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再会<中>

ちょっと分けてみました。赤龍視点

レインと歩いているとそこかしこの領民が笑顔で挨拶をしていく


我にもまた、一人が挨拶をしてきたのを皮切りに老若男女問わず、簡易ではあるものの礼をし、笑顔を見せる


そんな他領では、むしろ自身の宮ですらない反応に戸惑う


オロオロと、まるで幼子のような我

反応を返さなくてはと思うのに、自分の口が、自分のものではないように堅く引き締まる


そんな我を見かねたレインが、我の背を押すかのように、微笑んだ

大丈夫だと、母が子供に促すようなその笑みが、我に一歩を踏み出させた


少し震える手が、礼をする人の子の髪をなぞる

子供は顔を上げ我を見て、クリス達の様にに<へらぁっ>と笑ったのだ


その瞬間、我は掬い出されたような気がした


かつて見た夢のような暗い世界から・・・明るい世界に出たわけではない

けれど真っ暗な世界でもない



レインが、シュレイアの一家が我を浮上させ


シュレイアの人の子が、また、ほんの少し浮上させてくれた



頬を伝う、火龍にあるまじき雫


産声を上げて早数千年


我は生まれなおしたような錯覚に陥った



あぁ


あぁ・・・・・・・本当に、シュレイアの者は我をどれほど救うのか



ただただ、シュレイアに、レインに、感謝する言葉ばかりが浮かび頭を占める




泣いた我を気遣うレインの手が我の背をなぞる



衝動的に、その腕を引っ張りまるで子が母に縋る様に抱きしめた



レインは、驚いたように声を上げながらも拒絶することなく、そっと背を優しく撫でた



貴女はなんて無意識に心を救うのだろうか



遠い昔生まれてすぐに失ったものを惜しみなく与えてくれる貴女は、一体何故そんなに・・・



自問はしても答えはなくていいと思う



きっと、レイン・シュレイアとはそんな人間なのだ



言葉でも、物でも量りきることの出来ぬ存在



生まれて初めての感情を与えてくれた人間のか弱き娘



もし神という者が、真存在するのならば、何度も死ねないことを恨み、呪詛を吐いた事を心から謝ろう


この稀有なる心の持ち主達に合わせてくれて本当に有難う

まだ親愛の域を出ていない・・・筈

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