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私の世界にようこそ  作者: てけと
第三幕『魔女王は一人の少女に戻る』
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彼女の想い人

ルイさんの視点です。

 マオ様が最近おかしい…ぼーっと遠くを見てると思えば、突然ニヤニヤと笑い、笑っていたかと思えば…ブンブンと頭を横に振り、そしてまたボーっとする。ずっとこれの繰り返しだ。

 

 何か深刻な悩みでもあるのでしょうか…?でもなんか幸せそうでもある気もしますが…

 マオ様の負担は少しでも背負ってあげたい…ルルと共に彼女とは一心同体でありたい。

 そう思い呼びかけるが一向に反応がない…ようやく反応したと思えば…


「ううん…私の思う、幸せの魔法…見えた気がしたんだよ。もう大丈夫だよ、ルイさん。結論は出たよ…」

「マオ様の目指した魔法が?」

「うん…この魔法はきっと…魔力なんて使わないものなんだね…お兄さんが言ってたのはそういう事だったんだね…想像して、想い浮かべろ…この世界じゃなくても…きっと使えた魔法」

「魔力を使わないのに魔法ですか?この世界?」


 魔力を使わないのに魔法?それは魔法なの?それに…この世界?でも確かマオ様は召喚されたと聞いている。ならば、もともといた世界が合ったのだろう。マオ様の世界…どんな世界なのだろう…その世界でも彼女は、きっと人にとても愛されていたのだろう…この世界に呼んでよかったのか?なんて考えてしまう。


「ふふふ!そんな素敵な魔法を使う人を、私は知ってるんだよ!」


 そんなことを笑顔でおっしゃるマオ様。魔力を使わない素敵な魔法…そんなものを使う人を、私はマオ様しか知らない。






 30日に一回行う会議で、マオ様が自分の事について少し話された。


 確かにきっかけは、マオ様の力なのかもしれません…ですが…きっと私は、マオ様の魔力が見えなくても、彼女と共に歩いたと思います。そんなことは今更ですね。

 それより彼女は、元の世界で死んでしまったのですね…この世界にマオ様を召喚したのは、正解だったのかもしれません…

 彼女が何も成さぬまま死ぬなんて…それを許す世界なんて…さすがにそう思うのは、不敬ですね。マオ様は、元の世界が嫌いではないようですし…ならば過去は過去…この世界でしっかり、幸せに生きていただくだけです。


 それよりも…奇跡的な確率で、この世界に呼ばれたかもしれない、マオ様の憧れの人だ。マオ様が陶酔するような表情で語る彼が、とても気になる…彼を想って最近様子がおかしかったのだ。


 一緒に背負うとか言ってしまった…確かに彼女とは一心同体でありたいですが…同じ人を好きになるとまでは…いい人なら…それも良いのかもしれませんが…


 そう言えば私たちは、そういう色恋沙汰とは無縁でした。それどころではありませんでしたし…男なんて、私たちを下品な目で見る輩しかいませんでした…あのマオ様が想う人は…そうですね…気になってしまいます。

 ルルはマオ様を取られるという、嫉妬心が大きいようです。ルルは私を守るために、元から男を敵視している節があります。ルルもそろそろ、そう言うのから解放されてもいいと思うですが…


 まあこの後、死んだ目のいけ好かない男が、マオ様の想い人と知ることになりますが…それはまだ先の話。





 ほんっとうに!マオ様は!

 最近お姿を見かけないので、探してみると、フーコの自室で発見した。

 最初は、アンデットでも屋敷に湧いたのかと思って、剣を抜きましたが…よく見ると痩せこけたマオ様とフーコでした。この二人は…

 相性がいいといえばいいのでしょうが…どっちも没頭するとほかの事が全く見えなくなります。


「あぁ…ルイさん後生だよ!もう少しなんだ!」

「ルイ様…あと一日!あと一日だけでも…」

「だ め で す !!まずはお風呂に入りなさい!!」


 二人の首根っこを掴み、ズルズルとお風呂場まで引きずっていきます。今後は私も監視役に付かないといけませんね…ほっとくと死ぬまでやってそうです…

 フーコの自室を出入り禁止にすると同時に、片づけと掃除を…足の踏み場がない…私には全部ガラクタにしか見えませんが…フーコにいるものと、いらないものを分けさせましょう…


「全部…いるものです」

「なるほど…じゃあ全部捨てますね」

「ルイ様の…いじわる…」

「早くいるものを決めなさい…じゃないと全部捨てますよ?」


 渋々フーコが選別する。それをルルに頼み、焼却できる場所に運んでもらう。後々自分たちで燃やしてもらう。

 フーコは当分、屋敷の清掃と、食事係を手伝ってもらうことにした。フーコの基本的な仕事は、生活魔法の制作、開発だが…少し研究から離れてもらおう…






 歓迎とは言っても、割と適当でいいよ?と言ってたマオ様が突然おめかししたいと言い出した。私としては、可愛い服を着ていただいたほうが、嬉しい限りではあるのですが…


「これ可愛いね!ふふふ~似合ってる?」

「マオ様可愛いよー!こっちも着てみようよ!」


 ルルの着せ替え人形になってるマオ様。とても楽しそうで可愛いのですが…

 昨日、セフィーとお空の旅に行ってくる!と言って、その次の日がこれである。気になったので、セフィーに聞いてみようと思って尋ねたら…


「セフィー?なんでそんな殺気立ってるの?」

「ルイ…このままだとご主人がとられちゃう…あんな男に…」

「なにかあったの?」

「昨日空飛ぶ船で、死んだ目のさえない男がいたの…その男に会ったのをとても嬉しそうにしてたよ…あれは…騙されてるよ…ご主人…」

「マオ様の憧れの人だったのね…」


 マオ様は純粋だ…もしかしたら騙されている可能性もある…ならば私たちはしっかりと見極めて…害をなすなら…


 そう思い私たちは殺意を秘める。

いつもお読みいただき有難うございます。

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