帰還
東の森を再生した樹龍はレインと共に屋敷に戻ると、夕方、赤龍の体調が完全に戻るまで滞在した。
レインはその間、甲斐甲斐しく二人の世話をし、丁寧で礼儀を踏まえた対応に赤龍のみならず樹龍にもしっかり好感が持たれた。
最も樹龍のそれは確実に親愛だが。
「樹龍様、クッキーでしたら日持ちしますからお持ちになれますよ?」
「是非!」
「レイン、樹龍を余り甘やかすな。」
「赤龍は気にしなくていいぞ!レイン殿!」
二人の会話に笑うレイン。この二人は中々いいコンビだ
体調の整った赤龍、そしてしっかり手土産のクッキーを持った樹龍の見送りに屋敷の外に出る
「有難う!レイン殿。お土産もしっかり頂いちゃって。他の八龍に自慢しながら美味しくいただくよ!」
「・・・・・・世話になった。その、改めて、礼に来る」
「御気になさらず、樹龍様。気に入っていただけて私も大変嬉しゅうございます
いいえ、赤龍様。私が勝手にした事ですわ。
次回、もし、いらっしゃるならば、赤龍様も楽しめる菓子を作りますわね。
こんなド田舎の地方領主のもとで宜しいのでしたら、何時でも歓迎いたしますわ。
どうぞ御気をつけて。赤龍様も樹龍様もご自愛くださいませ」
丁寧に礼をすると樹龍様はひらりと手を振り龍に変わり空に昇る
「・・・・・・本当にありがとう。レイン、お前に会えてよかった。
また、会いに来る」
「お待ちしておりますわ。赤龍様。どうぞご自愛ください。そして、今度は無傷でいらして下さいね。」
レインの言葉に苦笑して、ついこの間見た紅き龍に姿を変幻させ空へと昇る
赤龍は見送る娘を横目で見て、名残惜しくなる。
しかし今度来る約束も交わした。
今度は彼女の言うように無傷で会いに来よう。
彼女や彼女の家族の手伝いをして、一日を有意義に過ごす事が出来たならば、きっと何よりの骨休めになるだろう。
・・・・・・・・・・会えてよかった
心からそう思う。
樹龍が当初と異なりチャラくなっててびっくり(笑)
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