私は…
ココの視点になります。
ちょっと悲しいですがお付き合いください。
シン様と楽しくおしゃべりして、おいしいもの食べて、恋人のようなことをして。でも私は捕まってしまって…シン様は死んでしまう。離れていくシン様。あぁこれは夢だと不思議な浮遊感が教えてくれます。分かってても私はシン様を追いかけます。まって…せめて夢の中だけでも…私の傍に…
涙が頬を伝いました。暗闇の中、私はベットで寝ていました。
ここはどこでしょう?すると
ザクッ!! ドーン! ドドーッン! とお外からなにかが切り裂かれる音とぶつかる音が聞こえました。
何事かと外に出てみると、真っ暗で何も見えません。月明りすらない暗闇。しかし足元には草の感触があります。少し歩くと冷たいものに触れます。その間にもドーッンと何かがぶつかる音が聞こえます。
まさかシン様が!?あの人ならやりかねません。この壁をどうにかしないと!ドンドンドンッ!と叩きますがこわれる様子がありません。それでも…地面に落ちてた石を拾って、叩き割ろうとしますがわれません。
しばらくすると壁が消え、服がボロボロになったシン様がいました。シン様シン様!
抱き着こうとしましたが避けられてしまいます…さみしいです…シン様と触れ合っていたい…変な夢を見たせいでしょうか…そういう想いが強くなってしまいました…
シン様が私に気遣って胃に優しいご飯を作ってくれます。暖かくて優しい味がして、とても美味しかった…
どうやら一週間ほど眠ってたらしく…食事はもしかして口移ししてくれたんでしょうか……トイレ!?もう私の体は隅々までシン様に見られたのでしょうか…でもシン様になら…と思ってしまいます。
シン様が出してくれたおふろ?というのに入ります。石鹸で体を洗い…この大量のお湯に体を入れればいいのでしょうか?
「ふあぁぁぁぁ‥」
とても気持ちよくて体のすべてが緩んでいくようでした…恐ろしい…これがおふろ‥
おふろから出るとシン様がいたので駆けよっていきます。
するとシン様は愛おしいものを愛でるように、すごくいい笑顔でお馬さんとじゃれていました…
馬に嫉妬したくはありませんが…ずるいです…私もあんなに優しく撫でてもらいたい…
私は馬車の御者をやってみたい!といいやらせてもらいました
シン様の隣にいたかったのもありますが、御者にも興味はありました。
しかし私が手綱握ると馬車が止まってしまいました…するとお馬さんが振り返り、私を見てふっと馬鹿にしたように見えた気がしました。まさか…しかしどうやってもぴくりとも動いてくれませんでした…人族の町では普通についてきてくれたのに…
町に着くとシン様は冒険者ギルドに向かいました。この町はなんというか…シン様を怪訝な目で見る人が多いです…仕方ないのかもしれません…獣人は人種族を下に見る傾向があります…
「おぉ!可愛いお嬢さん…こちらでご飯でもどうですか?」
私にすごくおっきい獣人の男の人が話しかけてきます。
「別におなかがすいてないのでいいです」
「だったら飲み物でも…こちらで一緒にお話ししませんか?」
「別にあなたと喋ることはないのでいいです」
「ぐっ…ではお名前くらい聞いてもいいでしょうか?」
「別にあなたに興味ないのでいいです」
おっきい獣人さんはしきりに話しかけてきますが。興味がないので聞き流していました。
するとシン様が私をおいてギルドを出ようとします。待って…
「ココ俺はいくけど、どうする?ここでのんびりし「いきます!」」
沼地に向かいリザード討伐に行くそうです。
沼地に着くや否やシン様が空から槍を降らせます…すごい…これがシン様の力…
と呆然としていたらシン様がたくさんのリザードに食べられていました!?
「シン様!?」
シン様に群がっているリザードを一体づつ切り伏せていきます。
シン様を諫めます…死のうとしないでください…どうやら獣人国に入ったことで、もういいかな?と思ってるらしいです…
そしてシン様は言います。お前は可愛いから、もしほかの獣人と恋に落ちたら、そこで暮らしてもいいんだぞ?と…
私が可愛い…シン様に言われるとふへへ‥ついつい笑みがこぼれてしまいますが…
私はシン様にしか興味がないのです…獣人は本能で恋をするとシン様は言ってましたが…
そうですね…私はきっと本能で恋をしています。最初に私を買ってくれた時にはもう恋に落ちてたんだと思います。それを自覚したのはこの国に来て目覚めたときでした。
シン様を目覚めて初めてみた時に…あんなに嬉しくなってしまったのです…
私はちょっと早めに起きて、受付の猫族の人とこの町について聞いてました。
シン様と一緒に町を回るなら、いろいろ知っておいた方がいいと思って…
でも今日は別行動でした…シン…
私はお金をいただいたので、買い物しようと思います。シンに何か役に立つようなものを…
街をブラブラしていると木のアクセサリーが売ってました。工芸品の一種だそうで、とても珍しいそうです。
…私がシンに…この指輪を…左手の薬指に…そう考えると胸が高鳴り…
気づいたら買っていました…きっと実らないこの恋にちょっとくらい浮かれてもいいですよね…
なんか町の広場に子供たちが群がっていました。なんだろう?ちょっと気になったので見に行こうと
「お嬢さん。また会いましたね。どうですか僕と一緒にお散歩でも?」
またでっかい獣人さんが話しかけてきます。
「用事があるので失礼します」と反対に向いて歩きます
「そうおっしゃらず…」
そして勝手に私の隣で歩きだします。そこはシンにいてほしい場所なのに…ちょっとイライラして
「あの?私はあの人族のシンという少年に恋をしています。私はあの人以外の異性に興味はありませんので、やめてください」
とつい言ってしまいます。逆上して襲われてもいいように。剣の柄に手をかけます。
「そうですか…人族に恋を…」
洗脳か?隷属か?
ぶつぶつ言いながら歩いて行きました。
「君あの人族の子に恋してるの!?なんで!?」
近くにいた犬族の女性に声をかけられます。
「気づいたら好きになっていました…でも彼は私に興味がないのです…」と寂しい顔をしてしまいます…
「ええー!こんなにかわいい子に好かれて興味がないなんて…同性愛とか?」
「ちがいます!!…たぶん…」
とその女性とその友達に囲まれて私の恋について相談に乗ってもらいました…なんでこうなったんでしょうか…
日が暮れてシンを食堂で待ちます…シン…
私には女性としての魅力がないのでしょうか…胸もないですし…顔はシンも可愛いと言ってくれます…
ふへへ‥ではなくて…きっとそういう問題ではないのでしょうね…
そうして呆然とシンの事を考えてると結構夜が深くなってきました…まさかシンに何かが?
と思ったのもつかの間、宿に入ってくるシンを見つけました。
「シン!」
抱き着きたい、シンと触れ合っていたい…
しかし避けられてしまいます…むぅ…しかしもう分析は終わりました…もう逃がしません!
翌朝、今日町を出発するので、私は朝起き荷造りして部屋を出ます。
受付のお姉さんに昨日のことをお礼を言い、シンを待っていると。またあのでっかい獣人さんが花束を持って宿に入ってきました。そしてこういいます。
「お嬢さん…君を縛る鎖は私が断ち切りました…どうか私とつがいになってください…」
膝をついてそう言いました。鎖?
「昨日も言ったと思うのですが…?」
「なっ!?人族を殺したのに洗脳が解けないだと…」
は?
私は剣を抜きでっかい獣人さんに向かいあいます
「シ…シン…を殺した…!?なんでそんなことをっ!?」
「君は洗脳されている!獣人が人族なんかを好きになるはずがない!!」
「されてません!そんな人族だ獣人族だなんて小さな問題になぜ拘るのです!貴方なんて嫌いです!!大っ嫌い!!」
すると宿にシンが入ってきました、シン!?
私は駆けよって抱き着きます…存在を確かめるように……右っ! ガシッ!
久々にシンに触れるような気がします…ちょっとだけ満たされますが…
「俺と決闘しろ!彼女をかけて!」
獣人さんが勝手なことを言ってます…
「断る!ココは俺のもんじゃねえ。ほしいならココを納得させて持っていけ」
「むぅ…」
私はシンの物です。いつの間にか奴隷ではなくなっていましたが…許されるなら…私のご主人様でいてほしいです…
「なんだとっ…しかしお嬢さんが…」
なに言おうとしてるんでしょう?それ以上は許しません。獣人さんを睨み、一足でとんで殺せるように身構えます。
「うっ‥しかし!俺はここで引き下がれん!決闘しろ!!」
私はシン様はお強い人だと知っていましたが…獣人をここまで圧倒するとは…
「すごい…」と感嘆しシン様に駆け寄ろうと思ったら…
「お兄ちゃーん!!」と犬族の少女が抱き留められてます。
ええ!?誰でしょう…その母親っぽい人もいます。
むぅ…仕方なく私はシン様の後ろに立ち、会話を聞いていました。
なんと…あの獣人を殺してないといいます。殺されそうにいや…多分一回殺されたでしょう…なのに…
疑問に思ったので聞いてみます。
「どうして、殺さなかったんですか?」
「ん?殺してほしかったのか?」
「いえ…そうではないですが…シンは一度殺されてますよね?宿の外で…てっきりやり返すのかと?」
「まあ俺は死んでないしな…なんか間抜けで毒気が抜かれるというか…」
「ココの同族はなるべく殺したくないんだよ。ココが殺されそうになるならともかく…ココに好意を持ってるやつを殺すのはなんか悪いだろ?」
これは大切に思われてるのでしょうか…それとも…
そしてシユちゃんというライバルができました…しかしこれはチャンスかもしれません。
シンの事を好きな獣人で結託して、シンをどうにか落とせないか…作戦を考えます…もう一人いや…理想を言えば、三人いれば…独り占めしたいわけではありません。私は傍にいられるだけで…
次の町でも、別行動でした…獣人の町とはいえ…一人で歩くのはさみしいものです…
途中適当なお店に入って、ご飯を食べます。
私も冒険者になれば、シンの横に立てるのかな…
よく考えれば、私はシンに何もしてあげられていません。守られてばかりです…世話をかけてばかりです…
私を故郷に返せば、シンはきっと私のことを忘れて、旅に出るのでしょう…それでいいのでしょうか…
机に頭を突っ伏して、それは悲しいなぁ…でも私ごときがシンに何を上げられるのでしょうか…
私の体?それは私がうれしいだけ…私の得意な策略や分析、予測?シンは別に望んでいません…
そっか…今の私は…シンの足手まといでしかないんだ…そう思うと涙がこみ上げてきます…
ちょっと気分が落ち込んでしまい…とぼとぼと特にあてもなく歩いていました…
すると獣人の男性が私に声をかけてきます。
「お嬢さん?落ち込んでるの?話聞こうか?」
「ほっといてください…」
そう言い立ち去ろうとしますが…
「かなしそうな顔してる子をほっとけないしさ。僕の家にでも来ておいしいもの食べよ?」
「おなかがすいてないのでいいです」
「そういわずに!僕これでもお金はあるから、おいしいもの沢山食べさせてあげるよ!」
「あの…迷惑なので…やめてください」剣の柄に手を添えます。
するとその男の目線が私の後ろをチラッとみました。
まずいっ!そう思いました。後ろに向かって剣を振ります。
「ぐあっ!?この女あぁぁ」
逃げようとしましたが正面にいた男に捕まりました…そして殴られ…
気づくと…下着姿で口も防がれ、しっかりと拘束されていました…
絶望しました…これからされることにではなく…私の弱さに…自分の身すら守れない私に、シンの傍にいる資格なんてないですね…
「お?起きたか?んじゃあ始めるか~まあ痛いのは最初だけだ、すぐよくなるさ」
ギャハハハハと喋っていましたが正直どうでもいいです…
もういっそこのままズタボロにされて、奴隷でも魔物に殺されるでも…どうせ私はシンの傍にいれない…疲れました…
結局意味なかったのかもしれません…私はそういうものなのでしょうか?
むしろ幸せを知ってしまったことで…絶望を見たのでは…出会ったのは間違いだったのか…あの夜を生きのびたことは…
そんなことを考えて涙を流します。無意味だとは思いたくない…でもこれじゃあ…
「あのー?すいませーん!」
シン!…だめです…また彼に迷惑をかけてしまいます…黙っていれば彼は諦めてくれるかもしれません…もうここで…
「はぁ…そういうプレイなのか?できればイチャラブしてほしいとこだが…」
彼に見つかってしまいました…シン!…ゴメンナサイ…そう言いますが喋れませんでした。
シンが部屋に入って15秒ほどで部屋の獣人がすべて殺されていました…
私に危害を加えるやつは獣人でも殺す…そう言ってました…
ゴメンナサイ…呆れないで…見捨てないで…私を担ぐシンにそう言います。しかしシンは一言
「狐族の集落が見つかった。明日からそこに向かって旅立つ。そこでお別れだ」
そう冷たく言い放ちました…そっか…もう終わりなんだ…
私はもう何も考えたくありませんでした…疲れました…シンの事は忘れて…集落で…家族と一緒に…きっとそれが正解だと思います…
すると馬車が途中で止まり、おんなじ狐族の女の子が馬車に入ってきました。
「おねえちゃんだれー?」と無邪気に聞かれました。
私より2つくらい下でしょうか…私より背が低く幼い。私よりも色が鮮やかな金色の髪で…
狐族の集落に行くという事で頼まれたのでしょうか?
「私はココです。あなたは?」
「ミーコといいます!お姉ちゃんは先生の何?友達?恋人?」
先生とはシンのことでしょうか…彼は子供に好かれる才能でもあるんでしょうか…しかし…
私はシンのなんなんでしょうか?恋人…ではないですね…奴隷でもなくなってしまいました…私は…?
「わかりません…私はシンのなんなんでしょうね」
「私は先生のお嫁さんになります!」
え…?この子はいったい…なりたい…ではなく…なるという…なりたい、なんて夢ではなく、なるという目標に…
「シンは…そういうのは求めてないですよ?」
「先生が求めているのと、私が先生のお嫁さんになると決めることは、関係あることですか?」
それは…
「シンは…ミーコの想いに応えてくれませんよ?きっと悲しい思いをします」
「でもわたしはなるよ?強くなったら、先生を守れるほど強くなったら、一緒に連れてってくれるって約束しました!」
シンを守れるほど強く…そんな途方もない実力が…ありえません
「シンはとても強いです…それはもう一人で何不自由ないくらい…普通の人では無理です」
「私は諦めませんよ?先生と触れ合ったのは一日だけだったけど、私の本能は先生を逃がすな!追いかけろ!っていうんです。なら私はそれに従います!」
そんなの私だって…っ!
「それでも…迷惑かけます…し‥普通では…無理なんです…」
また涙があふれてきます…
「ココおねえちゃん‥先生が好きなんだね…好きで好きで、でも届かなくて…なら諦める?お姉ちゃんは獣人じゃないの?」
私の頭をミーコが撫でてきます。
「私は獣人種狐族、策略と謀略あらゆる策を練って、本能のままに、先生を手に入れるよ?お姉ちゃんがあきらめるなら」
ミーコがもらうね?
そう耳元で囁かれミーコはシンの元に行ってしまいました…
…このままでいいの私…奴隷の期間が長かったせいで…人種族との暮らしが長かったせいで…私は私を抑えていたのでは…?
このままシンと別れて暮らす?きっとそれがいい、彼の目的に私は邪魔だろう……でも…でも?
私の本能はシンといたい!と叫んでいる。でもそれは無理だと私の理性は諦めている。
あなたは何?獣人じゃないの?本能のまま駆ける獣人じゃないの?獣人が本能を殺して…生きて…
それでもあなたは幸せですか?
……
しばらくしてミーコが馬車の中に帰ってくる。
「お姉ちゃん…考えが変わった顔してますね」と笑いかけてくる
そうでした…これが狐族、人心すら掌握し、策に組み込む…それが本来の姿だ
「そうですね…どうやら寝ぼけていたようです…」
そうして私とミーコで策を練ります。シンを手に入れる策略を。
私はシンに告白します。私の気持ちを伝えたかったというのもありますが…
シンは言いました私ならそばにいてもいいのでは?と考えていたと…
ふふふ…嬉しいです…そしてこれは大きな一歩です…これで私達の策略を前に進められます。
私は…何を使ってもシンを手に入れます。彼の隣に立つために、きっとかなり大変な道のりでしょう。
でもその道のりがシンにつながっているなら…
私は獣人種狐族のココ、策略と謀略…あらゆる手段を使い、本能のままに、シンの隣に向かって駆けます。
その為なら…どんな辛く苦しい事ことになっても…最後にシンの隣で、生きていけるなら…
私は幸せです!!
そして私は集落についた夜、シンに夜這いをかけます。さすが私のお母さんです。目を合わせただけで私の意を汲み、一晩集落で泊まるようにシンを留めてくれました。
既成事実さえ作ってしまえば…そう思い、当たり前のようにシンの部屋の鍵を開け、侵入します。全裸になり…ん?
ベットがまるで卵のように殻に包まれています…むぅ…さすがシン…一筋縄ではいかないようです…
今日は諦めて引き下がりましょう。いつか必ず…
次の日、シンは予想通り、朝私たちが起きる前には集落を旅立っていました。
私はこの集落で戦闘技術を学びます。
まず私たちは自分を守る術を得ないといけません。
そして私は長く腰まで伸びた金色の髪をシンにもらった刀でバサッと切り落とします。
首がスース―します。
「すぐ追いつきますから。先に行っててくださいね」
そうにっこりと笑うのでした。
お読みいただきありがとうございました。
策略と謀略は意味は同じですが、ニュアンスが若干違います。
もっと良い言い回しがあればよいのですが…




