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私の世界にようこそ  作者: てけと
最強ちゃんのパワーレベリング
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買い物

何回も書き直してたら、わけわかんなくなって時間かかりました。

三話一気に投稿し、一段落致します。

 ラクと共に手をつないで歩く。私にとってはこれだけで十分幸せなひと時である。

 

 身売りした身とは言え、奴隷商での扱いに心壊れそうなとき、自分も同じ扱いを受けているだろうラクは、なぜか隣にいる私を気遣っていた。

 最初は疎ましく思っていた。心が荒んで、暴言を吐いたりもした。しかしそんな私を彼女は抱きしめ、こう文字を綴った。


「お姉ちゃんは私なんかよりいいところに売られるから、頑張って。きっと悪い事ばかりではないから」


 そして私に微笑みかけるラク。あぁ・・・この子は聖女なのだろう。その優しすぎる心の代償に、神様が声を奪ったのだろう。

 この子が喋れたなら、きっと幸せな人生を送れたに違いない。それなのに・・・声が出ないというだけでこんなところにいる。


 なんとも理不尽な事だろうか・・・。ならばせめて私だけは、この子の幸せのために・・・。



 私の人生とは、ラクに幸せに生きてもらうためものである。その為であれば、自分の命なんて安いものである。


 ウキウキと町を歩く。ミナとジーナも共に。


 

 因みに町を歩き始めたのが朝で、今はもう昼すぎだ。所々でミナが寄り道し、町を一周して、またもう一度回っているところだ。


「ミ~ナ~いつまで歩くんっすか・・・道具買って宿に帰るっすよ~」


 ジーナは疲れた様子でとぼとぼと歩いている。


「ラク?疲れたら行ってくださいね。抱っこしますので」


 私がラクにそう言うと、首を横に振り、手の甲に(大丈夫、いろいろ見るの楽しい)と書く。


「これから私たちの商売道具になるのです。出来るだけいいものをそろえたいのですが・・・この町では限界はありますね」

「首都に行くまでお預けっすか?」

「ここで揃えられる最高品質の物を手に入れます。首都は物価が高いですから・・・後々更新しましょう」

「おぉー・・・やっと終わりが見えてきたっす・・・」

「何を言ってるんですか。明日に町を出るとマスターは仰っていたので、その準備もあります」

「ひぇぇ・・・先に馬車買わないっすか?」

「これから鍛冶師として仕事するのに、体力がないのは問題ですよ」


 がっくり肩を落とすジーナ。お昼に食事をとるとき以外ずっと歩いている。疲れるのは当たり前ですが、今後の事を考えるとワクワクして疲れを感じないですね。


 ラクと共に仕事ができる。私は錬金術師で、ラクは服飾師。そんなの絶対楽しいですよね!


「馬車、当面の食料に水、加工用武器に薬草などの各種素材。それに服飾用の糸と布、あと首都に行くのですし、ついでに交易品も・・・」


 ミナが顎に手を当てぶつぶつと呟いている。

 しかしどこかみんな楽しそうだ。昨日の朝にはこんなことになるなんて思っていなかっただろう。


 来た道を引き返し、屋台が並んでいる市場を通り過ぎる。


「ん・・・?ミナ!自分鍛冶道具の槌はこれにするっす!」

 

 屋台にの前に並んでいた槌を手に取るジーナ。

 油のような汚れがひどく、少し黒ずんだハンマーだった。


「へ?この辺は私も一通り見ましたけど、いい物なんかなかったはず・・・汚れているし、中古品。そんなのでいいんですか?」

「これが良いっす!おっちゃん!これいくら?」

「銀貨50枚だ」


 確か買う予定のハンマーの値段は金貨5枚。十分の一の値段。ジーナには何かミナとは違うものが見えているのでしょうか・・・。


「汚れがひどいですし、かなり消耗していますね。本来なら銀貨5枚でも高いでしょう」

「馬鹿言え嬢ちゃん。これは有名な鍛冶師が使っていた槌だ。付加価値がついてんだよ」

「その有名な鍛冶師が捨てた槌を拾って売ってるんですね?付加価値を付けても銀貨20枚ほどですかね」

「・・・嬢ちゃん商人か?」

「ええ。どうでしょうか?銀貨20枚で」

「自由市じゃなかったらなぁ・・・しかたねえ、銀貨20枚でいいだろう。大事に使ってやってくれよ」


 ミナは銀貨50枚を店員に渡し、槌はジーナのイベントリに入る。


「ん?多すぎるぞ?」

「値段交渉の勉強代です。有名鍛冶師の弟子さんとのツテができるのもいい事でしょうし」

「そうか・・・なんで俺が鍛冶師だと?」

「手を見ればわかります。職を得るために修行中なのでしょう。修行のための素材を買う資金が欲しかったと見ます」

「ふはは!まあ正解だ。俺が一人前になったらサービスするよ」


 屋台の男性と別れ、ミナがジーナに聞く。


「で?なんでそれが良かったんですかジーナ」

「ん?これめっちゃいい槌っすよ。マスターの武器みたいな感じっす!強化できる幅がめっちゃ高いっす!」

「なるほど・・・そういうのは私のスキルでは見えませんね・・・」


 その後ミナの指示で私たちも【解析(アナライズ)】のスキルを使い、道具を吟味する。

 私は特によさそうなのはなかった。ラクは小指と中指以外穴の開いているグローブを買ってもらっていた。 


 その後は予定通り、ミナが目を付けていた店に立ち寄る。鍛冶道具一式、裁縫道具一式、錬金道具一式を各々イベントリに入れる。


「後は、場所ですよねえ・・・首都にギルドハウスを構えるとは仰っていましたが・・・」

「鍛冶場に錬金、裁縫っすか・・・結構大きいところじゃないとだめっすねー」

「そうね・・・錬金する場所はそんなに大きくなくてもいいのですが・・・なんならラクの裁縫場のと一緒でもいいですし・・・ね?ラク」


 後ろを付いて来ていたラクに意見を求めるため振り返ると・・・。


「あれ?ラク?」


 後ろを付いて来ていたはずの姿が、そこにはいなかった。


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