奴隷さん
ルイさんとルルさんを連れて、奴隷館に入る。
中には女性の奴隷商さんがいた。背が高く胸もでかく…女王様!って呼ばれてそうな身なりだ…
「奴隷をご所望ですか?お嬢様」
「そうですね」
「ではこちらに…そちらにおかけください」
一室に招かれ、簡易なソファーに座るよう勧められる
「どのような奴隷をお求めですか?」
「確か一時預かりもできるんでしたよね?」
「ええ…娼婦代わりに一晩でもかまいません…男娼のほうがよろしいですか?」
と下品な笑みを浮かべる女性。
「いえ、労働者として雇いたいのです」
「なるほど…力がある者のほうが良さそうですね」
「いえ、奴隷商さんに相談があります」
「はい?」
「私と提携しませんか?」
「ていけい?」と首を傾げる女性
「私は町を発展させるために労働者と住民を求めてます。人手がほしい。そして奴隷商さんは人を売りたい違いますか?」
「そ‥そうですね…?」
「なので奴隷さんたちを私が雇います。その奴隷さんには町の住居。道の整理。外壁の拡大。等の事業をやってもらいます」
「はぁ…」
「そして奴隷商さんは、私が支払う奴隷さんの代金の十分の一程度でいいので奴隷さんに振り分けてほしいのです」
「え!?奴隷は物ですよ?使えなくなったら捨てればいいのですけど?」
「もったいないです。食事と身だしなみに関しては私が持ちましょう。管理は奴隷商さんがすればいい。そして…奴隷さんが自分を買い取れる金額が貯まったら奴隷から解放してあげてください」
「ええ!?そんな…でも利益は出るのでしょうか…」
奴隷商は冷静に考える…貸して利益も出る。奴隷に回している資金も回収はできる。維持費はかからず…
「必要な奴隷の数をお聞きしても?」
「最小で400、最大で600です」
「乗りましたわ…」
さらに400の奴隷が売れるのだ。今後もお付き合いしても悪くない提案だ。
「1つだけ問題がありますわ…解放した奴隷はどうするのですか?暴れるかもしれません、それに解放されたとて生きていけるかはわかりません」
「解放した奴隷さんは町の住民になってもらいます。嫌なら出て行っても構いません。暴れても衛兵に止めて貰い、その後町から追放します」
「600売れきったら?」
「また町を広げればいいでしょう。正直この国の奴隷が全部集まったとしても、全然足りないと思います」
「ふふふ…楽しそうですね…わかりました。では詳細はあとで屋敷に伺いますね。奴隷の補充もありますし私はこれで…」
そうして奴隷商さんは奥に入っていった。
要は派遣事業だ。私は人手がほしい。なら人手を持ってる人に依頼する。派遣元の会社にもお金は払う。そして労働者にも。多少かかっても今回は仕方ない…
そして私は奴隷さんもできるだけ救いたい。そんな一手だ。
まあでも初期投資資金とか、そういうお金はアミルさん任せだから、細かいところはポイしておこう!
「しかしマオ様は何者なんでしょう?」
と奴隷館て歩いてるとルイさんが尋ねてくる。
「そうだよねーなんでそんなポンポン新しい案がでるの?」
「んー?私はただ私のやりたいことをしてるだけだよ?なるべくみんなが納得する形で!」
「あんまりやりすぎると、マオ様の神殿とか建ちそうですね」とルイが冗談交じりに笑う。
「ははは~すぐ人の心をつかんじゃうんだもんね~何ならもう建ってるんじゃない?」と楽しそうに笑うルル。
「やめてよ!マオの町でもう十分恥ずかしいんだからね…」
三人は仲良く手をつないで屋敷に帰るのだった。
神殿?アミルが(略)
屋敷に帰り、奴隷の件をカインさんに話しておく。
「カインさん結構仕事振っちゃってるけど大丈夫?あれだったら私が担当しちゃうけど?」
「いえ、まだまだ余裕でございます。もっと振って頂いて構いません」
「あんまり無理しちゃだめだよ?しんどくなったら言ってね!」
「有りがたき…お言葉」そう言って膝をつくカインさん。
「じゃ…じゃあ、任せるね!明日奴隷さんたちにちょっとだけ言いたいことがあるから、仕事行く前に集めておいてね」
「かしこまりました…」
夕食は屋敷で働いてる人みんなで食べる。私がそう決めたからだ。
朝とお昼は各自でたべる。時間が合わないからね…
アリサさんのご飯はおいしい!デザートも毎日違うし…すごくおいしい…今度私も作るのを手伝いたい。
そういうとアリサさんは目をウルウルさせて、いつでも厨房にお越しくださいって言ってくれた。暇ができたら行こう!
今日はルルさんのベットに潜り込む、そして猫族のニーアさんをモフモフしながら眠る。
ニーアさんが艶やかな声を出していた気がした。
…魔法の研究してないよね?
私を朝起こすのは当番制なのか毎日変わる。今日はニーアさんだった。
「マオ様おはようございます」
「ん…おはよう…にーあさん‥」
ニーアさんがお水をくれる。それを私はコクコクと飲み干す。
「耳としっぽ触らせてくれてありがとう。とってもサラサラして気持ちよかった」
犬耳の獣人さんはモフモフしてた。ふわふわ~って気持ちよくて、ニーアさんはサラサラしてた、特に尻尾はもうずっと撫でていたいくらいサラサラしてた。
「いえ…こちらこそ…です」と恥ずかしそうに尻尾をフラフラさせるニーアさん
「可愛いな~もう…」
ニーアさんは私より年上だ。白髪のショートカットだ。身長が低くて、ついつい可愛くてにやついてしまう。
そっと抱きしめ。耳を撫でちゃう。まったく…
「マオ様…ん…」
「さてお仕事しようかな!」
「朝食の準備はできております」
私の一日は朝ごはんを食べて、カインさんから私に上がってくる書類を確認してサインしていく。
そして、町の今後のことや現在進行している行事を確認や話し合いをして決めていく。
因みにシレっと、マオ様に感謝するマオ祭りとか言うのが一週間に三回ほど開催される案が上がるのだが…もちろん却下させていただいている。
カインさんそこは仕事して?
午後からは視察とか町の困りごとを聞いて回る。私は町長だからね、この町には責任をちゃんと感じている。できるだけよくしてあげたい。
できそうな案は、カインさんに上げておく、厳しそうなのはアミルさんに上げておく。
終わったころに夕食を食べて、寝る準備をする。立派に町長してるよね。
軌道に乗ればもうちょっと私の仕事が減ってくると思うので、それまでは頑張るつもりだ。
さて今日は朝ゴハンを食べたら奴隷さんに言っておかないといけないことがある。
あの奴隷館にいた人は20人程度だった。これから増えていくそうだ。私の言葉を言伝で伝えてほしい。
やはりというべきか…もうこの人たちは人として生きる気がない。そういう扱いだそうだ。
私はこの人たちにもう一回生きてほしいそういう意味を込めて言葉を紡ぐ。
「私が今回あなたたちを雇った町長のマオです!」
大きい声で元気よくみんなの鬱な気持ちを吹き飛ばすように。
戸惑う奴隷さんたち。
「あなた達はもう一度生きたいですか?このままずっと物として誰かに消費される人生を望みますか?」
「あなた達が、もう一度人として、一人の人として人生を生きるために私は手を差し伸べます」
「ただ救うわけではありません。私に救われるのではなく。あなた達の手で、自分の手で救われてください」
「だから、私はお願いします。私を助けて。私の町を助けて、そしていつか‥」
「この町が、あなた達の町になる。そうなることを願って」
お願いします!と頭を下げて私はその場を後にする。
さて言いたいことは言ったので、今日はこれから書類仕事だ。
いつもお読みいただきありがとうございます。




