表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の世界にようこそ  作者: てけと
第一幕『イレギュラー』
3/189

町へ

 もう何日歩いただろうか…

 いちいち覚えてないが、日本なら、いくら樹海だろうがこんだけ歩けば…どこかしら道に出るだろう。

 方向感覚が狂わないように太陽?の位置を確認しながら歩いてるので、ぐるぐる回ってることはないと思いたい。なお方位磁石を具現化してみたがグルグル回るだけだったのであんまり意味なかった。


「グルルルゥ!」


 こんな感じでよく犬っぽいのとも遭遇する。

 左手に持っている白鞘の刀に手をかける。


「ガルァ!」


 俺の足に噛みつく犬(仮)。こいつに俺が殺せないのはもう確認済だ


 犬(仮)の頭を突き刺して殺す。


「ガアァァ…」


 こんな感じで結構俺を襲ってくる犬(仮)があとを絶えないので、強い武器を作ることにした。

 なじみ深い(見る機会が多かった)白鞘の刀を…

 イメージで切れ味を上乗せすることで、力を入れずに、胴体ごと真っ二つにできるほどには切れ味はいいのだが…俺に戦闘能力がない(動きが見えないし攻撃が当たらない)ので結局噛みつかれて刺すしかない。

 噛みつかれると、どうしても止まらざるを得ないので、おいおい噛みつかれる前に倒せるようにしたいところだ。




 犬(仮)を殺しながら歩き続ける。

 日が暮れると歩くのをやめ、寝る準備をする。俺は夜襲われても、痛くもかゆくもないので普通に寝る。


 ベットを具現化し、刀をベットの脇におき、ベットに入る。服はずっと上下ジャージのままなので着替える必要もない。

 運動してもよし、寝間着にしてもよし、コスパの言い服なので重宝する。

 どうせ夜に襲われてボロボロになるので何でもよいのだが…もちろん具現化で作ってある。


 倒した犬(仮)とか熊(仮)を解体すれば肉は確保できるのだろうが…特に空腹はないのでそのままほったらかすことにしている。


 そして朝になると起きて、俺を食ってる犬(仮)をサクッと刺殺し、ジャージを具現化し、また歩き出す。ベットは消しておく。


 具現化を使いすぎると疲労がたまる。調子に乗って家とか、罠、いろんな武器を具現化するとぶっ倒れ、半日ほど意識を失っていた。それでも回復能力は健在だったようで死ねなかった(残念) 

 具現化したものは任意で消せる、出し続けるとぶっ倒れるが、消して出せば問題ない。消すことで体力みたいなものが戻ってくる感覚もある。




 ようやく森を抜け。そして遠目に建物が見える。


「お…?町か?…農村みたいな感じだな」


 山に囲まれて、その窪地に田畑とわらでできたような家が、ぽつぽつとある。

 中心の方には煉瓦で作ったような家が密集していた。

 町は石の塀に囲まれ、その塀の外側に田畑とわらの家のようなものがあり、その大外を木の柵が囲ってある。


「当てもなくただ歩いてるより、何でもいいから情報がほしいな」


 町に行く方針を固めることにする。このままだと、ただただ森を、ゾンビのように歩くだけ。死ぬ方法を見つけるためなら…なりふり構ってられない。


「とりあえず横から柵を超えるより、街道から行った方がいいよな」


 森をぐるっと回って、街道から町に向かうことにした。街道に出ると、町に向かって歩いていく。途中馬車が通り過ぎる。


「馬車ってことは…いよいよここは異世界だな」


 彼が生きていた世界に馬車なんて走っていることはない。そして彼は覚悟を決めることにした。


「ここは異世界で、ここの神とやらが勝手に俺を異世界転生させたってことだな。しかもしねないチートスキル付き。…俺が何をしたっていうんだ…」


(ほんと…ただもう人間に生まれ変わりたくない…そう願うことが罪だったいうのかよ…)


 泣きそうになるが、とりあえず今のことだけに集中する。


(そもそも普通なんか説明とかあるもんじゃねぇのか?いきなり森に投げ出されて放置って…ここの世界の言葉はわかるのか?通貨単位は?生活圏や種族、生態とかなんもわかんねえ…)


 まあうじうじしていても仕方ないのでとりあえず行き当たりばったりでやることにした。最悪逃げてまた歩けばいい。生きる気がない現状で特に捨てるべきものは何もないのだから。


 すれ違う人の服装をまねて服を具現化する。白いシャツに皮っぽいの胸当てや手袋、膝が隠れる程度の裾で、ベージュ色のズボン。その上から灰色のローブを被り、とりあえず目立たないように装う。そうして歩いていると町の入り口に到着した。


 定番の中世ヨーロッパのような衛兵が門の前に立っていた。


「何か身分を証明するものはありますか?」


 そう聞かれた。どうやら言葉はわかるようだ。


「いえ…道に迷って森をさまよっていて途中襲われ持ち物すべておいて命からがら逃げてきたもので…」

「では銀貨1枚通行料を納めてもらうことになるが…手持ちはあるか?」


 あるわけがない…


「なにぶん持ち物をすべておいてきてしまったので…」

「ではここを通すわけには行かないな…」


 そこで俺は手に持っていた刀を渡すことにした。


「この剣では足りないでしょうか…?町には入れないと、このままのたれ死ぬだけですので…」

「…なんだこの剣は…この辺では見たことがないな…ちょっと待ってろ」


 俺が具現化でつくった白鞘の剣である。見たところ文明レベルは低そうなのであの刀ならいい値段になるのでは?俺の手から離れても消えないが、たぶん俺が死ねば消える。当分死ねる方法も見つかりそうもないので大丈夫だろう。

 

 10分ほどすると衛兵と、ちょっとがっちりした筋肉質なおっさんが、二人でこちらに来るのが見える。


「お前がこの剣を?どこで手に入れたんだ?」


 がっちりしたおっさんが聞いてくる。


「それはちょっと教えられないのですが…それだと買い取ってもらえない感じですか?」


 俺が作りましたとはもちろん言えない。面倒ごとに巻き込まれて時間は食いたくない。


「いや…買い取らせてもらうよ。金貨5枚でどうだ?」


 金貨5枚とか言われても…よくわからんがまあ当面の金が手に入るならいいだろう。


「ええ、大丈夫ですよ」



 

 そして金貨5枚を受け取り、衛兵に金貨一枚渡す。すると銀貨99枚帰ってくる。小銭邪魔だなぁ…


「お手数おかけしてすいません。おつりは衛兵さんがお取りください」

「なっ!?それはちょっと多すぎるというか…でももらえるならもらっておこうかな…」

 

 別にお金は持っていてもあまり意味がない。すぐに旅立つ予定だからだ。

 ホクホク顔の衛兵さんに見送られ、町に入る。衛兵さんにおつりのお礼としていろいろこの町の事は聞いておいた。

 



 貨幣の単位だが、白金貨1枚で金貨1000枚、金貨1枚で銀貨100枚、銀貨一枚で銅貨100枚だそうだ。白金貨とは魔法によりプラチナが加工されてるものだそうだ。その製法は、もちろん秘匿されてるため偽造は不可能だとか。魔法あるんだな…


 ちなみに衛兵さんの月の収入が、大体銀貨30枚程度だそうだ。3か月分の収入を得ればそりゃ何でも教えてくれるよな。

 この町はレイルの町といい、人種族の国ヒュームレルム国の最西端に当たるそうだ。この町のより西に行くと獣人種の国ビーステイルがある。

 この世界には3つの種族の国があり、人種族ヒュームレルム国、獣人種ビーステイル国、魔人種デモニア。

 各国広大な土地があり特に領土に困らない、だから侵略したり戦争したりはしない。しかし国の端の方の町などでは小競り合いは起こるらしく、その辺は国としては黙認しているそうだ。


 あとは誰も見たこともないようだが、この世界の果てには天使のような種族の国があるそうだ。その国はどうやって行くのかも検討がつかないが、古くから伝わる物語などに書かれており、誰もが知っているが見たものは誰もいないという。さすがにそれは創作であるというのがもっぱらの結論だそうだ。


「身分証は…この先あった方が便利そうだから作っておくか…」


 定番の冒険者ギルドでは、身分書が作れるそうだ。冒険者ギルドは、各国に中立の立場であるらしく、どの国でも使えるそうだ。曰く冒険者とは、探求心の赴くままに、まさしく冒険するものであり、そこに国や人種の隔たりがあってはならない。 


 まだ見ぬ地を目指すもの、遺跡の調査に生態調査など、多岐にわたる活動が可能だとか。

 要は町を守り、そこに住む人々の生活を守るのは衛兵の仕事だ。そしてその町を住みやすく、また開拓していくのは冒険者の恩恵なのだそうだ。


 その町々に拠点を置く冒険者のために、何でも屋のようなクエストも発行されるそうだ。優秀な冒険者が自分たちの町に拠点を作ってくれれば生活が潤うため、冒険者は町にとって、わりと歓迎されている存在だそうだ。

 しかし、筆記テストと実力テストをクリアしないといけない。特に筆記テストは、識字率の低いこの世界では難しく、四則計算すら商人家系や貴族でしか習えない様なので敷居は高いといえるのだろう。


 とにかくその試験とやらは誰でも受けることは可能らしいので受けることにした。字は何となく読めるようなので問題なさそうだが、実力テストのほうが問題かもしれないな。

 

 衛兵さんに聞いていた、大きい煉瓦造りの建物に入る。ここが冒険者ギルドのようだ。

 中に入ると人種族だらけで、ほかの種族は特に見当たらなかったが(ちょっといろんな種族が見てみたかった)とくに絡まれることもなく受付までたどり着く。


 そこには、肩のあたりで切りそろえられている茶髪で、胸は控えめな20代くらいの女性が、このギルド職員の制服だろうか?全体的に白を基調にしたクラシックなメイド服のようなものを着ていた。


「いらっしゃいませ。今日はどういったご用件で?」

「冒険者登録したいのですけど」

「冒険者登録ですね~。…それでしたら筆記試験が3日後にあります。実力テストに関しましては、いつでも受注可能になっておりますが…どうなされますか?」

「実力テストはどんなことをするのでしょうか?」

「各町のギルドで違ってきますが、この町での実力テストはワイルドウルフの討伐になります。この町のはずれの森に出る、ワイルドウルフ5体の討伐になります」

「ワイルドウルフですか…では筆記テストまでに受けておきたいですね」

「かしこまりました。ワイルドウルフの特徴ですが…黒い毛皮に目は赤く、全長1~1.5mほどの四足歩行獣種になります。討伐の証として犬歯、もしくは毛皮をはいで持ってきていただければ結構です」

「期限とかはありますか?」

「とくにはありません。筆記試験は1週間に一回あるのでどちらを先に終わらせていただいても構いませんが、合否は両方終わってから3日後となっておりますので、お急ぎでしたら3日後の筆記試験に間に合わせるのがよろしいかと…」

「わかりました。では3日後の筆記試験は受けるので…手続きとかあります?」

「ではこちらにお名前と年齢を、あと得意な武器、魔法など査定に有利になるのでお書きください」


 名前…前の世界の名前は使いたくないのでシン(御門 慎二なのでシン)と名乗ることにする。年齢は死んだときのままっぽいから18歳くらいか?得意武器…両手剣?魔法とかあるんだよな~俺使えるのか?まあなしでも困らんか


 名前 シン

 年齢 18歳

 得意武器 剣

 魔法 特になし


 こんなもんか 


「ではこちらで登録しておきますね。登録料として銀貨20枚いただきます」


 金貨一枚を手渡す。銀貨80枚帰ってくる。具現化で作った皮袋におつりを放り込む。


「三日後この建物の2階で筆記試験が行われるので、こちらの木札をお持ちになって、日が真上の時間にお越しください」

「わかりました」


 さて…まずはワイルドウルフとかいうのを狩りに行かないといけないようだが…特徴を聞いたときピンときたんだが…。

 森でやったら襲ってきてた犬(仮)だよなぁ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=724269873&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ