ツバサ、家を買う
とても清々しい朝だった。今日はとうとう自分の家を買うのだ。ワクワクが止まらない。
宿をシャルとミーシャと一緒に出る。昨日教えてもらった不動産屋さんに向かう。
「すいませーん!」
と不動産屋に入る。
「はいはい‥借家ですか?新居ですか?」
人種族の老人の方が対応してくれるようだ。
「少し大きめの家を買いたいんですが…庭付きで!」
「ご予算はどれくらいでしょうか…?一応金貨5枚から白金貨一枚まで幅広く取り扱っております」
そんなに幅広いのか…家用の貯金は120枚だが…家具とかを考えると…
「そうですね…金貨100枚くらいですね」
「ほほう…お若いのに…後ろの二人はもしかして?」
驚いた顔で後ろの二人を見る老人。
「ええ。僕のお嫁さんです。でどうでしょうか?いいところありますか?」
およめさーん!とシャルが嬉しそうにしている…可愛いが今は家の方が…頭を撫でるくらいにしておこう。
「でしたら…ちょっと街の端の方になりますが…いい家がございます。見に行きますか?」
「是非!」
不動産屋から、馬車で10分ほど走ると、住宅街というのだろうか?色いろんな家が建つところ着いた。
「こちらになります」
広い庭、サッカーのグランドほどの大きさだろうか?に、二階建ての屋敷が建っていた。
鉄扉を開け、中に入る。庭は切りそろえられた芝の所と、家庭菜園ができる用にだろうか、レンガで囲まれた花壇のようなところもある。
「では中をご覧ください」
家の中は入ってすぐ広い玄関、右と左に部屋があり、奥に進むとパーティーができるような広いリビングだ。
リビングの右奥の部屋が調理場で、左奥が水場みたいだ。屋敷の裏手に井戸が見えるのであそこから水を引くんだろう。
リビング横から上に上がる階段があり、2階は大きな寝室。娯楽部屋などの部屋がいくつもあった。
さらに屋根裏部屋もあって、物置にちょうど良さそうだ。
いいんじゃないか?予想以上に良い物件だ。
さて値段交渉の時間だ。
「これでいくらなんですか?」
真眼を発動し、この屋敷の情報を見る。
「ここで、金貨100枚でございます」
僕の真眼の情報では金貨60枚程度だ。その交渉買ってやるよ
「ん~?外壁から近すぎますね…これでは空から飛んでくる魔物が来たら真っ先に潰されかねませんね…金貨50枚程度じゃないですかね?」
「なっ!?流石に半額は…しかしおっしゃることもわかります…金貨80枚でどうでしょうか…」
「でも実際この家は襲われてますよね?さっきそこで修復後を見ました。金貨51枚でどうです?」
「ぐっ…ですが襲われたといっても、家に傷が入る程度です…70枚でどうでしょう…」
「しかし不便ですねーこの場所は…買い物に行くにもこれだけ遠いのでは、馬車を使わざるを得ませんね…中心地ならともかく…こんな端っこでは…金貨53枚で手を打ちましょう」
「確かに遠いですね…では金貨60枚でどうにか…」
これでやっと正当な値段だ…まったくこの爺、油断ならねえな…
「せめて生活する家具などはほしいですね~?馬、馬車とか必須の物がついてないんですかね?それをそろえるためにも金貨54枚で何とかなりませんか?」
「…わかりました…生活用の魔道具一式、馬2頭、馬車、何なら奥様方と一緒に寝れる、の大きなベットまで用意しましょう。それで金貨60枚で…」
「いいでしょう…買います!」
「いえはや‥お若いのになかなか油断ならないですなぁ~どうです?私のところで働いてみては?」
老人は握手を求めながら、勧誘してくる。
「すいません。冒険者なもので…」
老人の手を握り返し、握手する。
「残念な限りです」とにやりと笑う老人。
契約書を書き、金貨61枚払う。国に払う、家にかかる税金だ、ここまでは計算して無かったな…やられた気分だ。
300日で金貨1枚を納めないといけないらしい。夕方には家具一式を運んでくれる。
馬車はもう受け取った。御者はミーシャが一応できるのでお願いした。
さて…あと必要なものが一つある。メイドとかのハウスキーパーがいる。
僕は家事とかはできないし…冒険者としてクエストを受けるときもあるだろう。
ならメイドは雇わないと…
というわけで奴隷館です。
「これはこれは…いらっしゃいませ」
小太りの男性が迎えてくれる。
「今日は奴隷を買いたい」
「それなのですが…実は…」と渋い顔をする奴隷商。
「全部魔人国に流れた?」
まさか一人もいないのか…まあそれなら公募で雇うまでだが…
「よくご存じで…いることには、いるのですが…」
「じゃあ見せてくれ」
「ではこちらへどうぞ」
中の部屋に案内される。
シャルとミーシャは晩御飯の買い出しと、お昼ご飯を食べておいでと言ってある。
終わったら屋敷に戻るように言ってある。
ごわごわしたソファーで座って待ってると。貫頭衣を着たどれいが5人並べられる。
「現在いる奴隷はこの5人になります…その…売り物にならない様な処分前の奴隷です…」
なるほど…
右から、セクシーな女性、目つきの悪い男性、右足のない女性、左腕のない女性、12歳程度の少年
「右の二人は、犯罪奴隷か?」
「ええ…人殺しと詐欺で捕まった二人でございます…」
左端の少年はずっと咳をしている。病気なのだろうか?
「わかった…左の三人をもらおう」
「!?よろしいのですか?左端など死の病としてもう死ぬかと思いますが?」
「かまわん。綺麗にして、準備させろ」
「代金は三人で金貨6枚となります…」
ここでは値切らない…明らかに最安値だろう。
金貨6枚渡し、契約書に血をたらして、契約を完了させる。
「さて…どうやって持って帰るか…馬車を借りるか…」
馬車を借りるところまで歩いていくか…
右足のない青い髪のショートカットの女の子が ミカ 17歳
右腕のない黒色の背中くらいまで髪のある女の子が アミ 15歳
死病にかかってるという白髪の少年が ナギ 12歳
この三名をメイドとして、教育していく。
「とりあえずミカは僕の背中に乗ってしがみついてて」
「え…?はい…ご主人様…」
ミカが僕にしがみついて、アミをお姫さま抱っこで抱える。
「…え?」
アミが戸惑う。
「ナギは歩ける?さすがにこれ以上は抱えられないや」
「大丈夫です…ケホッ…」
三人を連れて、馬車乗り場で馬車に乗り、屋敷に向かった。
まだシャルとミーシャは帰ってきてないので、先に話をしておく。
三人をリビングで座らせ、僕も座る。
「さて…君たち三人には僕の家のメイドとして働いてもらう。これから色々と覚えていってもらうからよろしくね?」
「え…あの…?」
「私たちはその…てっきり夜伽要因というか…それくらいしか役に立たないかと?」
「自分なんてもう死ぬし…実験用とかじゃないんですか?」
各々にありえないというけど…
「君たちは申し訳ないけど…僕の家のメイドをしてもらうために生きてもらいます。その上で二つ命令をします」
「ご主人様のお好きなように…」
「1つ、首都から、僕の許可なく出ないで?これは逃亡防止に、二つ目、自殺を禁止する。僕のために生きて、もしどうしてもいやになったら教えて、改善するようにするから」
「「「はぁ…」」」
なんか釈然としない三人…
そうこうしてるとシャルとミーシャが帰ってくる。
「おかえり二人とも」
荷物を持ってあげるために玄関に向かう。
「「ただいま!」」
結構買い込んだな…ちゃんと僕が頼んだものもあるようだ。
「早速だけどシャル、あそこにいる僕のメイドさんたちを治してもらっていい?」
「はーい!」
リビングの奥にある保存用の箱に食材を放り込んでおく。
生活用魔道具は運んでもらってあとはベットを待つのみとなっている。
そういえばシャルの欠損回復は初めて見るな…
アミの腕はもう治っていた。すごく戸惑ってるし‥汗ばんでる…
「ミカ。めーとじて?」
「は…はい…」
シャルがミカの背中に手を当てる。
「自分の足があったときのことを思い出して…うん…ゆっくりでいいよ?膝曲げれる?…ゆっくり指を動かして…うん…んじゃあ固定するね…ちからぬいて~」
ミカののあったであろう場所に光が集まり…
「創造回復」
パッと光が弾け、ミカの足が生成される。
「めーあけていいよ!おつかれさまー次は?名前は?」
目を開ける足が生えてて…驚いてるミカ
「ナギです…ケホっケホッ…」
「びょーき?ちょっと見るね?」
シャルがナギの胸に手を当て魔力を流してるんだろうか?
「んー…息するところに悪いものがあるね…ツバサナイフある?」
切除する気か…
「まああるけど…消毒しなくていいの?」
腰にさしてる、素材剥ぎ取り用のナイフを渡す。
「ちょっと切るだけだから大丈夫!」
肺のある部分をナイフでちょっとつつく、血が流れているが…ホントちょっとなんだな…
「ちょっとづつ出すからねー」
するとさっき突いたところから、黒い塊がちょっとづつポコポコと出てくる。
僕は布を用意して、それを下に置き、黒い塊を包めるようにしておく…
数分して取り終わったのか、傷口が光に包まれて消えて…
「おわりー!よくがんばったねー」
「え…?」
「しかし治療のためとはいえ、シャルが僕以外の男と触れ合ってるのを見ると、妬けるね…」
「ん~?みんな女の子だよ?」
とシャルが言う…え?
「ナギ…女の子なの?」
「はい…自分の性別は女になります…」
ええ…普通に少年だと思ってた…まあ黙っておこう…
「さて!呆然とするのもいいけど…とりあえず料理をする人だけでも決めたいんだ…いいかな?」
これだけは先に決めておかないと…いつまでも外食じゃ…
「「「はい!」」」
「ツバサ~あんまり無理はだめだよ?馴染むまでちょっとかかるからね?」
「大丈夫だよ、シャル。役割を決めて、今日は親睦会だよ」
「わかったー!」
「ミーシャ僕が頼んでたやつを」
ミーシャに一つお買い物を頼んでいた。
「この三皿ね」
串焼き肉が乗った三つの皿。
「んじゃあこの三皿の串焼きを右から順番に食べて、感想を教えて?」と三人に言う。
全部お肉は同じものだ。
「「「……」」」
黙々と食べてる…物足りなさそうだけど…この後夕食にするから、ものほしそうな目で見ないで…
「さて…んじゃあアミから」
「どれもおいしかったです…しいて言うなら三つめが物足りない気がしました!」
「うん、じゃあ次、ミカ」
「私は二つ目が好きですね…三つめは、確かに物足りない気も…しました」
「よし、最後にナギ」
「はい…多分ですが…これは…お肉のおいしさを違う方法で、引き出したされたものかと愚考します」
「ほう‥続けて?」
「はい…一つ目は味を重ねてお肉の味に何重にもおいしさがかなさってる感じですね。二つ目は…素材の相性でしょうか?素材と素材が引き立て合って、おいしさを何倍にも引き出していますね」
「いいね…三つめは?」
「三つめは今までと全く逆ですね、ほかの食材の旨みを使うのではなく…お肉自体のおいしさを引き立たせるために臭みとか野性味とかを極限までなくすようにしている…ですかね?」
「すばらしいね、ナギ。君が調理メイドだ」
料理に必要なのは、確かな味覚と、味の構想が出来るか、だと思う。ここまでだとは…予想以上だね。
きっと彼女はいいコックになれるね。僕の家専用だけど…
「というわけで、ミカとアミは掃除やほかの家事を、ナギは料理を仕込む、この方針で行きます」
「「「はい!」」」
「んじゃあ…みんなでご飯食べて、お風呂に入って…部屋割は考えとくね。服も買わないとか…それは明日にしよう…」
明日からまたちょっと忙しくなるな…
「んじゃあ僕の拠点ができたお祝いと、新たな仲間を迎えれたことを祝して…」
「「「「「「かんぱーい!」」」」」」
浴槽は10人くらい入れる大きさの特注品だ。その代わり、服を洗う為の魔道具を外に置くことになったが…
調理場も魔道具で火を使えるようになっている。水は汲まないといけないようだが…水魔法さえ使えれば…
魔道具に入ってる魔石の魔力は、自分でいれてもいいし、魔石屋に補充してもらってもいい。
小さいベットは、各宿泊用の部屋についてたので、一人一部屋与えておいた。
僕は書斎を一つ。本を読むのは嫌いじゃないからね。
お風呂は僕が頑張って井戸から水を引いて、水を溜めて、あとは浴槽についてる魔石を起動すれば、いい温度になるそうだ。
今はメイド三人とシャルとミーシャがのんびり入っている。
一緒にお風呂でもよかったんだけど…久々のお風呂を一人で堪能したい…そう思ったのだ…
やっぱいいよね…こう…体が芯から温まるこの感じは…命の洗濯ってがホント分かる気がする。
大きなベットで、シャル、僕、ミーシャの順で寝転がる。
「初めておふろってのに入ったけど…こう全身が緩んでついつい…ほぁ‥ってなっちゃうわね…」
ミーシャが満足そうにお風呂について語る。
「シャルもおふろ好き!」
「いやー水を入れるのは大変だったけど…甲斐はあったよ…」
「言ってくれたら水魔法つかうのに…」
「シャルも使えるよ?」
「結構な量だからね?魔力足りなくなるんじゃないかな?でも…何とかうまいことできないかな~?」
おふろで使った水を循環させて洗浄して再利用するシステムを作れば?もしくは水道か…
ああでもない…こうでもないと唸る。
「貴族がたまに入るような贅沢なんだから…そんな毎日じゃなくても…」
「シャルは毎日入りたい!」
「まかせて!」
「まったく…この二人はホントに…」
「メイド三人なんだけどさ…ナギを僕が面倒みるから、アミをシャル、ミカをミーシャに担当してもらえる?」
当分はメイドの指導と教育だ。貯金もまだあるし、急ぐ案件もない。
首都での生活を各々楽しもうじゃないか…
「私はいいけど…たまにはツバサと町を回りたいわね…」
「シャルも…」
「3日に一回休みを取るよ。メイド3人も休みにして。その時一緒に回ろう?」
「いいわ…それで許してあげる…でも…夜は愛してよね?」
「シャルも!ツバサ…こづくりする?」
「ふふ…なんか恥ずかしいけど…」
そう言ってシャルと、キスをする、舌と舌を絡め合うキスを…もちろんミーシャとも…
お互いがまるで一つになるように…溶け合うように、抱き合い、貪り合い…
初めての夜は更けていった…
いつもお読みいただきありがとうございます。




