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私の世界にようこそ  作者: てけと
第二幕『レギュラーの拠点作り』
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謁見

 日に日にスピカは自分を取り戻してるようにに見えた。

 2日後にはシャルの元にいても、叫ばなくなったし、5日ほど経つと家の中を一人でうろうろ出来るようにはなった。


 そして7日ほど経った頃だろうか、やっと少し喋れるようになった。


 そしてスピカを家で匿ってから、10日後の朝。


 王城?もちろん行ってない。


「ご主人様…失礼します。手紙が届いております」


 僕の書斎に入ってきたミカが、封蝋のされた手紙を持ってくる。


「また王からかな?」

「ツバサ様……お父様…から…ですか?」


 途切れ途切れ喋るスピカ。僕が本を読んでるときはずっと膝の上にいる。

 封をナイフで切り、中を読む。


「城に来いってさ…どうする?」

「外に…出るのは…怖いですが……ツバサ様…と…一緒なら」

「僕の予想だと、スピカは僕と引き離されると思うよ?身分が違いすぎるからね」

「ひぃ…いやっ…いやっ!?」


 スピカを抱きしめてやり安心させる。

 まだたまに発狂しそうになるのだ…


「スピカをあそこで死んだことにして、匿ったほうが良かったのか…」


 それだと僕のせいになりかねなかったしな…


「すいま…せん…ツバサ様…」

 体が震えているスピカ…仕方ないか…

「助けるときにスピカを背負う覚悟はしたからね…スピカが良ければ、ずっと僕の傍にいるといいよ」

「ありがとう…ございます…」


 最悪…国を敵に回す覚悟で城に行くべきかもしれないな…


「ミカ。2日後、城に行くと返事しといてくれ。あと出掛けるよ、全員準備して、玄関に集合させてくれ」

「かしこまりました」


 あの城の兵士を全員、叩き潰すつもりで準備しておこう。





 2日後の朝、城に行く準備をする。城に行っても恥ずかしくないよう、みんなにドレスを買っておいた。

「ツバサ!みてみて~?かわいい?」


 シャルがくるくる回る。


「可愛いなぁ~可愛いというか…とても綺麗だよシャル」


 へへへ~と嬉しそうに笑うシャル。


「こんな綺麗なドレス…ちょっと恥ずかしいわね…」

「とても似合ってるよミーシャ」

「お待たせしましたご主人様」


 ミカとほかの二人も合流する

 着付けを手伝ってたメイドたちも今日はドレス姿だ。


「私たちは、ご主人様のくれたメイド服でも、よかったのではないでしょうか?」とアミ

「自分たちにこんなドレスは、もったいないというか…」戸惑うナギ

「メイド三人もとても綺麗だよ。せっかくだしね。たまにはおめかししてもいいじゃないか」


 もちろんスピカもドレス姿だ。ずっと僕の手を握って横にいる。


「んじゃあ行きますか」


 覚悟を決めて、城に向かう。







 馬車が城に着くと、城のメイドさんが迎えてくれる。

 奴隷の首輪に怪訝な顔をしたが、何も言わず案内してくれる。


 謁見の間に案内され、玉座の前で待たされる。

 跪くべきなんだろうか?別に忠誠を誓ってるわけでもないので、そのまま呆然と立つ。


 60歳くらいの恰幅のいい白髪の老人が歩いてくる。白いひげを喉仏まで伸ばした威厳のある顔立ちだった。

 王が玉座に座る。周りのメイドが跪く。いちいち仰々しいな。

 

 正直僕としては、喧嘩するつもりで来ている。いちいち媚びる必要もない。

 礼儀を尽くすべきものには尽くすが…


「再三、王の申しつけを無視するどころか、不遜な態度まで取るとは…極刑に値するぞ?」


 横にいる側近が、僕に冷たい目線を送る。

 周りにいる衛兵が、槍を構える。


「一応忠告はしておきますね?この城の全兵力をもってしても、僕は止められませんし、僕は敵対するならすべて蹂躙します。この国ごとでも」


 僕の嫁とメイドに手を出すなら、もうこの国はいいや。別の国へ行こう。そういう覚悟もしている。


「はっ!大口を叩き…」

「止めよ」


 王が側近を止める。


「しかしっ!」

「聞こえんのか?二度は言わん」


 王は立ち上がり、僕の目の前まで歩いてくる。


「すまんな…この度は娘を救ってくれて感謝する…出来ればそちらの屋敷に赴きたかったのだが…ワシは身動きがとりづらい身でな…」

「お察しいたしました」


 王は軽く頭を下げる。


「お呼びいただいたのはそれだけですか?」

「ワシもいろいろ考えたのじゃが…娘を見て決めようと思ってな」


 スピカの方を向き、優しく語り掛ける


「スピカ…お前はどうしたいのじゃ?」

「私は…ツバサ様…と共に…ありたいと…思います…」

「そうか」


 とにこやかに笑い。玉座に戻る。


「此度は、わが娘を救い、逆賊共の討伐をした、金の冒険者ツバサに褒美を与える」


 老人とは思えない張りのある大声で内容を告げる。


「まずは、一代貴族の称号を与える。そして我が娘スピカを其方の嫁として認めよう」


 つまり僕は男爵の貴族位を持ったわけか。一般市民が王女をもらうわけにもいかないからか?

 本来は公爵じゃないといけないんだっけ?


「冒険者ギルドに依頼していた報酬に関しては、金貨200枚を進呈する」

「十分すぎる報酬です。ありがとうございます」

「貴族として、姓を名乗ることを許そう、好きにつけるがいい」


「では…ミカヅキと名乗ります」


「ふむ。ではツバサ・ミカヅキよ。今後の活躍期待しておる」







 そして堅苦しいやり取りが終わった後、王に食事に誘われる。

 ぜひ来てほしいと、まあスピカのお父さんのお誘いだ、受けない訳にもいかないので承諾する。



「王なんて言うのは、既に廃れつつある制度なんじゃが…一部頭の固いやつがいてのぉ…大変なんじゃよ…」アルニ王が苦笑いで話し出す。

「私がツバサの屋敷に行くのでさえ、どれだけの反対を押し切ったか…」とアリオト王妃

「権威を持つと大変ですねぇ~」

 

 とまあこんな感じで意外とフレンドリーに食事をしている。

 スピカが僕から離れないので、それを挟んでアルニ王とアリオト王妃が座っている。

 ほかの皆はおいしい食事に夢中になっている。デザートもあるらしい。


「しかしこんなに嫁を持つとは…正妻はどの子じゃ?」

「そんなのいませんよ。僕を想って、僕が想ってる子に優劣はありません。王様でもない限りそんなの決める意味はないですよ」

「痛いところをつくの…しかしワシはアリオト以外は娶っておらんがの」

「ふふふ…あなたは甲斐性がないですからね」


 和やかに食事をしているが…一個だけ聞いとかなければならないことがある。


「今回の誘拐を裏で糸を引いてた人物はいないんですか?」


 王女を誘拐だなんて、そんなこと簡単にできるはずがない。


「調査中としか言えんのぉ‥第一王女も第二王女も、ワシの管轄ではなくなってる故、スピカの夫が次の王という事になっておったのは確かじゃ」

「スピカのお姉さん達はどこへ?」

「騎士団の団長と魔人国に嫁いでるのよ。だから彼女たちを誘拐しても、国は動かないと思ったのでしょう…」

「あれ?僕が次期国王?やめてほしいんですが…」


 スピカがビクッ!として震える。膝の上にのせて抱きしめてあげる。


「ワシらが死ぬまでに、王族という制度を消すつもりじゃ。王が民衆を導くのではない。民衆自らが、自分たちの国を導けばいいのじゃよ…そのことに生涯を尽くすつもりじゃ。安心してよい」

「もうすでに、大まかな外堀は埋めてあるの。だから安心してスピカと暮らしてね」

「今回の件に関わった物は必ず見つけて処分する。それまでは頼んだぞ。ツバサよ」

「お任せください。スピカは僕がちゃんと守ります」

 その後軽く雑談を交え、食事会はお開きとなった。

 またちょくちょく行いたいとのことだ。娘に会いたいのだろう…僕としては断る理由はない。





 城を出て家に帰る。貴族になったからと言って、やることは変わらない。

 メイドに教育をしつつ、お風呂に水を溜める。

 ナギは城での食事でいろいろと感心していたので、また料理の幅が増えそうだ。


 王からメイドを数名寄越す、と言われたが断った。信用できない者を傍に置きたくない。


 しかしスピカも嫁枠なんだよな…ここ最近ご無沙汰の所為で悶々する。さすがに12歳はやばい。

 最低でもあと4年は待ってほしい。

 この世界では300日が一年だ。なのでそれまではおとなしくしてもらおう。


 そんなことを考えながら、ベットに向かうと、シャルとアミがいた。


 アミ?


「あれ?ミーシャは?アミ?」

「ミーシャはスピカといっしょにねてるよ?」

「そっか…アミはなんでいるの?」

「シャルだけじゃツバサの相手はたいへん。だからアミを呼んだの」


 僕を野獣みたいに言わないで…


「アミはいいの?そこは奴隷として縛ってないけど?」

「むしろ光栄です!」

「とはいえ…流石にメイドに手を出すのは…」


 と言ってたらシャルに押し倒されて、口を塞がれる。


「んっ…ツバサ、みんなツバサのお嫁さんでいいの…だから…愛してあげてね?」

「…シャルに言われたら…断れないね…」と苦笑いをする

「アミ。おいで?」

「は…い…」


 アミとも口づけを交わし、三人でその夜遅くまで愛し合った。


いつもお読みいただきありがとうございます。

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