白竜セフィーは変わりたい
セフィー回です。少し長くなってしまいました。
私は魔物だ。どう外見を取り繕っても、その本質はドラゴンだ。
なのに私はこうやって…人に紛れて生活をしている。それが実に充実していて…楽しくて…嬉しくて…。
ふとたまに怖くなるのだ。私の正体を、この人達が知ってしまったら…すべてが壊れてしまうのではないかと…
「どうしたんだいセフィーちゃん?暗い顔をして…」
このお店を営む店主のおばあさんが、とても心配そうに私の顔を覗き込む。
「んーん!何でもないよ。何の話だっけ?」
「悩み事があったら言うんだよ?何でも聞くし、何かできることがあったら協力するからね?…私も歳だろ?そろそろ店を閉めようかと思ってね…」
「そんな!?まだ70歳だよね!」
「ははは…もう70歳さ。ホント長生きしてるよ」
そうか…人間は100年も経たずに死んじゃうんだ…私たちドラゴンは2000年ほどは生きる。あまりにも生き物として違いすぎるのだ…
「それでね?セフィーちゃんのツテで、私の後任を探せないかな?私は死ぬまで店を開けていたいんだけどね。ここに来る子たちの為にもね…それももう出来なさそうだからさ。後任がいれば安心して私は引退できるってもんなんだけどねぇ」
「…いろいろ聞いてみるよ」
「出来ればでいいからね?こんな場末の食堂なんて、大変だし、お金にもならないし、誰もやりたがらないからね」
寂しそうに笑う店主さん。私はこの店と、この店に通う常連さんが好きだ。だから…何とかしたいと思う。
ひとまずアリサにでも聞いてみようかなぁ…
「ん~…セフィーの力にはなってあげたいんだけど…この家の家事があるから…私は無理ね…」
わかってはいたけど…やっぱりだめか…
「ナギは…最近子供が生まれたもんね…ほかに料理できる人か…」
「ミカヅキ卿ならいい人を知ってるかも?あの人もいろいろ人脈はあるだろうしね」とアリサがツバサを勧める。
「ツバサさん…か」
あの店主さん達と私を繋げてくれた人だ。後々ミーシャがあの店の常連さんなのを知って、いろいろ教えてもらった。
そういえば、彼とは一度も話したことがなかった。いい機会だ、お礼もしたいし、ミーシャにお願いして連れて行ってもらおう。
「ツバサ~。セフィーがツバサと話したいってさ。はいってもいい?」
ドアをノックしながら、ミーシャがドア越しに話しかける。
「はいはい~。やあセフィーいらっしゃい」
そう笑顔でドアを開けるツバサ。とても強い力を感じる。私が力を感じ、飛んでいこうとしていた場所はやっぱりここだったのだ。
相対するとよくわかる。まさに化け物だ。私と同じようで…しかし彼の本質は人なのだ。そこが羨ましい…。
「こんにちわ。ツバサ…さん」
「ツバサでいいよ。セフィーの方が大分年上だしね」
「…女の子に歳の話はタブーだってマオが言ってた」
「ごめんごめん…まあ中で話そうよ。ミーシャ、連れてきてくれてありがとう」
「どういたしまして。わたしはミヤを寝かしてくるわね」
そう言うとミーシャはその場から去って行ってしまった。
「んで…今日はどうしたの?僕の力を使って人に変わりたいとか?」
「っ!?!?」
え…?そんなことできるの!?出来るならすぐに…いや……もしそうなれるとしても、マオに許可を得ないと…マオは私の背中に乗って、空を飛ぶのが好きだから…
「それは…出来るなら…でも保留と言う感じで?」
「そっか…一応管理者に聞いてるんだよね。セフィーの話。聞きたい?」
「………別にいいかな?私はドラゴンに生まれたからマオと会えたんだし…その点は良かったと思ってるから…」
マオと…そしてその周りにいる人たちに出会えたこと。それは私がドラゴンだったからだ。それだけは…私がドラゴンで良かったと思えることだ。もし人だったら…会えなかったかもしれないから…。
「それは違うと思うけどなぁ~」
「違う?私はドラゴンだからこそ、マオの元に飛んでこれたんだけど…」
「それは物理的なものだよね。セフィーが自分の意志で、今の状況を変えたいと思ったからこそ、君はマオの元にたどり着いたんだよ。惰性…つまりいつもと違う事をするって言うのはね、とてもエネルギーがいる事なんだよ。それがなかなか難しい。だから…ドラゴンだからマオに出会ったんじゃないよ。セフィーだからこそ出会ったんだよ。もし君が人として生まれてても、その心があるなら…必ずマオと出会えてたさ」
そんなこと……でも…なぜか私は、そう言われてとても安心した気がした。心のどこかでつっかえてたものが…消えた気がしたのだ。
「そっか…私は…ドラゴン…魔物じゃなくていいのかな…」
「そうだよ。だから…マオと相談してみなよ」
「うん。そうしてみる…」
帰ったらマオと相談してみよう…
私は…ドラゴンなんかじゃなくて…人になりたい!!みんなとおんなじ人に!
「それはそうと…セフィーは僕に何か用事があったんだっけ?」
「そうだった!!ツバサはあの食堂は知ってるよね?」
「ん?ミーシャの行きつけ?」
「そうそう!あそこの店主さんがね…もうお店閉めちゃうって言うんだ…」
「店主さんも歳だしね…息子さんとか後を継ぐ人は?」
「いないんだって…もし見つかったら…お店は無くならないと思うの…だから」
「それで僕にツテはないかってことか…う~ん」
「ツバサならと思って…」
「助けてあげたいんだけど…今のところは思いつかないなぁ…ごめんね」
「そっか…ううん。もしいたら教えてね」
「いろんな人に声はかけてみるよ」
「ありがとうツバサ…」
その後軽く雑談をしてからツバサの屋敷を出た。やっぱりツバサはいい人だ。一緒にいて暖かくなるような…そんな人だ。
「ん?人になりたいって?もちろんいいよ?」
キョトンとしたマオが、間も置かずにそう答える。
「でも…もう私はドラゴンになれないよ?私に乗って空も飛べないよ?」
「うん。それは寂しいけどさ…でもこれ見てよ!オートバイク試作品第12号!!理論上セフィーよりも速く走れるバイクだよ!これで私の欲は満たされるからさ!」
そんなおもちゃで?馬鹿にしてるのかな?いや…私が気にせずに人になれる様に、気を使ってくれるのだろう…
「マオの研究はよくわからないけど…そんなおもちゃで私に勝てるわけないよね?私の為にそう言ってくれるのはありがたいけど…」
「「は??」」
ギュルッとフーコが振り向き、マオと一緒に睨んでくる。
「私たちの…汗と努力の結晶をおもちゃ…?」
「フーコちゃん」
「そうだね…マオちゃん…」
「「この泣き虫ドラゴンを黙らせよう」」
「ふぇ?」
マオは空間に穴を二つあけると、片方に手を入れると…ズルリとマオの夫と獣人のココが出てくる。
「マオ。今日は私の日ですよ?」
「ちょっとだけ手伝ってよ。すぐ終わるからさ」
「そんな怖い顔してどうしたんだよ…」
もう片方にマオが手を入れ、首根っこを掴まれたツバサが出てくる。
「最近僕の扱いがひどい気がするんですけど…」
「休日出勤だよツバサさん。少しだけ手伝って」
「マオ?笑顔が怖いけど…何があったの?」
マオは二つの穴を閉じると、新たにもう一つ穴を作り…
「行くよ。勝負だよセフィー?」
そうして穴に入っていくマオとフーコ。それに続いて私も入ると…大きな闘技場のような場所に出る。
「お兄さん。この設計どうりに具現化できる?」と大きな紙を渡すマオ。
「ん~…ふむふむ…これは…いいぞ。数分だけ時間をくれ」
「ツバサさんは向こう100キロほど先に行ってて、審判は頼んだよ?」
「100キロって…はぁ…わかったよ社長さん」
そう言ってツバサは向こうに走って行った。
「セフィーはさっさとドラゴン形態になって。圧縮の魔法を解くからさ」
「うん…本気で私に勝つ気なんだねマオ」
「その為に、私はこの研究をしてるし…きっかけはセフィーだからね。最後に勝たせてもらうよ」
彼女の目は本気だ。ならば私は…?
私もマオも準備を終え、スタートラインに立つ。
マオは真っ黒な乗り物に乗り、体のラインが見える黒い服を着て、目にはゴーグル、長い髪は後ろで束ねている。
ドッドッドッドッと重い音を奏で、時折ブルルルゥと音を出す乗り物。あんな小さな乗り物で、どうやってこの大きな私に勝つというのか…
「んじゃあスタートするぞ~コースはまっすぐ約100キロ。障害物もない。己の出せるスピードを全てだして勝て。以上だ」
そう言うと片手をあげ…やる気なさそうに振り下ろし…
「スタート~」
ブォン!と音を立て発進するマオ。私は空を飛ぶための助走をする。
フオォォォォン!と甲高い音を立てて走っていくマオ。速い!?
慌てて空を飛び、マオに追いつく。確かに速いけど、私の本気にはまだまだ遠い。
ならばせめて最後に…彼女に花を持たせるべきだろうか…?
チラッとマオの方を見ると、何か私に向かってしゃべっている。風の音で声は聞き取れないけど…
な め な い で よ せ ふぃ こ こ か ら が ほ ん ば ん
そう口が動いているようにみえ…マオはニヤリと笑い…
キィィィンと甲高い音を立てたかと思うと…ボッと空気を裂く音と共に、一気に加速する。
乗り物の後方についている筒から、青色の炎が噴出している。
マオの乗っていた乗り物も変形し、先端がまるで槍のように鋭くなる。
(あれは私の!?マズイ!!)
一瞬で距離を開けられ、私もすぐに体内のエネルギーを翼から放出。一気に加速する。しかし…
(くっ!このままじゃ追いつかない…ならば!)
多分これが、私にとって最後の飛行だろう。だったら…全てを注いでやろう。ドラゴンの中でも一番速度の速い私の力を…見せてあげるよマオ!!
ツバサをたたみ、まるで一本の剣と成り、体内に溜めていた力を全て、一瞬で放出する。
すさまじい衝撃に耐え、速すぎて目には真っ白な世界が広がる。マオだけがはっきりと視界に映る。
楽しそうに笑っている彼女と、こんな状況を楽しんでしまっている私。まるで永遠に感じたその時間は、実際は、ほぼ一瞬だったのだろう。
ゴールラインをほぼ同時に通過する。ツバサが大きな旗を振ってゴールを知らせている。
「よく考えたら!!これ!!止まるのにめっちゃ距離いるよねーー!!!!」
マオが叫びながら減速しているが…その先は…
「ってジャンプ台!?!?うわああぁぁぁぁ!!!」
「グガァ(マオ)!?!?」
空に吸い込まれるように飛んでいくマオ。それを受け止めるために、私はマオに向かって飛ぶ。
バイクはいつの間にか消えており、マオは無事、私の背中に着地する。
「ありがとうセフィー!さて…どっちが勝ったか聞きに行かないとね」
ホントこのご主人は…度胸があるというか…ただの馬鹿なのか…。
「あと…確かに私は、ドラゴンというものに惹かれたわけだけどさ。でも話してみて、触れてみて、私はドラゴンではなく、セフィーに惚れたんだよ。ドラゴンじゃなくなったって、セフィーは私の大好きな家族だよ。私は自分の好きなように生きるけど…そのせいで、誰かが束縛されることはいけないと思うんだ。だからさ…セフィーは自分の生きたいように、好きなように生きなよ。私の許可なんていらないよ?」
そう言ってくれるマオ。私だってマオの事が大好きだからこそ、少しくらい束縛されてもいいとは思っているんだけど…。
「しっかし…あの速度で走るのは集中力がすごいいるよ…あ~疲れた…」
そしてマオを背中に乗せて、元のサーキットに帰る…地面に着くと同時に…私は力を使いすぎたために意識を失い………
「んっ?」
私は自室で目が覚める。窓から日差しが差し込んでいる。頭が少しくらくらするが、お腹が空いたので立ち上がり、リビングへ向かう。
「セフィー!目が覚めたんだね~間に合ってよかったよ」
マオが私に抱き着く。間に合う?何の事だろう。
「今日からみんなで旅行に行くんだ!セフィーあれから4日ほど寝てたんだよ?まあシャルの診断で無事なのは知ってたけど…それでも心配したんだからね」
「旅行?4日も寝てたんだ…そっか…」
体に力が入らない。体内のエネルギーが足りないのだ。元々燃費の悪い体だ。また力を蓄えるのに、100年ほどはかかるだろう。しかし…それはもうどうでもいい。
「お兄さんとかツバサさんとか、大人数で行くからね~。これはセフィーの服ね。ご飯食べたら着替えてね!」
ツバサも来るんだ…ならちょうどいい。旅行中に何とか機会を見つけて…彼にお願いをしよう…
人にしてくださいと…。
しかし…ツバサの傍には常に彼の嫁か子供がいる。そんな中に部外者の私がづかづか入るわけにも…
「セフィーどうしたの?」
旅館を俯いて歩いている私に、後ろから声をかけてくるミーシャ。その胸には赤ちゃんが抱かれている。確かミヤちゃんだ。
「ミーシャ…実はね…」
私はミーシャに事情を話した。すると彼女は微笑んで…
「わかったわ。明日は町を散策するみたいだし…その時に時間を作るわ。いっそセフィーもツバサのお嫁さんにでもなっちゃえばいいのに…」
「それは…」
ツバサとつがいに?今はまだ恋だの愛だのがよくわからない…ただの生殖活動じゃないの?程度だ…
「ふふふ…頑張ってね?セフィー」
ぼーっと考える私を後に、去っていくミーシャ。ひとまず約束は取りつけられた。
後は準備するだけだ。気合を入れ、私は自分の部屋に戻ることにした。
「マオ…助けてぇ…」
「どうしたのセフィー!?そんな死んだ目をして…」
「明日ツバサと二人で会うんだけど…着ていく服が…可愛い服がありすぎて選べないよ…」
「あ~…なるほどね。可愛いなぁセフィーは…ツバサさんはどっちかというと、綺麗な女の子が好きだから…よし!私に任せなさい!」
その後、マオの着せ替え人形のようになりつつも、私は当日着ていく服を決めた。
「やあセフィー。今日はよろしくね」
「こちらこそ…」
待ち合わせ場所に行くと、ツバサが先に待っててくれた。ミーシャの話では、お昼までツバサを独占させてくれるらしい。なんか悪い気もするけど…。
「今日は一段と綺麗だねセフィー。服もとってもよく似合ってるよ」
「ありがとう…その…マオが選んでくれたんだ」
「マオもいいセンスしてるよねー。まあ素材がいいからなのかもしれないけどね」
「うぅ…恥ずかしいからやめて」
「ははは…んじゃあ行こうか」
そう言うとツバサハ歩き出す。私はそれに付いて行く。どこに行くんだろう?
少しするとツバサは足を止め…
「この家は…まさか…」
少し驚いた表情になり、躊躇いながらも横の建物に入っていく。私も続いて入る。入り口を入ったところで靴を脱ぎ、階段を上がっていくツバサに付いて行く。
「やっぱり…この家は僕の…実家と全く同じだ…そしてこの部屋は…僕が数年引きこもってた…」
その部屋は、いろんなものが散乱していて、ごちゃごちゃとしている。
「うおっ!?このゲーム新作でたんだ!めっちゃやりて~!このハードは動くのか!?」
「あの…ツバサ?」
「しかし一人でやるのもなぁ~ネットとかつながらないのか?」
「ツバサ!!」
「はっ!?…ごめんセフィー。ついつい我を忘れちゃってさ…。それじゃあここで始めようか」
「おねがいします…」
私はベットに腰かけ、その後ろにツバサが座る。ツバサは私の頭に手をやり…
「セフィーはもともとの力が大きいから、少し多めに付与しないといけないから…頑張って耐えてね」
「人になれるなら…どんな苦痛でも耐えてみせるよ!」
「…苦痛じゃないんだけどね…むしろ逆らしいけど…」
頭に置かれている手から少しづつ何かが流れてくる。少し暖かいような何かが…そしてそれが私の中を駆け巡り…。
「お風呂に入ってるみたいで気持ちいい…」
「ん。少しペースを上げていくね」
流れてくる力が急に大きくなり、熱い何かが私の中を暴れまわる。体が熱くなっていき………。
「んっ!?これはっ…あっん…ツバしゃ…だめ…あばれしゅぎりゅ…あぁぁぁぁっ!!!」
「もうちょっとだから我慢してね~」
むりむりむりむり!!壊れる…何かが…あ‥…。
「こんなもんかな…ん?管理者曰く、獣人の一種になるって聞いてたけど…龍人族?ってセフィー!?」
「ツバサ…体が火照っちゃって…もうだめ…」
あふれる力に身を任せ、ツバサをベットに押し倒す。もう止まれそうになかった。
「まずい!?今はセフィーの方が僕より上に…くっ!」
「あんっ…んっ…あぁぁぁぁぁ‥」
力だ吸い取られる感覚…次第に熱くなりすぎた体が少しづつ冷めていき…。
「ふぅ…あんまり力を吸い過ぎてもあれだから…こんなものかな…?」
「んっ…ツバサ…もう大丈夫だから…その…胸を揉むのはやめてくれないかな…また火照っちゃう…」
「あぁ!?ごめん!!ついつい…」
ツバサの上から退き、ベットの上に座りなおす。ツバサも私の横に腰かける。
「私は人になれたのかな…?」
「うん。セフィーは龍人族の女の子になったみたいだね。そこに鏡があるから自分の姿を見てごらん」
そう促され、私は鏡の前に立つ。
そこには紺色のワンピースを着た、白い髪の少女が立っていた。そしてその額から側頭部にかけて、真っ白な純白の角が伸びていた。
「これが…私?」
「うん。セフィーみたいに純粋でとても綺麗な角だね」
「みんな怖がらないかな?」
「セフィーがドラゴンだって知ってても、彼らはきっと変わらなかったさ」
「そうだといいなぁ~」
「僕が保証するよ」
私はツバサの方へ振り向き…意を決して彼に……。
「ツバサ…私もツバサの…傍にいちゃダメかな?」
「それは…つまり僕のお嫁さんになってくれるって言う事?」
「うん…なぜかツバサと一緒にいると…とても安心するんだ。人になってから、そう言う感情がとても大きくなってきちゃって…ごめんね?突然で…ツバサはもういっぱいお嫁さんがいるから…ダメならそれでいいんだ…」
いきなり芽生えたこの感情を、どう表せばいいのか…私は抑えきれずに、ツバサにお願いをしてしまった。人にしてもらって…さらにつがいになりたいだなんて…図々しいよね…。
「いいよセフィー。今更嫁が増えたところで…何の問題もないね。だからそんな泣きそうな顔は止めてさ…おいで?」
「…ありがとうツバサ…」
ツバサの胸に飛び込み、少しの間抱き合う。彼のぬくもりがとても心地よくって…。
「セフィー。左手だして?」
「うん…?」
彼はポケットから箱を取り出し…その中に入っていた指輪を掴む。
「え?それは…」
「婚約指輪かな?いずれ結婚式も上げようとは思ってるんだけどさ…」
「いや…なんで持ってるの?常に持ち歩いてるの?」
「いやいやまさか…ミーシャが持って行けってね?たぶんそうなるだろうからってね」
ミーシャは知ってたのか…私自身もこうなるとはわからなかったのに…。
「セフィー。僕は君を絶対に幸せにして見せるから…だからまだまだ頼りない僕を…今後ずっと支えてね」
「こちらこそ…こんな私で良ければ…ずっと傍にいさせてください…」
こうして私は…長き時を生きた龍から…短き時を生きる人へと、生まれ変わったのだった。
いつもお読みいただき有難うございます。
ツバサは人とゆう概念を能力と一緒に注ぐことで人に変えてしまいます。ゾンビっ子やスライムっ子など色々出来そうですね~
そんなことをする予定はありませんが…




