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6月のショートショート

110番




 俺は警察官。町の平和を守る立派な警察さ。


 パトカーを乗り回し、見回りをするんだ。


 今日も巡回──



   ピロロロ ピロロロ♪



 110番だ! 電話の部屋に駆け込む。


 3つのモニター、タッチパネル、座ってヘッドセットをかける。


警察「はい110番です。事件ですか、事故ですか?」

婆「あんのぉ〜」


警察「警察です、ご用件を」

婆「あんのぉ〜、猫ちゃんが」


 はい?


婆「猫ちゃんが、川の真ん中で、出られないの。」


 うわぁ、また猫か。


警察「はあ……お名前とご住所を」

婆「名前は、言いたくないの」


 言わなくても自動で記録されるけどね。


警察「分かりました、すぐ行きます」


 近所の広めの川、真ん中の離れ小島、確かに猫がいる。


 黒い長靴履いてジャブジャブ入る。


 猫に近づくと、びゃぁと走って逃げて行った。


警察「ええ〜……」


 なんてこった。


 少々やるせない気持ちを引きずり警察署に戻るのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



   ピロロロ ピロロロ♪



警察「はい110番です。事件ですか、事故ですか?」

男「もしもし、イノシシに突っ込まれた、早く来てくれ」


………


 パトカーを走らせると、バンパーがひしゃげた車が。


 イノシシのものと思われる血痕もある。


 法律上では対物事故。


 保険に入っていれば……ああ入っているんですね。よかったです。


 はぁ、帰ったら書類書かなきゃ。



▼▼▼▼▼▼▼▼



 ピロロロ ピロロロ♪



警察「はい110番です。事件ですか、事故ですか?」

男「あのぉ、道路に男が倒れてるんですけどぉ」


 パトカー走らせ現場へ行くと、確かに男が倒れている。


 酒臭い。


若者「う゛う゛〜ぁぁ〜」


 はいはい酔っ払いですね。


警察「大丈夫ですか、お兄さん」

若者「うがぁ〜」ブンブン


警察「起きてください」

若者「うがっ〜ふぃー」


 え、この異臭、コイツ、漏らしやがった!


 パトカーには乗せたくないなー


警察「ほら、行きますよ」


 しばらく時間が経つと、酔っ払いは歩けるようになった。


 そのまま家まで見届けて、警察署に戻るのだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼



  ピロロロ ピロロロ♪



警察「はい110番です。事件ですか、事故ですか?」

おばさん「暴走族が出たの。何とかしてちょうだい」



  ブゥン ブゥン 



 バイクが9台くらい走っている。


 騒音、ブンブン鳴らして走る、いつもの暴走族だ。



  ウウゥゥゥゥゥゥーーー!!!



 パトカーで追いかける!



  ウウゥゥゥゥゥゥーーー!!!



 サイレン鳴らして追いかける!



警察「止まりなさい、前の車、止まりなさい」



 暴走族、逃げる。慌てて逃げる。



 ここで相手を事故らせてはいけない。


 あまり追い詰めずに程々に追いかける。




   ブゥゥゥゥゥゥン!!!

    ウウゥゥゥゥゥゥーーー!!!



   ブゥゥゥゥゥゥン!!!

    ウウゥゥゥゥゥゥーーー!!!



   ブゥゥゥゥゥゥン!!!

    ウウゥゥゥゥゥゥーーー!!!




 市外まで逃げたぞ、あ、隣の警察と挟み撃ちになった。


 暴走族はこっぴどく怒られてしまいましたとさ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ただ単純に追っかけてるだけじゃないんだね。 多方面への配慮もしないといけないし、なんだか書類関係めんどくさそう。まじ感謝しとかないと!おまわりさんいつもありがてえ。 [一言] ごくろうさま…
[良い点] おまわりさん大変ですよね…(;・∀・) うちの方は猿と格闘してたな…(;・∀・) [気になる点] 事故見て電話したら二時間拘束された思い出が。
[気になる点] > ピロロロ ピロロロ♪ > 110番だ! 電話の部屋に駆け込む。 > 3つのモニター、タッチパネル、座ってヘッドセットをかける。 ……むしろ、警察の通信を傍受しておる側のような………
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