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私の世界にようこそ  作者: てけと
第一幕『レギュラー』
25/189

駆け出し冒険者の町

 大きな町に向けてのんびりと、シャルとおしゃべりしながら歩いていると、途中で街道に出た。

 特に魔物と出会うこともなかった、割とこの辺は魔物はいないのかな?


「道に出たね~」

「みちー!」


 普通に…普通に…引きこもってた所為で、大人の人との会話は苦手かもしれない…シャルの事をあんまり笑えないなぁ…


 覚悟を決めて町に向かう。大きな門が見えてくる。


「実際見てみると大きいよなー」

「おおきー!」


 門の前に二人衛兵が立っていた。


「身分証はありますか?」

「ないですね~」

「ないー!」

「でしたら通行料として、お二人で銀貨1枚いただきますが?」

「はい、大丈夫です」


 金貨一枚を手渡す。


「では銀貨99枚返しときますね。皮袋はお持ちですか?」

「持ってないので…買えますか?」

「はい。では銅貨5枚ですので、銀貨98枚と銅貨95枚入れてお返ししますね」

「はい。ありがとうございます」

「ありがとー!」

「どういたしまして、ではどうぞお入りください」


 なんか拍子抜けしたな…ここは治安がいいのか?促されて大きい門の横にある小さい門をくぐる。


「わぁ~!」


 おぉ~まさに異世界だな…

 行きかう馬車に、レンガ造りの家の数々、荷物を抱えた人が行き交い、そこらじゅうでシートを引いた商人さんが商売をしている。


 シャルは目を輝かせて早く行こう!と促してくる。


 真眼の俯瞰目線で見てみると、この町は大きな丸の形に壁が作られていて、大通りが東西南北をつないでおり、そこを馬車が行き交う。中心の大通りはちょっとくぼんでおり、そこに通行路のような橋が所々架けられ、ちょっと北側に行くと川がある。川は北西から北北西の方向にあり、そこでは魚が売ってるようだ。


「そこの少年!」

「僕ですか?」

「そうそう!この町は初めて?」


 茶髪のちょっと赤がかかった色の髪で、くせ毛をクリンクリンと巻いてるショートカットの女の子、ふむ…胸はまあまああるのか…皮のプレートが邪魔で分からないな…身長は僕が170cmだから160cmくらいか…

 そんなどっちかというと可愛い感じの子が話しかけてくる。  


「そうですね。初めてです」

「案内役とかいらない?お安くしとくわよ!」

「おいくらですか?」


 正直真眼があるので、そこまで案内を必要とはしてないが…案内役というくらいだ、この町に精通した人なら案内してもらってもいいとおもう。


「銀貨一枚ででどう?」

「……高い気もしますね…」


 銀貨一枚とは元の世界で一万円だ、案内だけでこれだけ取られるならぼったくりだろう…


「ぐっ…銅貨50枚でどうかしら…」


 いきなり半分かよ…商売下手だなこの人…


「銅貨30枚なら、お願いしてもいいですよ?」

「わかったわよ…それでいいわ…」


 真眼で反対の門の案内役さんを見たら、銅貨20枚だったのだ、向こうはおじさんだったので、可愛い女の子という事で色はつけておこうじゃないか。


「私はミーシャ、一応冒険者でランクは銅よ」

「僕はツバサ、この子はシャルです」

「シャルだよ!」

「よろしくね!シャルちゃん、ツバサ!」

「案内よろしくお願いします」

「まずこの町の事を軽く説明するね」

「でしたら話しながらいい宿を紹介してくれるとありがたいです」


 そういいながら銅貨30枚渡す


「じゃあそこそこお安くて、ご飯がおいしいところにしておくね」

「よろしくおねがいします」

「よろしくー!」


 ここは、冒険者の初心者が集う町、ケインの町。でっかい冒険者ギルドがあって、駆け出しの冒険者がここでいろんなクエストをしながら、知識を蓄え、旅に出ていくそうだ。

 冒険者が多い町は発展する。冒険者は開拓や町の周りの厄介ごとを処理したりするからだ。

 衛兵は町を守るだけだから、発展には冒険者が欠かせない。冒険者すごいな~


「ミーシャさんも冒険者なんですよね、なんで案内役なんてやってるんですか?」


 ギクッ!という擬音が聞こえた気がする。


「さ…さぁ!ここの宿よ!部屋を借りるなら待っててあげるわよ!」

「では借りてきます」


 宿の受付にいくと恰幅のよい、40歳くらいのおばちゃんがいた。


「一泊一部屋銅貨80枚だ。夕食だけはつくけど、夕食以外がほしいなら食堂で注文しとくれ」

「シャル僕と一緒でもいい?」

「いいよ!」

「じゃあ一部屋10日借りたいんですが?」

「いいよ!じゃあ銀貨7枚に負けといてあげるよ」

「ありがとうございます」


 そして銀貨7枚払い


「これから町にでるので部屋のカギはまたあとでお願いします」

「はいよ!まいどあり~」


 宿をでてミーシャさんと合流する


「お待たせしました」

「全然待ってないわよ!で?どこに行きたい?」

「そうですねーまだお昼過ぎですし…どこかご飯を食べるところとか?」

「じゃあ私の行きつけに行きましょうか」

「いこー!」


 10分ほど歩いてこじんまりした食事屋につく。


「じゃあ食べ終わったころにまた来るわね!」


 そう言ってミーシャさんは踵を返すと。

 キュ~ゥとおなかが鳴る音が聞こえた。


「ミーシャさん…」

「へへ…」


「料金は持ちますから、おすすめの料理でも教えてください」


 僕はニッコリ笑いながら席に促す


「お言葉に甘えて…」 


 恥ずかしそうに席に座るミーシャさん


「おなかへったー!」

「そうだね~シャル」

「おじさんいつものやつ三人分!!」

「はいよー!」


 厨房の奥から返事が聞こえてくる。


「さっきも聞いたけど…ミーシャさんはなぜ案内役を?」

「うぅ…実は…冒険者に頑張ってなったんだけど…」


 つまり冒険者の実力テストを5人のパーティーでやって、筆記テストも通ったが、受かるや否やほかのパーティーメンバーは、ほかの町にすぐ出ていったそうだ


「一人じゃそんな難しいクエストはできないよ…みんなには、ここでもうちょっと経験積もうって言ったんだけど…」

「さっさと名声を上げたいから、駆け出しなんて御免ってわけか…」


 そういう人たちって割ともうお亡くなりに…推測で不吉なことを言うのはやめておこう。


「かといって何もしないと、今日のご飯もお預けなんだよ?」


 値切って申し訳ない気持ちになる。しかし正当な値段だと思ってるのでそれはそれである。


「ミーシャちゃん、ツバサといっしょだとだいじょうぶだよ?」

「シャル…余計なことを言わない…」

「さすがに一般人に融通聞いてもらうわけにもならないかな…一応冒険者って皆のあこがれの職業なんだから」


 そうしていつもの!と言ってた料理が置かれる。それをミーシャが持ってきてくれる。


 肉の薄切りを味付けして焼いたものとサラダ、パン、野菜の入ったスープだ


「おいしーー!!」


 シャルはお気に召したようだ。


 僕も食べてみたが…味付けが濃い…ちょっと口を付けて、パンとサラダ、スープを飲み干し、肉をミーシャとシャルにあげる

 小食でうす味が基本だった元の世界の僕にはちょっときつかった…主に胸やけが…


「ミーシャさんこの町のギルドの実力テストって何ですか?」

「ムシャ…んーっと…ムシャムシャゴックン…アシッドスライム10体だよ」

「スライムか…次の筆記テストはいつになります?」

「2日後だね。もしかして受けるつもり?」

「そうですね…身分証がほしいのもありますが…今後生計を立てるのに、冒険者がいいかと思いまして」

「簡単に言うね~計算とか文字は読めるの?」

「ええ。もとは商人の家系だったのですが、絶縁されまして…」


 はははは…と笑ってうそをごまかす。


「ツバサはムグッ!モグモグ」


 シャルの口に肉を入れてふさぐ、


「じゃあこの後は冒険者ギルドに行ってみる?」

「その前に武器屋と防具屋に寄りたいですね~」


 絡まれそうだし…


「んじゃあ武器屋、防具屋、冒険者ギルドで今日の案内は終わりかな」

「それで大丈夫です」

「はーい」


 食事の代金は3人分で銅貨18枚だった。高いのか安いのか…金銭感覚がまだよくわからない…


 武器屋で武器を見る。アシッドスライムかぁ~物理攻撃大丈夫なのか?真眼を起動して町の外を見る。

 お?やってるな…


 冒険者見習いなのだろうか、前衛3名,、後衛2名のパーティーが戦っていた。


「溶解液吐き出すぞ!気を付けろ!」

「側面からいけ!正面に回るな!」

「くたばれ~!」

 

 槍を突き立てるが効いてるようには見えない。


「離れて!魔法撃つぞ!」


「ファイヤー!」


 ゴウゥとアシッドスライムの周辺が火に包まれる。

 おぉー魔法だ!


「…やったか?」


 燃えているスライムから、何か液体のような物が飛んでくる。


「くっ!」


 盾を持ってた前衛が盾で受ける。ジュウゥ~と盾が若干溶ける。


「前衛総攻撃!」


「「うおおおおおぉぉ!!」」


 そして…前衛の物理攻撃で倒された。いけそうだな。


「ボーとして何してるの?」


 とミーシャが心配してくる。


「あぁ…すいません…」


 んーやっぱり剣だよなーアシッドスライムは金属を錆びさせるみたいだし、何本か買っていこう。


「んじゃあこのロングソードを二本とナイフを一本あとは…シャルは何かいるか?」

「んー?ぶきはとくにいならいよー?」

「そっかじゃあそれで」

「攻撃用の魔法陣とかもお安くしとくぜ?」

「ん~…いや、今回はやめておきます」

「はいよ…全部で銀貨2枚だ」


 銀貨2枚渡して剣とナイフを受け取る。とりあえず肩にかけ…


「次は防具屋だったね?」

「はい。おねがいします」


 防具は…僕は別にいいのはいらないが…シャルはちゃんとしたものを付けてあげたい。体力あんまり多くないし…

 

 防具屋では、僕は皮の装備一式。シャルはチェーンメイル?鎖帷子みたいなやつで素材は鉄鋼のいいやつだ、あとは白いローブ、このローブは魔法に対して防御力が高い、魔物の毛で編んでるそうだ。

 お値段は僕の皮一式が銀貨1枚 シャルの装備が金貨1枚だった。


「ツバサ!ありがとー!」

「どういたしまして」

「何で金貨一枚ポんッと出せるの?」


(マジで養ってもらったほうがいいんじゃない?)

 

 という声は聞こえないことにした。


 そして問題の冒険者ギルドに入る…ハァ…


「おいおい!子連れかよ!ここはいつ孤児院になったんだ?」


 ギャハハハと笑う冒険者たち。


 無視して受付に向かう。


「おい~?むしかよ!!あぁ?」

「やめなよ!誰でも冒険者になれる資格はあるはずよ!」


 ミーシャが止めてくれる。が…


「それはそうだが…冒険者の質が落ちるのが我慢なんねえんだよ!それに銅如きが鉄の俺には向かうのか?あぁ?」


 あぁ~いるよね、ネトゲでも初心者ルームに中堅者がいて威張りまくってるやつ…

 ああいうのは上級者から見ると、どんぐりの背比べなんだよな…


 どうするか… 


 1 瞬殺で無力化する

 2 お金で解決

 3 丁寧に接して何とか引いてもらう


 んー1は恨みを買って数人に囲まれるルート、2は良さそうだが今後金づるにされる、3は時間の無駄か…なら恥ずかしいけど…人に頼ってしまおう…

 スゥッっと息を吸い込み腹に空気を送る


「こ こ は 駆 け 出 し の 冒 険 者 ギ ル ド で す よ ね ~ 僕 は 受 験 資 格 が な い ん で す か ね ー !!!!!」


 大声で叫ぶとギルド職員さんが走ってくる。


「何事だ!」

「いえ、こちらの方々が僕に冒険者になる資格がないとおっしゃるので…公平に平等というのは嘘なのかと思いまして?」

「いえ、もちろん誰にでもあります。こちらへどうぞ」

「くそっ!」

「お前らにはあとで話がある。逃げるなよ」


 必殺おまわりさーんたすけてーである。だてにトラブルに巻き込まれてないさ…

 これで懲りてくれるといいが…


「実力テストの方のクエストを受けたいんです」

「アシッドスライム10体ですが…」

「はい、おねがいします」

「わかりました。2日後の筆記試験は申し込まれますか?」

「はい、では二人分お願いします」

「二人分ですと銀貨20枚となります」


 銀貨20枚手渡すと木札2枚をもらう


「2日後の日が真上にくるころに受付より後ろにあります部屋に来るようお願いします」

「わかりました」


 そうして冒険者ギルドをでて…


「じゃあ宿まで送っていくね」

「ありがとうございます」


 シャルと手をつなぎ宿までの帰り道を歩く。


「ツバサはアシッドスライム討伐を二人で行くの?」

「そのつもりですが?」

「普通は盾役、後方支援、前衛攻撃役、回復と最低でも4人は要るんだけど…」

「僕がまあ割と強いので…シャルは回復役ですね」

「けがはまかせてー!」

「頼りにしてるよ」とシャルの頭を撫でる

「ここに一人暇してる前衛攻撃職がいるよ?」

「え?ミーシャさんが前衛?」

「なに?おかしい?」


 いや…この人のステータス…


 ミーシャ

 半魔人種族♀

  19歳

 体力 120/120


 筋力 40/40

 

 魔力 800/800


スキル 未開放≪雷魔法強化≫


 なんだけど…

お読みいただきありがとうございます。

シンの立ち寄った町はいろいろ異端だったのであまり気にしないでください。

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