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私の世界にようこそ  作者: てけと
第三幕『魔女王は一人の少女に戻る』
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同郷を歓迎しよう

「私の同郷を歓迎する会議を始めます!」


「「「「「「「はい!」」」」」」」


「まず一人目、ツバサ・ミカヅキと言う、今は、この世界の貴族さんだそうです」


 人種族の貴族さんで、お嫁さんがいっぱいいるんだって、ハーレム?女ったらしなのかな…怖い人だったらどうしよう…

 男の人はやっぱりちょっと苦手だ…


「貴族でしたら、丁重に歓迎しなければなりませんね…」


 カインさんがプランを練っているのか、顎に手を当てて考える。


「金の冒険者でもあるらしくて、私のように大きな力を持ってると思う。だから絶対敵対はしないでね?」


 ないとは思うけど…敵対したらみんなを守れないと思う。


「ご安心くださいマオ様。我らが死力を以ってして、御もてなし致したいと思います」

「マオ様に手を出したら捻り潰すよ?」

「ルルさんが好戦的に!?どうどう…ミカヅキさんは、お嫁さんがいっぱいいるらしいから…大丈夫だよ」

「マオ様は可愛いのですから…お気を付けください」

「思わせぶりな事はしないから、大丈夫だよ?心配してくれてありがとう、ルイさん」


 私としては、ミカヅキさんはそんなに心配していない。狐耳の獣人さんの情報では、とてもいい人だと聞いている。

 こちらに悪意がなければ。


「して…ミカヅキ卿はどのような要件でこちらに?」とカインさんが聞いてくる。

「お嫁さんの心を治してほしいんだって…」


 私にそんな力があるのだろうか?壊れそうな心を繋ぎ止めるならまだしも…壊れた心を治すなんて…魔法で、はい治ったよー?とはいかないだろう…


「マオ様なら、余裕で出来そうですね」とアリサさんが言う。

「買いかぶりすぎだよ…心を治す方法なんて見当もつかないよ…」


 一応対策として…心が壊れる原因となった出来事を…忘れる魔法というのも考える…これは最後の手段なので、まだ創る気はないけど…




「そしてもう一人、シンという銀の冒険者が訪問してきます」


 こちらが問題なのだ…私のおもう彼だったらいいのだが…もし違うなら…とても厄介になるだろう。


「情報としては…彼は死ぬためにこの屋敷に訪問します。なので…敵対する可能性は高いかもしれません…」

「襲撃して、返り討ちに会うのが目的ですか?」とルイさんが険しい表情になる。

「そうじゃないんだけど…彼を慕っている獣人さんが、彼の死ねない体を治すために協力してほしいと…そういう要請を受けました。それを私は、受けました」

「死ねない体…欲しがる人もいるでしょうに」とカインさんが言う。


 不老不死なんて、欲しい人には、喉から手が出るほどほしいものだろう。

 でもどうだろう?私のちっぽけな魂は、そんな長い間持つだろうか?100年もすれば徐々にすり減っていき…そして間もなく、ただ生命活動をしてるだけの肉体になると思う…


「私は欲しくないな。大事な人が先に死んでいくなんて…そんな永遠の孤独なんて欲しくない…だから私は、彼に協力したいと思います」

「マオ様がそう決めたなら、私たちは協力するだけだよ?」

「ありがとう。ルルさん。それともう一つ…もしかしたらその彼は…私の世界での知り合いかもしれません…」

「…マオ様の世界は…そんなに人がいなかったのですか?」


 そりゃそうだ…二人のうち一人が知り合いだなんて…よっぽど人が少なくないと、ありえないだろう。


「そんなことはないよ?人の数は大体70億人はいたはず」

「70億……?え?億とはどのくらいの数なのでしょう?」とルイさんが聞いてくる。

「んと‥白金貨700枚をぜんぶ銅貨にしたくらいかな?」

「途方もない数ですね…そんな人の中から、この世界に来た二人のうち一人が知り合い?」


 ありえません…とルイさんが言う。ありえないんだよね…私は期待はするけど…確信はしていない。


「もしかしたら…だよルイさん。確信はしていないよ…もしそうだったらいいなぁとは思ってるけど」

「ご主人にとって、その知り合いの彼は何者なんですか?」

「彼のおかげ?せい?でこの世界に来ることになったかな‥まあ私がドジだっただけなんだけど…そして憧れの人でもあるのかな…好きかと言われたら…好きなのかな?…愛してるなんて言うのは早すぎるよね…でも彼の隣は楽しそうで……彼と人生を歩けたら…きっと幸せになれるんだろうな……」


 部屋の空気が変わる。急に背筋が寒くなる。


「ははは…まあ元の世界憧れてた人だよ!」

「要注意人物ですね」とカインさん

「マオ様がボーっとしてたのはこれですか…」とルイさん

「捻り潰す」とルルさん

「ご主人を奪う人は殺していいよね…」セフィー…

「まってまって?まだ確定したわけじゃないし…それに優しい人だよ?できれば皆にも好きになってもらいたいよ…」

「「「「「善処します…」」」」」


 気が早すぎるよ…そして好戦的すぎるよ…なぜこうなった。


「それより歓迎の準備だよ?そこんとこお願いだよ!」

「お任せください。この城…屋敷に恥じぬよう努めます」



 城っていったよね!?やっぱりそうなんだね……もうこの町でようかな…

 そんなことを割と本気で考えるのだった…





 自室でセフィーと過ごしていて少し疑問に…というか私の願い?を聞いてみることにした。


「セフィーってドラゴンに戻れるの?」

「ご主人がおっしゃるなら…もし仮にご主人に襲い掛かったら…ボコボコにして抑えてください」


 ボコボコにって…


「セフィーは本能を抑えるんでしょ!頑張って!」

「はい…では…」


 そう言いセフィーは来ている服をぜんぶ脱ぐ。そして光り輝いて数分ほどすると…小さめのドラゴンになる。尻尾が増えた分、全長は2メートルちょっとってところだろうか。一人くらいなら乗れそうだ。


「キュル…クゥン…」


 と私に顔をこすりつけてくる。リボンは角についていた。


「大丈夫そうだね…乗ってみてもいい?」


 すると私が乗りやすいように屈んでくれる。

 部屋の窓をあけて、セフィーの上に乗り、部屋から飛び出す。


「おー!すごい!」


 ブワッと風を体に受け、上空200mくらいまで一気にに飛び上がる。


「限界までスピード出してみて?」


 私は風魔法を使い、風の抵抗を消す。すると…


「グアアァァ!!」


 とセフィーが咆哮し、ヒュンッという音と共にすごいスピードで空をかける。


「あははっは!すごーい!!このスピードは私には出せないな~」


 一瞬で町が見えなくなり。そのまま飛んでいく。

 そのまま旋回して、町の方に飛んでいく。


 ドラゴン形態になると腕自体が翼に、そこから親指が翼の前の部分そして翼に膜を広げるように指が分かれている。よくみるとその後ろ側…つまり中指、薬指、小指の先から体内で生成してるエネルギーだろうか?それを噴射して、飛んでるようだ。


 後で聞いてみると、普通は風に乗って飛ぶらしいけど、本気出すときはエネルギーを消費して速く飛べるようだ。


「いやー…楽しかった…ありがとうセフィー!」

「ご主人の為ならいつでもどうぞ」


 人形態に戻ったセフィーに抱き着きお礼を言う。気晴らしにお空の散歩とかステキすぎる。

 ちょくちょくお願いしようかな?なんて気軽にドラゴンに乗る計画を立てるのだった。


いつもお読みいただき有難うございます。

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