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再会<下>

更新再会して続々メッセージが・・・ありがとうございます!

不器用に加減された腕の中で、子供のようにシクシク泣く赤龍様に戸惑ったのは確かで


背をなぞれば腕の力が増す


まるで幼子が母に縋るようだと赤龍様にバレない様に微笑んだ




此方を伺う領民に、アイコンタクトすれば察したように私と赤龍様を避けていってくれた。

察しの良い領民でよかった。



結構な時間が経ったようにも、余り経ってないようにも思える

赤龍様はそろりと腕から力を抜いて申し訳なさそうに謝ってきた



「気になさらないで下さいませ。

・・・・・・・もう、大丈夫でございますか??」


「あぁ。有難う」



ゆるりと笑う赤龍様にこちらも微笑んで返す



「赤龍様、祭りを楽しみましょう」


「・・・・・・・・・あぁ」



葛藤は、自分が居て良いのかというものなのか。それでも頷いていただけたから、少しは解って頂けたのか。



赤龍様、貴方の存在をどれほどの人間が厭おうとも、我らシュレイアの一族は、貴方を本当に大切に思っておりますよ


強く気高く、そして心優しい紅の龍様くれないのりゅう




<sideレイン終了>




ゆっくり、ゆっくりと祭囃子の中を歩く赤龍とレイン



シュレイアの祭りはレインが昔の記憶を掘り起こして作った日本のような屋台が並ぶ


他の領にはない祭りの様相に、売っているものも珍しい。


赤龍の視線は忙しなく周囲に向けられる。最も、それは赤龍のみでなく、他領からやってきた商人達もまた物珍しそうにうろちょろとしているが。


「他領は、作物の品評会をして優秀者を表彰し、踊るだけと聞いたが、ここは沢山の物が売り買いされているのだな」



「昔の豊穣祭はそうだったと聞いておりますが、シュレイアが領主となってからは徐々に変容し、今の形に落ち着いたのは、私の代ですわ。

なんでも、せっかくの豊穣祭、子供からご老人まで楽しめるほうが良いじゃない。と何代か前のシュレイア当主が言ったそうで。」



「その当主は中々破天荒だったのだな」


「そう、思いますわ。最も、今の領主一家も似たような破天荒さを持っていると民からは言われますが」



くすくす笑うレインに、赤龍も頬を緩める



「あぁ!!!!赤龍様!!」



「こらクリス、叫ばない。


祭りは如何です?赤龍様」



「クリス、元気そうだな。

・・・とても、良い時間を過ごしている。キリク、そなたが我を見つけ、声を掛けてくれなかったら、一生祭りを楽しむ事はなかったろう。有難う。」



赤龍の台詞にクリスは元気よく返事をして、キリクは嬉しそうに軽く一礼をする



「赤龍様!!飴は召し上がりましたか!!??僕、りんごの飴が好きなんです!!」


「まだ食べていないな。案内してくれるか?」


「はい!!えっとですね、イチゴもブドウもありますよ!!全部美味しいです!!」




前をクリスと赤龍が歩き、少し離れてレインとキリクが歩く


【レイン、最近リオルの国がキナ臭い】


【・・・・・・リオルとは真逆にあるから大事無いとは思うけれど、暫く注意しなければならないわね。念のため食料は備蓄量を増やしておきましょう。】




耳の良い赤龍に届いた二人の会話。

しかし何を言っているのかわからない。少なくてもエーティスの言語ではなかった



「?」


「?・・・・あ、兄様達がしゃべってるのは英語なんだって。僕もまだわかんないや」


「英語?」


「うん。知られたくないことを喋る時に上の兄様達だけ使うの。」


「知られたくないこと・・・?」



「例えばね、シュレイアの作物は品種かいりょーされてるから、それをスパイしている他国の人間にバレたくないから英語を使うんだって。」



「そうなのか・・・・・」



「うん。秘密の言葉なんて凄いよねぇ。僕も使えるようになりたいなぁ」


「大きくなったら教えてもらえるさ」


「うん!約束しているんだよ」


ニコニコ笑うクリスに赤龍も微笑んで返した

クリスみたいな弟が欲しいなぁっと思いながら

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