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私の世界にようこそ  作者: てけと
第二幕 『魔女王の内政』
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町は発展する…

 私たちがこの拠点に来て、90日ほどたったのだろうか?時間の感覚がとてもあいまいだ。

 この国には四季はなくて、割とずっと過ごしやすい、ずっと春のようなものだろうか?

 大陸の場所によって寒かったり、暑かったり、大陸の中心の方にはずっと雨が降ってる土地もあるそうだ。


 最近は魔法の研究もできるようになったので、そのせいで時間の感覚が曖昧なのかもしれない。


 町はだいぶ広くなった。畑の面積も合わせると4倍くらい大きくなったんじゃないかな?

 ギルド長が涙目で走り回ってたけど…絶対泣かせてやると思ってたからいい気味だ。


 冒険者さんたちのおかげで魔物もほぼ周辺にはいなくなって。町もだいぶ落ち着いてきたんじゃないかな?


 獣人さんたち用に町の三分の一くらいは私とフーコちゃんで作った生活魔道具を設置してある。

 この町で住む人はカインさんが審査しているそうだが…こんな大勢をぜんぶ審査してるの?すごいなぁ…


 現在町の人口は2000人くらいになった。400人くらいが獣人さん。500人くらいは元奴隷さんだ。

 あとは噂を聞きつけてきてくれた魔人種族の方や、冒険者の皆さんだ。いい感じで活気づいてきたね!


 そしていつの間にか…私の住んでた屋敷は改築?が進んで小さなお城みたいになっていた…まだまだ大きくする予定なのか周りがとても広い庭になっている…


 確かに私も、大浴場でみんなとお風呂入りたい!とかいろいろ悪乗りはしたけど…そろそろ増築は止めないといけないかな…


 屋敷に新たに使用人を50名程度だけど雇い入れた。獣人さんが10名いて、ルルさんが驚いてた。


 曰く「この短い間にこんなに強くなるの…?私も負けてられないな~」だそうだ。

 モフモフできる子が増えるので私としてはうれしい限りである。


 なんていうか…私が始めた小さな一手が、いつの間にか雪だるま式で大きくなっていくのだ。

 

 町の視察やお悩みを聞くのを肩代わりしてもらってるおかげで、午後は割と時間が取れる。

 なのでその時間を魔法の研究に使っているのだ。


 魔石っていうのもなかなか面白いんだよ?魔法を通しやすいミスリル鉱石を加工して、魔力を溜め込んでおけるようにして、これを使って魔法陣を発動させたり、魔力を吸い取って魔力を回復させる。

 大きさによって溜めれる量が変わる。

 手のひらに持てる大きさだとそこまで溜め込めないし、割とお値段するので魔人種族の間では流通しない。


 フーコちゃんと試行錯誤して、現状最大効率で溜め込める魔石をつくっては見たんだけど。この間入ってきた人種族産の魔石はそれより効率がよく溜めれるんだよね。どうやってるんだろう?さすがに秘匿されてるみたいだ。


 獣人さんが経営している商人ギルドも、大まかうまくいってるそうだ。この間屋敷に、美味しそうなお菓子をいっぱい持って来てもらった。おしいかった…


 スライムってこの世界では食べ物なんだね…使用用途はいっぱいあるらしいんだけど、獣人の国ではもっぱらお菓子の原料らしい。、私が食べたのは赤いゼリーみたいなのに、リンゴやベリーが入ってるものだった。ゼリーに果物の甘みが浸透してて実に美味しかった。キラキラしてて目にも美しかった…


 このスライムを使ってアリサさんとプリンを試作してみたけど、若干味が薄くなっちゃうんだよね…

 アリサさんが

「マオ様を満足させるものを、必ずやお作りしますのでしばしお待ちを…」と張り切っていたので楽しみだ。


 町の方はうまくやってくれている。町の皆が頑張ってくれているからだ。

 

 最近の悩みはもっぱら魔法の研究だ。綿が水を吸うように、私は魔法の技術、知識を吸収していった。最近では複合魔法の検証実験や、魔石に魔法そのものを込めて、魔力を通すだけで撃てる魔道具なども開発している。しかし…私の目指す幸せの魔法のイメージが湧かない…


「お兄さんは言ってた…想像して思い浮かべろ…難しい…どんな魔法がみんなを幸せにするんだろう…」


 お兄さんなら…こんな魔法が当たり前の世界でも、楽しめる魔法を使えるのだろうか…

 きっと使えるんだろうな…あんな楽しそうな子供に囲まれてたんだもんな…


 そこに私も加わってたわけだけど…




 とにかく私はまだ、手あたり次第試してるだけだ。魔法は楽しい。時間を忘れるほどに。きっとこの魔法を極めた頂に、欲しい魔法があるのかもしれない。



 最近は魔法にかかりっきりで屋敷に引きこもっていたので、久々に街をブラブラすることにした。

 気分転換も大事だよね。


「マオ様。今日はどちらへ?」


 屋敷を出ようとしたら、ルイさんに見つかった。


「ん~特に目的もなく町をふらふら歩こうかと思ってるんだけど…」

「マオ様が街に行くと一瞬で囲まれちゃうよ~自分の人気わかってないの?」


 ルルさんが教えてくれる


「え?ただの町長が?またまた~」

「…無自覚なんですね…。分かりました。私とルル、あとニーアで護衛につきましょう」

「過剰過ぎない…?屋敷の三大武闘派メイドさんだよね?」


 ルイさんとルルさんはもちろん、ニーアさんも強い、というか速い。多分敏捷性ならルルさんよりあるんじゃないかな?


「とりあえず屋敷から出て500mくらい進んでみてください…」

「ははは…ルイさんも冗談いうようになったね~?」


 冷や汗が出る…まさかね?




 屋敷の庭を抜け、鉄扉をこっそり開けて…左右をキョロキョロ確認して…そーっと外に足を付けて、抜き足差し足忍び足…とこっそり進んでいく。


「マオ様を確認。信号魔法撃て」


 ボソッとそんな声が聞こえる。ポンッっと空に火魔法が打ちあがる。


「ん?火魔法?」


 私は空に打ち上げられた火魔法を見る。


「ルル、ニーア」とルイさんが警戒を促す。


 ドドドドドドドッと地鳴りが聞こえ。


「「「「「「「「「マオ(神)様~!!」」」」」」」」」


「ひぃっ!?」

「ニーア!マオ様を抱えて撤退!」


「はい!」と私を抱えるニーアさん


「殿は私とルルが!屋敷までの撤退戦です!」と気合を入れるルイさん。


 待って~!、マオ様をこの目で見れる日が来るとは…、まおしゃま!、せめて一言だけでも!


 各々叫びながら追いかけてくる。そして屋敷への撤退が完了し、鉄扉を閉め、屋敷のドアに向かって私を抱えて走るニーアさん。




「「「「「「「「「マオ(神)様~!ありがとう!!」」」」」」」」」

 


 そんな声がドアを閉める前に聞こえた。






 屋敷に無事帰ってこれた私はなぜこんなことになってるか聞くために、屋敷の人達を全部集めた…い所だけど忙しそうなので、夕食の時に聞くことにした。

 夕食はみんなでとる。これは人が増えても変えない。あとお風呂もね。侍女や執事というより、大きな家族として私は扱っている。


「これ早急に対策が必要だよ…このままだと屋敷に軟禁だよ…」


いつもお読みいただきありがとうございます。

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