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私の世界にようこそ  作者: てけと
第二幕 『魔女王の内政』
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マオ祭り

なんとか第二幕『魔女の内政』を終えました…

次話から6章が始まります

 祭りである!


 人々で町は賑わい、あらゆる場所で、いろんな種類の露店が並んでいる。


 もちろん今日は屋敷の仕事もすべて休みだ。皆もたまには息抜きしてくれないとね。一応ローテーションで働くことによって、休みを作るようにはしてるんだけど…休みだと言ってるのに、私の世話を甲斐甲斐しくしてくれてる。朝起こしに来てくれる人は、その日休みのはずの人なのだ…ちゃんと休んでほしいよね…


 私はルイさんルルさんセフィーとアリサさんの5人で町を回っている。


 もちろん服は着替えた。結婚式くらいでしかあんなの着ないと思ってたよ…恥ずかしかった…

 

 アリサさんが今日の私の侍女当番らしい。ルイさんとルルさんはいつも通り護衛として、セフィーは私と行きたがったので連れてきた感じだ。


 いろんな物珍しい食べ物や、商品が並んでて目移りしてしまう。


「アリサさん!これなに!?」


 若干ピンク色の白いお肉のような塊が置かれていた。とてもいいにおいがする。


「これは、ホワイトピッグのお肉ですね。ただ焼いただけ?それにしては…この香りは…」


 料理人のアリサさんが考察しているが、とりあえず食べればいいのだ。


「おじさん一皿ください!」

「あいよ!可愛い嬢ちゃんにちょっとだけおまけしてやる!」


 一口大に切られたお肉が入ったお皿を、渡してくれる。


「ありがとう!」


 受け取り、ルイさんがお金を払って、5人で食べる。


 いろいろ食べたいので基本、みんなで一皿を食べ合う。


「おいしいね。これ!」


 口の中でジュワと溶ける。お肉のうまみが口の中に広がる。


「気に入ってくれて何よりだ!うちの村だけの特別な調理法だ!なかなか食べれないから、今日だけだぞ?」


 おじさんが自慢げに胸を張っている。


「これは…6種類くらいの香草を巻いて一晩お肉を寝かした後、さらにレッドトレントの枝を燃やし燻製にして、外側を削った物ですね…手間がかかる上に、燻製の加減が絶妙で、時間でいうと…」


 アリサさんがまくしたてるように調理法をズバリ当てる…


「アリサさん行くよ…」

「はっ!?すいませんマオ様…」


 まあ…アリサさんのおかげで、私はおいしい料理が食べられるからいいんだけど…


 ちょっとは自重して!おじさんが固まっちゃってるから…





 私は特に変装もせず町をブラブラできるようになった。町の住民も私を見かけても挨拶してくれる程度で、特に殺到したりしない。よかった…


 食べ物ばっかりだった屋台が、工芸品やアクセサリーの屋台屋さんになったあたりで、アリサさんと別れた。


 どうも気になる料理が結構あったらしく、見て回りたいんだそうだ。もちろん許可する。


 小さな村の料理とかが結構あって、興味を注がれたみたいだ。奴隷さん達の故郷の味とやらで、いろんな種類の料理があった。いい刺激になったのなら、よかったと思う。




「ん?あれは…」


 目に留まったのはどこかで見たことのあるペンダントだ。


 そう私の首にいつもかかってるペンダント。ルイさんとルルさんがくれたものだ。


「おじさんこれって…」

「マオ様?あちらに綺麗な宝石が…」


 私の手を引くようにルイさんが


「マオ様~?あっちに面白そうなのがあるよ~?」


 私の興味を引くようにルルさんが言ってくるが…


「あぁそれはね、魔人族がプレゼントする人を想いながら、魔力を込めると、色が変わるという面白アイテムさ」

「へー!詳しく!」


「魔力を込めた人は、そのペンダントを持ってる人の位置がわかる。あとは色によってどんな想いがこもってるかも……野暮な事だったな…」


 おじさんは私のペンダントを見て、黙る。


「ひとつだけ言っとくぜ。そのペンダントは、想いの強さによって色が日々変わっていく。その綺麗な色を失わないようにな!」

「うん!教えてくれてありがとう!」


 お礼を言ってその露店を後にする。


 ルイさんとルルさんがちょっと恥ずかしそうにそっぽを向いていた。






「赤は情熱的な恋、愛情  青は家族愛、安心感  黄色が友情、信頼  あんなに綺麗で濃い色は初めて見たかもな~いいもん見せてもらったぜ…」


 商人は嬉しそうに去っていく少女たちを見ていた。






 工芸品やアクセサリーを見ながら歩いてると、知り合いの商人さんが店を出していた。


「またアクセサリー見せてもらえますか?」

「これは町長殿…もちろんですよ」


 セフィーにもなにかあげようと思ったのだ。


 でもドラゴンの体型になってもつけれるようなものがいいかな…


「んーリボンとかありません?」


 一通り見て、良さげなのはなかったので聞いてみる。


「リボンならこの間の糸屋と共同で作った物がありましてね…っとこれですね」


 机の下から箱を出して見せてくれる。


「普通のリボンとちがうの?」

「魔力糸とミスリル鉱石を合わせまして、装飾しております。伸縮性が良くて、首や手首につける貴族の方が多いですね」


 ほほう…それはいいかもしれない


「んじゃあ、このリボンを!」


 黒い下地に白い雪のような刺繍がしてある幅が広めのリボンだ。


「はい。かしこまりました。包みますか?」

「いえ!そのままで…代金は?」

「今回町長さんにはいい商売をさせてもらいました…そのお礼です。今後もご贔屓に」

「こちらこそ!」


 リボンをそのまま受け取り。


「セフィー!こっちきて!後ろ向いて?」


 よくわかってないのか、戸惑った様子で言われたとおりにする。


 長い髪をポニーテールのように一纏めにして、リボンを結んであげる。


「うん!とってもかわいい!」

「ご主人…これくれるのですか?」

「もちろん!」

「ありがとう…ございます…」


 と俯いて照れるセフィー、可愛いのでついぎゅっと抱きしめてしまう。


「私たちの時もこんな感じだったよねー?」

「そうね…私たちのご主人様は…すぐ心を掴んでしまう魔女だから…」


 そう懐かしむような目で、マオとセフィーを見るのだった。







 アクセサリーや工芸品も一通り見たのであとは獣人さんたちの方だ。

 

「おぉ!?綿あめ?」


 元の世界で見た綿あめが売っている!色は黒いが…


「いらっしゃいませ、マオ様お1ついかがですか?」


 犬耳の獣人さんが対応してくれる。


「ください!」


 大き目な鉄の筒に黒い砂糖を入れて、棒でくるくる巻いていく。


「はいどうぞ。後ろの三人もどうぞ」


 ちょっと色の黒めの綿菓子をはむっとたべる。


「おいしい~!祭りの醍醐味だよね~」


 砂糖の甘みとふわふわ触感、このお菓子は私の大好きなお菓子の一つだ。


「果物に、砂糖を溶かした飴をまとわせた、果物飴もありますよ~?」

「ええ!?リンゴ飴もあるの!?」


 もちろんいただく。


 おぉ…これは…懐かしいなぁ…


 ちょっと元の世界を思い出して、悲しくなってしまう。


「でも、こんなの良く思いついたね。特に綿あめなんてそれ用の道具がいるのに…」


 試行錯誤の末なのかな?それにしても‥


「ツツミツで有名な町で、とても流行ってるそうですよ。そのレシピを買い取りまして…何とかこの祭りに間に合わせました」

「ツツミツ?」

「ええ…この砂糖の原料ですね。子供に大人気でして…あの町で作られる綿あめはもっと滑らかな触感らしいのですが…」

「へぇー!獣人の国か~ちょっと行ってみたいかも…」

「是非、その際はうちの商人ギルドが全面協力させていただきますよ」

「その時はお願いします!…そういえば代金は?」


「3モフモフでございます…」


 恥ずかしそうにそう言って、奥にいた店員さんが2名ほど出てくる。


 私はちょっとの間モフモフしてまた屋台を回ることにした。


 商人ギルドの獣人さんは私に代金は求めないんだよね…さすがに悪いから私が何か手伝うって言ったら…耳と尻尾を撫でてほしいっていうんだよね…もちろんいいんだけど…私も癒されて、彼女たちも癒されてウィンウィンだそうだ。


 あまり深いことは考えないようにしておこう…


 獣人さんの屋台は甘いものが多かった。甘いものは別腹だけど、夕食は食べれるようにしておかないとね。


 工芸品に木を削って作ったアクセサリーや、お面もあった。お面定番だよね!


 なので狐のお面を4つ、狐耳の獣人さんから買って、頭に横にしてつける。


 4人手を繋いで町を歩く。楽しかった…これなら一年に一回くらいならやってもいいかもしれないな~!


 名前だけは何とか変えたいところだけど…








 そして日も暮れて、もうすぐ夜になろうという時間に、私はフーコちゃんと最後の準備をする。


 楽しませてもらってばっかりでは、町長の名が廃るからね!


 夜になるとみんな祭りのお片づけを始める。夜遅くまでやったりはしない。明日からまた普通の日が始まるのだ。


 閉会の挨拶なんて言うのはしない。恥ずかしいのもあるけど。はいおわりでーす、なんて無粋なことをしたくない。


 楽しい思い出と、それが終わってしまうという残念な気持ちを、各々が好きに区切りをつければいいと思う。


 そして私は最後にフーコちゃんと作った花火魔法を打ち上げる。打ち上げ音とかはない。静かに空に打ちあがり、大きく花咲く。


 空に咲く花は、とても美しくて、儚くて…


 みんな見てくれてるかな~最後に楽しんでくれるといいんだけど…


 なんて思いながら、この町の最初の祭りが終了するのであった…







 




 私は夜ベットで座って、手紙を読む。


 狐のお面に張ってあったんだよね、狐耳の獣人さんが、唇に人差し指を当てて、言っちゃダメってジェスチャーしていた。


『私の可愛い同族に手を貸してください、転生者様。()()()()()()()を使う、そんな彼を、あなたもお探しではないでしょうか?』



 それだけしか書いてなかったけど、私にはいろいろピンと来てしまった。


 私は転生者と名乗ったことはない。そして…楽しくなる魔法…そんな天文学的な確率の事が起こるだろうか?


 同じ日に死んで、同じ世界に飛ばされて…そんなことはあり得ない。


「お兄さん…お兄さんが一人目なの…?」


 でも私はちょっとだけ希望を持ってしまう…きっと違う人だろうけど…もし私の思うお兄さんだったら…




 それを人は、運命というのではないだろうか? 

いつもお読みいただきありがとうございます。

この話で5章終了となります。


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