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私の世界にようこそ  作者: てけと
第三幕『魔女王は一人の少女に戻る』
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私は居心地のいい籠から飛び立つ

8章終了になります。次回から9章です。

 私たちは、三日月さん一行と、人種族首都に行くことにしたんだけど…


「ココ。あなたたちはどうするの?」


 お兄さんと別れて、傷心なのかと思ったけど、そうでもなかった。特にココは嬉しそうに目を輝かせていた。


「私たちも人種族の国へ同行します。どうやらそちらで不穏な動きがあるそうで、冒険者としていく予定です」

「私とリリアも冒険者になりたい」

「だね…シンの役に…立ちそうだ…し」

「だったらうちの屋敷に泊まるといいよ。無駄に部屋は空いてるしね…しかし不穏な動きか…」

「私たちは別に宿を取りますよ。少し動き回ると思うので」


 ココ達とは、人種族首都で別行動みたいだ。


「私は家を買うまで、お世話になろっかな!あ‥夜は気にせずどうぞ!」

「その気遣いは逆に恥ずかしいわよ…マオ」

「私と…マオ様なら…すぐ稼げる」

「そうだねフーコちゃん!頑張るよー!」


 そうして私たちは、馬車3台で飛空艇の出てる町まで、数日かけて移動する。


 野営するときの見張りは順番に行っているが、一つ忘れたことを思い出したので、セフィーにお願いして、とある町まで飛んでもらう。




「アミルさんいるかな?」


 私は大きな屋敷の前で、使用人さんにアミルさんを呼んでもらう。

 数分すると、アミルさんが私の前に現れる。


「どうしましたマオ様?」

「私旅に出るね。帰ってくるかわかんないけどね」

「はい…カインより聞いております」

「私は神じゃないよ?神の使いだよ。私を神にするなんて神様に私が怒られちゃう。だから、あの教会は、ちゃんと神様の物にしてね?」

「……」

「はぁ…壊してもいいんだけど…お兄さんとの約束だからね。とりあえず」


 そう言ってアミルさんの手の甲に触れる。


「解除」


 するとアミルさんの手の甲にあった隷属の印が消える。


「なっ!?」

「んじゃあまた会うことがあったらよろしくね?アミルさん。お勤めご苦労様でした」


 そう言って私は頭を下げ、その場を後にする。セフィーに乗り、馬車の場所まで戻る。

 心苦しいが…私を縛る鎖はもういらない。居心地のいい籠の中はこりごりだ。私は自由に空を羽ばたいて、この世界を謳歌したい。

 私はこの瞬間に、ただの一人の女の子になったのだ。魔女王でもなく、町長でもない。ただの人に。



「あの…みんなにひとつ言ってもいいかな?」


 私に付いて来てくれた6人に言っとかなければいけない。


「なんでしょうか?」


 皆が私を見る。何事かと…


「マオ様って言うのやめよ?もう私はただの女の子になりました。ただのマオです。奴隷でもメイドでもない、魔女王でもない、町長でもない。一つの家族としてね?」

「わかりましたよ…マオ」とルイさん

「私たちの妹だよね~マオは…」とルルさん

「ふふふ…娘がいたらこんな感じだったのでしょうかね?」とアリサさん

「私はマオ…に耳も尻尾も捧げている者ですが…そうおっしゃるなら」とニーアさん

「マオちゃんは…私の相棒…これからもよろしく」とフーコちゃん

「私はマオのペットみたいなものですけど…」とセフィー

「よろしくね!皆!まずは拠点作りからやり直しだ!」

「「「「「はい!」」」」」


 失敗すればまたやり直せばいい。今回の失敗は、私が信仰されてしまった事だ。今後気をつけよう。

 魔力の見えない、人種族の国なら、大丈夫だろう…多分?


 馬車で移動中、ルイさんとルルさんがボーとしてることがよくある。珍しい。まさか恋煩いか?

 恋バナは大好物である!少し話を聞いてみよう…


「最近二人ともボーとしてるね?どうしたの?」

「そうかな~?たしかに…そうだね…とある男の顔が、私の頭から離れなくて…」

「ルルもそうなのですね…私もです…」

「いいね!まさかお兄さん?」

「「そうそう…」」

「それって恋ってやつなのかな~?ふふふ」


 いいね!二人も惹かれてる…みんなと一緒に…そこにお兄さんもいられるなら…それはとてもいいことだ! 


「あの勝ち誇った笑顔をグチャグチャに歪めたい…次は油断しません…」

「ねー。次は絶対負けない…自分ができない事を、人に懇願する顔をして…許さない…顔面吹き飛ばしてやるよ~」

「え?」

「対策を…対峙したら息を止めることで、あの睡眠攻撃は何とかなりそうよね」

「私も素手じゃなくて、ナイフくらいは持つべきだよね~光魔法で、ニーアみたいに爪も作ろうかな…」

「しかしあれだね~」

「そうね…あれよね…」

「「ムカツク!!!次会ったらぶっ飛ばす!!」」

「お兄さん逃げてぇ…超逃げてぇ~」


 忘れてたよ…武闘派な二人の事を…まあでも、意識させるって言うのは重要だからね。マイナスから始まる恋もあるさ。あはは…


「ルルさんとルイさんも冒険者になってみたら?ストレス発散になるかもだよ?ニーアも連れてさ!」

「マオが心配だけど…」

「ですね…」

「人数が減って小さくなったんだから。小さめの家なら、アリサさんだけでも大丈夫だと思うよ?セフィーもいるし…」

「まあお金も稼がないといけないし…それもいいかもしれませんね」

「うんうん。一応当面の資金はあるんだけどね。私は戦うの好きじゃないから、やらないけどね…」


 私の開発した魔道具を売ったお金が、金貨80枚ほどはある。家賃として10枚ほどは三日月さんに渡す予定だ。


「ちょうど、リリアとサーニャが、試験受けるらしいから、行っておいでよ!」

「そう言えば、あの獣人5人も手練れだよね。お手合わせ願いたいよね~」

「そうですね…ミカヅキ卿のパーティーは適材適所な強さです。ミカヅキ卿が強すぎるのもありますが…あの獣人5人は個でも強く、連携するとさらに強くなりますよね。お手合わせ願いたいですね」

 

 この戦闘狂たちは…まあ楽しそうにしてるのでいいのかな?


 その後、野営をするたびに、森の方でココ達と、模擬戦をしている3人、しかしココ達の方が少し強い。ライバルを見つけて、楽しそうに戦ったり、話し合ったりしていた。


 そして新天地、人種族の首都に向かう。一つの家族として、この場所からまた始めるのだった。

いつもお読みいただき有難うございます。

割と楽しく、書かせていただいてます。

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