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私の世界にようこそ  作者: てけと
第二幕 『イレギュラーは獣人に愛される』 
39/189

決闘

 朝目覚めいつものシャドウトレーニングをする。

 

 早めに切り上げ汗を流そうと井戸から水を汲みとっていると後ろから

 ドスッ!っと剣がぶっ刺される

 剣は貫通し俺の胸から刃が突き出ている。


「ん?」

「ははは!これであの子は俺のものだ!人族の分際で獣人を娶ろうなど思い上がりやがって!」


 そう言って、剣を抜き走り去っていった。なんだ?娶ろう?

 まあどうでもいいので頭の隅にやって、井戸水を汲む。


「ったく…血を流す手間が増えたな…」そして飛散した血を水で流してきれいにするのだった。





 先に馬車の準備をしておこうと思い、ミーとカンジにさっき作った黒砂糖の塊を与える。

 お気に召したのかもっともっと、とよだれをたらしながら催促してくる。


「もうないよ…またあとで作ってやるから」と撫でて馬車につないでおく。


「さて…ココを呼びに行くか…」







 宿に戻ると花束を持ったでっかい獣人と、青い顔をして剣を抜いてるココがいた。






 ん?花束を持った獣人と剣を抜いたココ?


 ケーキでも入刀するのだろうか?それは祝うべきことなのだろうか?


「シンッ!?」とこちらに向かって抱き着いて来ようとするが、もちろん避け…


 ガシッ!と捕まる…なんだと…予測してやがった…


「シン!無事!?」と抱き着いたままうるんだ眼でこちらを見上げる。

「無事も何も…馬車の準備が終わったから呼びに来たんだが…?」

「なぜお前…生きている!?」とでっかい獣人がこちらを睨んでくる。

「ん?お前夢でも見てたんじゃないのか?俺はこの通りぴんぴんしてるぞ」


 そんなはずは…と青い顔をして…


「俺と決闘しろ!彼女をかけて!」と花束でこちらを差してくる。


 それだと俺がプロポーズされてるみたいじゃねえか…気持ち悪いなあ…


「断る!ココは俺のもんじゃねえ。ほしいならココを納得させて持っていけ」

「むぅ…」とこちらをじーとみてくるココ。


 なんだよ…私を巡って争わないで!ごっこでもしたいのか?


「なんだとっ…しかし彼女が…」


 ココはバッ!と俺から離れて、でっかい獣人の方を向く。獣人は後ずさり…


「うっ‥しかし!俺はここで引き下がれん!決闘しろ!!」

「はぁ…なんとなく察したわ…ココ」と俺はココを呼ぶ。

「うぅ…だって‥」と申し訳なさそうにこちらを見る。

「断るならちゃんと断れよ…俺をダシに使うんじゃない…」

「そういうわけじゃ…」

「まあいいぞ…今回は受けてやる…」そういい宿から出る。






 武器と装備を取りに戻る獣人…馬鹿なのか…もう無視して出発するか?


 町のでっかい広場に出る。暴れても大丈夫なように。するとギルド職員の猫耳獣人がこちらに走ってくる。


「なんで昨日ギルドに来てくれなかったんですか!?」

「ん?特に用事はないが…」

「クエスト達成の確認を朝しますって言いましたよね!?」


 そういえば…そんなこともあったっけ?


「悪い…忘れてた…」


「待たせたなぁ!!!」とでっかい獣人がバスターソード片手にやってくる。


 ベースの獣はトラか?金色の髪に黒色の髪が混ざっている。耳は丸い。


 だとすると爪が伸びたりしそうだな…と適当に分析する


「一体何が…?」と猫耳のお姉さんが混乱してる。

「いや…俺と決闘して勝ったら、後ろにいる狐族の少女がもらえるらしい?」


 俺もよくわからん。俺を殺したらココがもらえるとか?なんでそういう発想になるんだろうか…獣人だからか?


「なんとなく察しましたが…ちゃんと後でギルドに顔を出してください!」


 いや…決闘を止めろや…


「あぁ~それなんだが…達成はしてるんだよな?だったら報酬はいらん。返しといてくれ」


 サトウキビ…ツツミツか、の話は聞いてるので達成されているはずだ。


「ですがそれでは‥」

「決闘が終わったら、俺が死んでるか、もしくはすぐに町から出るからな」


「いつまで待たせるんだ!!さっさとやるぞぉ!!」


 武器と装備を取りに行ったお前が言うな…


「とりあえずそれでいい‥」そういい決闘相手のところに向かう

「どっちかが死ぬまでやるのか?」

「はっ!俺がお前を殺すまでだろ?」

「そうか…いいぞ」


「しねっやぁああ!」と両手で持ったバスターソードを振り下ろす。


 体を半身にして避ける。


「くッ!これなら!」と振り下ろしたバスターソードを持ち上げ横に振る。


 身を伏せて避ける。というか…


「なぜ当たらん!」


 不意打ちならともかく。正面切ってる相手に振り下ろしますよーという構えで振り下ろして来たり、横に斬りますよーという構えで剣を振られても…いくら早くても剣を振る前に避けてるっての…


「やるじゃないか…しかし俺の本気はこんなもんじゃない!」とバスターソードを横に投げる。


 なんですぐ手放すのに、武器持ってきたんだよ…


 そして予想通り爪を伸ばし


「鉄さえ切り裂く俺の爪で切り刻んでくれるわ!」


 振りが短くコンパクトになると俺も攻撃が予想できない。これは負けるかもな~どうしよ?

 右手にナイフを順手で持ち、半身に構える。ちょっとでも攻撃される範囲を狭めようと。


「グルァァァァ!!」


 と両手を振りかぶり、獣人特有の速さで俺に斬りかかる、まるでクロスを描くように。

 爪なら刺せよ…刺すように突かれたらさすがに避けられんが…俺は体勢を低くし突進する。そして懐に入ると右の方の胸にナイフを刺す。血が噴き出る。


「俺の勝ちだ…」


 ズゥン!と後ろに倒れる獣人。


 若干背中を切られたが、まあ問題ない。




 ワアアアアァァァと歓声が上がる。野次馬がこんなに…いつの間に…




「お兄ちゃーん!!」とシユが走ってくる。


 しゃがんで抱き留めて、高い高いしてあげる。


「人族が魔法なしで獣人を殺すなんてね…」と奥さん

「ん?殺してないぞ?」胸にシユを抱いてあげ応える。

「え?だってあんなに血が…」

「ほら?」と俺は刃のついてないナイフを見せ、その刃を押すとシュコシュコと柄に引っ込む。


「え?…あの血は?」

「俺の血をこのナイフに仕込んでた」

 

 種を明かすと、ナイフが引っ込むと血が噴き出るように仕掛けていた。

 すると呆然としたシユの母親が堰を切ったように…


「ふふ…はははははっ!殺されようとしてるのに…はははは」と笑いだす。

「お兄ちゃんすごーい!」

「お兄ちゃんは魔法使いだからな。みんなが楽しくなる魔法は得意なんだ」


 意外とこいつが小心者で助かったがな…気づかれたらあの暑苦しい胸板に抱きしめられて、刺されて精神的に殺されただろう…







 あの獣人が気絶してる間に町を出ることにした。さっさと馬車に乗り込む。


「どうして、殺さなかったんですか?」とココが聞いてくる。

「ん?殺してほしかったのか?」

「いえ…そうではないですが…シンは一度殺されてますよね?宿の外で…てっきりやり返すのかと?」

「まあ俺は死んでないしな…なんか間抜けで毒気が抜かれるというか…」


 それと…


「ココの同族はなるべく殺したくないんだよ。ココが殺されそうになるならともかく…ココに好意を持ってるやつを殺すのはなんか悪いだろ?」


 別にココが好かれることに悪いことはない。もしかしたらココの逆ハーレムになるかもしれないんだし。 

 

「ココの為に来たのに…獣人とはなるべく仲良くやっていきたいさ」

「そうですか…ありがとうございます…」と頬を赤らめ笑う。





 馬車を走らせ町の門をくぐり抜けたところに10数名の獣人がいた。


「シーン!ありがとうねー!」

「ココちゃん!がんばるのよー!」


 とかそんな声が聞こえた。

 馬車を走らせ街道に出たところで…


「お兄ちゃあぁぁぁん!いっちゃやだああああ!」と馬車を追いかけてる女の子がいた。シユだ。


 さすが獣人族というべきなのか…普通に追いつかれる。

 これはほっとくとついてくるな…とおもったので馬車を一回止めて。

 おにいちゃん!と抱き着いてくるので抱き留めてあげる。むぅとココから聞こえた気がした。


「お兄ちゃん行っちゃヤダ!いかないで…」


 懐かれ過ぎた…んー


「シユ…ごめんな俺は行かなきゃならないんだよ…」と頭を撫でて落ち着かせる。

「やだ‥」

「そうだなーこれを渡しておこう」


 俺は具現化でシルバーの腕輪を出してあげる。


「また俺に合えるおまじないをかけておいたから。シユがこれを無くさない限りまた会えるよ」

「ほんと…?」

「もちろん。だから待っててくれる?」

「うん…わかった…待ってるから絶対会いに来てね?」

「シユがそれを()()()()()限り絶対会えるよ。約束だ」

「じゃあお兄ちゃん気を付けてね…」


 シユを降ろし、頭を撫でて…


「またな。シユ」




 そして町を出て獣人国の首都にむかう。


「シユちゃん…ライバルが登場した…」とココが小さな声で言っていた。 

いつもお読みいただきありがとうございます。

あえて言うまい

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