池という名の海/海の家と大食い大会/夕焼けのビーチバレー
投稿頻度が下がってしまってすいません…
しかし…本編が終わっても物語が進むってどうなのでしょうかね?
~~池という名の海~~
「「「海だー!!!!!!」」」
私とシツルちゃんとシャルでそう叫び、水着で走り出す。
白い砂浜に、潮風が頬を撫で、波の音が耳に心地よく聞こえる。やはり海は、なぜかテンションが上がるよね!
砂浜を駆け抜け、一番乗りで海に入ろうとすると…
ピピーッ!と笛の音が響く。
「そこ。ちゃんと準備運動してから入るように」
「…は~い」
らいふせーばーと書かれたゼッケンを着た、水着姿のお兄さんに怒られた。変なところはとことんまじめだよね。
「誰が変なところがまじめだ。海は危険なんだぞ?一瞬で人が死ぬからな」
「当たり前のように人の心を読まないで…」
準備運動を終え、また海に走り出す。
「まおー!しょっぱいよこのお水!」
「それが海なんだよシツルちゃん。あまり飲んじゃだめだよ~病気になるからね?」
「ここに池があるのは知ってたけど…まさか泳ぐことになるなんてね~」
ぷかぷかと浮かびながら、シャルがそう言う。
「池…?でも確かに…天空に浮かぶ島に、海があるって言うのもおかしいよね?」
ここら辺一帯は、まるで私たちのいた元の世界だ。多分お兄さんと…管理者さんが作ったのだろう。
何がしたいのかはわからないけど…まあいっか!せっかくだし楽しんじゃおう!
そうして私は海の家で、海で遊べる道具を借り、久々の海水浴を楽しむのだった。
~~海の家と大食い大会~~
「さあ始まりました!第一回大食い選手権!予選を勝ち抜いた5名の食闘士の紹介です!」
天人族のアナウンスが始まる。お昼時の海の家には、旅行者全員が集まっていた。
「まずはこの方!獣人族狼族サーニャー!」
「お腹空いた…まだ?」
「続きまして~!これまた獣人族蝙蝠族リリア―!」
「うふふ…シンの手料理なら…いくらでも食べられるわ…よ?」
「次はこの方!執事服の下は鍛えられた肉体!どれだけ食べられるのか~!カイン!」
「まだまだ若造には負けませんよ?」
「忘れてはいけませんこの方!身体能力なら最強のツバサ!!」
「あの…僕は予選すら出てないんだけど…?」
「さぁラストはこの方だ!魔人族の隠れた食欲魔神!ルイ!」
「そんなことはないのですが…おいしい料理をいっぱい食べられるなら仕方ないですね」
長い机にそろって座る5人。闘志をむき出しにし、やる気満々の様子で目を輝かせる。
ただ一人を除いて……
「俺は大食いとかはあんまり好きじゃないんだが…ちゃんと美味しく食べろよ?無理しない様に」
「「「「はい!」」」」
「え?あ‥はい…」とツバサだけ何故かそわそわしている。
「なるべくさっぱり食べられるように作った海鮮焼きそばだ。腹いっぱい食べろよ」
「それでは!試合開始でーす!!!!」
「「「「いただきまーす!」」」」
「さっき食べたばっかりなんだけど…まあおいしそうなので頂きます…」
サーニャとカインはガツガツと口に焼きそばを放り込み。リリアとルイは静かに黙々と食べ続ける。そして…
「さっきのソース焼きそばもおいしかったけど、これもおいしいですね~ご馳走様でした」
「あ~~っと!ツバサ、たったの一人前で、まさかのリタイヤだ」
「え~!!パパもうおわり~?」
「いや…そもそも僕は少食だし…ここにいることがおかしいからね?」
ツバサ席を立ち、観客席に戻っていった。
ほかの4人はそんなことには目もくれず食べ続ける。
そして…
「くっ…無念…ご馳走様でした……」とカインはそのまま机に突っ伏す。
「カイン選手!8人前でリタイヤだー!情けないぞ男性陣!」
「私も…この辺でご馳走様ね…デザートも残ってるし…ね?」とシンの方をチラッと見るリリア。
「リリア選手もリタイヤだー!!残るは二人!まだ黙々と食べている~!」
箸でずるずると焼きそばを食べるサーニャと、フォークでパスタのように食べるルイ。
ただひたすら無言で…。
「12皿…13皿…まだ行くのか~?14皿目に取り掛かるのか~!?」
「「おかわり!」」
14…15…16皿目と、無表情で食べ続ける二人。
20皿目に到達したころにとうとう…
「もぐ…も‥ぐ…」とサーニャの動きが鈍くなっていき…
コテンッと机に顔を伏せる。
「あーっとサーニャ選手!リタイヤでしょうか?医療班!!」
「「「はーい!」」」
後ろに控えていた天人族がサーニャの様子を確かめに行く。そして…
「医療班の腕が交差されましたー!サーニャ選手リタイヤです!そして大丈夫なのでしょうかー!?……んーなになに?寝てるだけ?どうやら寝落ちでのリタイヤのようです!!」
「子供かっ!?」ツバサのツッコミが響き渡る。
天人族に運ばれていくサーニャ…とても幸せそうな顔で…
「優勝はなんとっ!魔人族のルイ…」
「おかわりです」
「ふぇ!?」
「ルイ…その辺で止めとけ…ドクターストップだ」
「…あなたがそう言うのなら仕方ないですね…ご馳走様でした。とても美味しかったです」
「そいつは重畳だ」
「……はっ!?優勝は魔人族ルイ!皆様盛大な拍手をー!!」
ワアアアアアと歓声が上がる。
「優勝者には…ティアに一つだけ、願いをかなえてもらえる権利が授与されまーす!有効活用してくださいねー!」
「なんでもじゃないからね~私の思う可能な範囲でね?」
「……では…」
ティアの耳元に囁くルイ。そしてティアは……
「ふふふ…いいよ~うまくいくかはわからないけどね?」
「……まあ出来ればでいいので…」とルイは俯く。
そうして海の家での少し騒がしい昼食の時間は終わったのだった。
~~夕焼けのビーチバレー~~
はじめは軽い気持ちだった。
「ちょっと腹ごなしに運動でもしませんか?」
そうルイに誘われた。ボールをトスしたりして繋げるだけの遊びだ。しかし…
「落とした方の負けだぞ」
「そうですか…じゃあ負けられませんね」
勝ったり負けたりしてる内に、お互いヒートアップしていき……
「このゲームを取ったほうが勝ちだよ!どっちもがんばって~!」と審判のマオが告げる。
「ツバサ…手を抜いたら後ろから刺すからな…」とツバサを睨む。
「わかってますよ…なんで僕がこんなことに…」
そして向こう陣営は…
「ルル…勝ちますよ」
「もちろんだよルイ姉!急造コンビに負けるわけにはいかないからね!」
魔女姉妹だ。ツバサを入れれば楽に勝てると思ったのに…こいつは身体能力だけで、読み合いが苦手すぎる…真っすぐ過ぎるというべきなのか…。それでも俺が駒として使えば…五分五分には持ち込める。
ココはなぜか嫌がった。珍しい事もあるもんだな…実は運動が嫌いなのか?そう言えば昨日の遊園地でも、ずっと一人で遊んでたようだし…何かあったのだろうか?
ルイのサーブから始まる。まっすぐ俺の方に飛んでくると見せかけて…
「無回転だ!ツバサ!前に落ちるぞ!」
ネットを少し超えたあたりでストンと落ちるボール。ツバサがギリギリでレシーブする。
「ツバサ!全力で叩け!島を撃ち抜いたら俺たちの勝ちだ!」とツバサにトスを上げる。
「いやいやいやいや!?それはさすがに!?」
ツバサがアタックするが…軽々とルイに拾われる。
「手を抜くなって言ってるだろ!?」
「下にある町が何個か滅びますよ!?」
てんやわんやと叫んでいると…
「ルイ姉!決めちゃって!」
「エクスプロージョン!!」
ドンッ!!とボールを叩く瞬間に爆発する。獣人の身体能力でかろうじて目で追えるボール。あとは感だ!
「おっしゃー!!俺が決める!ツバサ!」と俺は片腕でレシーブし、ボールを真上にあげる。
「シンさん!任せました!」
高くトスされたボールを、4メートルほど飛び上がって打ちに行く。
「死ねぇぇぇ!!」
体の力をすべて使い、尚且つ二人の立っているど真ん中に向けて打つ。
少しでもレシーブをためらえば、それで終わりだ。
しかし…
「ルイ姉!」
迷うことなく、光に包まれたルルがレシーブし…
「決めちゃいなさい!ルル!」
高く高くトスする。それを追うように、砂場にクレーターを作り、一層光り輝くルルが飛び上がる。
「俺じゃ止められんな…ツバサ!」
そう言って後方に飛んで下がる。あんなの受けたら普通に死ぬよな…
「任されましたよシンさん!」
流石にあれだけの高さからのアタックだ。まっすぐな軌道ならツバサでも受けられるだろう。
「いくよ~!!」
空中で回転すると、勢いそのままにボールを打つルル。まさに音の速度で迫ってくるボール。しかしその程度、ツバサなら…
ドォーーン!!!!
砂場の砂が巻き上げられる。ボールはっ!?と上を見上げるが…見当たらない…
まさか…
「ゲームセット!!勝者ルイさんルルさん!!」
「「やったーーー!!」」
抱き合って喜ぶ二人。俺はガクッと膝をつく。
「まじか…ツバサ…お前まさかわざと…」
「ぺっぺっ!砂がぁ…いや…確実に受けたと思ったんですが…ボールがすり抜けて…」
チラッとマオの方を見ると、マオは勢いよく目線を逸らした。
「最初から仕組まれていたのか…?いつから…?」
チラッとティアの方を見ると、こちらも目を逸らす。こいつら…!!
「約束忘れてないですよね?」
「忘れてないよね~?」
そう言いながらこちらに歩み寄ってくる2人。
「わかったよ…俺ら2人が、お前らの願いを出来る範囲でなら、なんでも叶えてやるよ…」
「シンさん!?なんですかそれ!?聞いてないんですがっ!!」
「どうしよっかな~」
「どうしましょうかね~」
そうルイとルルはとても愉しそうに、嬉しそうに笑うのだった。
いつもお読みいただき有難うございます。
この番外編のお話は…私が思っているより長引きそうです。どうか飽きずにお付き合いいただければと思います…




