の、感情をあらわにした声を領主達が耳にしたのは、初めてであった



「黄龍様、我が参ります」



「行ってくれるか」



「是非、行かせて下さい」



赤龍と黄龍のやり取りに領主達は焦る


「お待ち下さい!!!!たかが一人の地方領主の娘の為に赤龍様がリオルに向かわれるのですか!!!???ヴォルケで今も侵攻を続けるリオルの軍の一掃はどうなるのですか!!!」



「それに関しては、私も同意見です」



「キリク・・・・!!???」



領主の声に賛同したのは、キリクで、一同が驚く

是が非でも、妹の救援を求めると思ったからだ



「赤龍様、黄龍様、お心は有り難いのですが、謹んで辞退申し上げます

レインは、必ず自分の力で戻ってくるでしょう。

もし殺されるのならば、シュレイアで殺されていたはずです。


リオルの者は意図することあってアレを誘拐したのならば、アレにも手はあるでしょう。

八龍様の御手を煩わせるほどのことではありません」



「自力で一人で戻ってくると・・・??」


「そうするのが、レイン・シュレイアで御座いますから。


どうか当家の傑物を信頼頂きたく存じます」



深々礼をするキリクに黄龍と赤龍は何も言えず黙り込む

余りにも無謀な。と一蹴するは容易く、しかし此処でキリクの言葉を無視し、赤龍を出動させれば他領主達からの反感は凄まじいものがあるだろう。


特にヴォルケとヴォルケに隣接するアズナスからも再三再四の赤龍への要請を棄却しているのだ



黄龍も、赤龍も、キリクに賛同するほかなかった










ドンっという大きな音に頑丈な赤龍の宮の壁に大きな亀裂が入る



「レインっ」



初めて、心からの微笑をくれたか弱き人の女性


その人が、身を危険に晒しているのに何も出来ない自分が憎い


拳を握りしめ、掌から鮮血が流れても関係なかった



ただ、悔しくて


哀しくて


レインの無事を祈り続けた

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