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私の世界にようこそ  作者: てけと
番外編『異世界旅行と罪滅ぼし』
138/189

池という名の海/海の家と大食い大会/夕焼けのビーチバレー

投稿頻度が下がってしまってすいません…

しかし…本編が終わっても物語が進むってどうなのでしょうかね?


~~池という名の海~~


「「「海だー!!!!!!」」」


 私とシツルちゃんとシャルでそう叫び、水着で走り出す。

 白い砂浜に、潮風が頬を撫で、波の音が耳に心地よく聞こえる。やはり海は、なぜかテンションが上がるよね!


 砂浜を駆け抜け、一番乗りで海に入ろうとすると…


 ピピーッ!と笛の音が響く。


「そこ。ちゃんと準備運動してから入るように」

「…は~い」


 らいふせーばーと書かれたゼッケンを着た、水着姿のお兄さんに怒られた。変なところはとことんまじめだよね。


「誰が変なところがまじめだ。海は危険なんだぞ?一瞬で人が死ぬからな」

「当たり前のように人の心を読まないで…」


 準備運動を終え、また海に走り出す。


「まおー!しょっぱいよこのお水!」

「それが海なんだよシツルちゃん。あまり飲んじゃだめだよ~病気になるからね?」

「ここに池があるのは知ってたけど…まさか泳ぐことになるなんてね~」


 ぷかぷかと浮かびながら、シャルがそう言う。


「池…?でも確かに…天空に浮かぶ島に、海があるって言うのもおかしいよね?」


 ここら辺一帯は、まるで私たちのいた元の世界だ。多分お兄さんと…管理者さんが作ったのだろう。

 何がしたいのかはわからないけど…まあいっか!せっかくだし楽しんじゃおう!


 そうして私は海の家で、海で遊べる道具を借り、久々の海水浴を楽しむのだった。



~~海の家と大食い大会~~


「さあ始まりました!第一回大食い選手権!予選を勝ち抜いた5名の食闘士の紹介です!」


 天人族のアナウンスが始まる。お昼時の海の家には、旅行者全員が集まっていた。


「まずはこの方!獣人族狼族サーニャー!」

「お腹空いた…まだ?」

「続きまして~!これまた獣人族蝙蝠族リリア―!」

「うふふ…シンの手料理なら…いくらでも食べられるわ…よ?」

「次はこの方!執事服の下は鍛えられた肉体!どれだけ食べられるのか~!カイン!」

「まだまだ若造には負けませんよ?」

「忘れてはいけませんこの方!身体能力なら最強のツバサ!!」

「あの…僕は予選すら出てないんだけど…?」

「さぁラストはこの方だ!魔人族の隠れた食欲魔神!ルイ!」

「そんなことはないのですが…おいしい料理をいっぱい食べられるなら仕方ないですね」


 長い机にそろって座る5人。闘志をむき出しにし、やる気満々の様子で目を輝かせる。


 ただ一人を除いて……


「俺は大食いとかはあんまり好きじゃないんだが…ちゃんと美味しく食べろよ?無理しない様に」

「「「「はい!」」」」

「え?あ‥はい…」とツバサだけ何故かそわそわしている。

「なるべくさっぱり食べられるように作った海鮮焼きそばだ。腹いっぱい食べろよ」

「それでは!試合開始でーす!!!!」

「「「「いただきまーす!」」」」

「さっき食べたばっかりなんだけど…まあおいしそうなので頂きます…」


 サーニャとカインはガツガツと口に焼きそばを放り込み。リリアとルイは静かに黙々と食べ続ける。そして…


「さっきのソース焼きそばもおいしかったけど、これもおいしいですね~ご馳走様でした」

「あ~~っと!ツバサ、たったの一人前で、まさかのリタイヤだ」

「え~!!パパもうおわり~?」

「いや…そもそも僕は少食だし…ここにいることがおかしいからね?」


 ツバサ席を立ち、観客席に戻っていった。

 ほかの4人はそんなことには目もくれず食べ続ける。


 そして…


「くっ…無念…ご馳走様でした……」とカインはそのまま机に突っ伏す。

「カイン選手!8人前でリタイヤだー!情けないぞ男性陣!」

「私も…この辺でご馳走様ね…デザートも残ってるし…ね?」とシンの方をチラッと見るリリア。

「リリア選手もリタイヤだー!!残るは二人!まだ黙々と食べている~!」

 

 箸でずるずると焼きそばを食べるサーニャと、フォークでパスタのように食べるルイ。

 ただひたすら無言で…。


「12皿…13皿…まだ行くのか~?14皿目に取り掛かるのか~!?」

「「おかわり!」」


 14…15…16皿目と、無表情で食べ続ける二人。

 20皿目に到達したころにとうとう…


「もぐ…も‥ぐ…」とサーニャの動きが鈍くなっていき…


 コテンッと机に顔を伏せる。


「あーっとサーニャ選手!リタイヤでしょうか?医療班!!」

「「「はーい!」」」


 後ろに控えていた天人族がサーニャの様子を確かめに行く。そして…


「医療班の腕が交差されましたー!サーニャ選手リタイヤです!そして大丈夫なのでしょうかー!?……んーなになに?寝てるだけ?どうやら寝落ちでのリタイヤのようです!!」

「子供かっ!?」ツバサのツッコミが響き渡る。


 天人族に運ばれていくサーニャ…とても幸せそうな顔で…


「優勝はなんとっ!魔人族のルイ…」

「おかわりです」

「ふぇ!?」

「ルイ…その辺で止めとけ…ドクターストップだ」

「…あなたがそう言うのなら仕方ないですね…ご馳走様でした。とても美味しかったです」

「そいつは重畳だ」


「……はっ!?優勝は魔人族ルイ!皆様盛大な拍手をー!!」


 ワアアアアアと歓声が上がる。


「優勝者には…ティアに一つだけ、願いをかなえてもらえる権利が授与されまーす!有効活用してくださいねー!」

「なんでもじゃないからね~私の思う可能な範囲でね?」

「……では…」


 ティアの耳元に囁くルイ。そしてティアは……


「ふふふ…いいよ~うまくいくかはわからないけどね?」

「……まあ出来ればでいいので…」とルイは俯く。


 そうして海の家での少し騒がしい昼食の時間は終わったのだった。



~~夕焼けのビーチバレー~~


 はじめは軽い気持ちだった。


「ちょっと腹ごなしに運動でもしませんか?」


 そうルイに誘われた。ボールをトスしたりして繋げるだけの遊びだ。しかし…


「落とした方の負けだぞ」

「そうですか…じゃあ負けられませんね」


 勝ったり負けたりしてる内に、お互いヒートアップしていき……





「このゲームを取ったほうが勝ちだよ!どっちもがんばって~!」と審判のマオが告げる。

「ツバサ…手を抜いたら後ろから刺すからな…」とツバサを睨む。

「わかってますよ…なんで僕がこんなことに…」


 そして向こう陣営は…


「ルル…勝ちますよ」

「もちろんだよルイ姉!急造コンビに負けるわけにはいかないからね!」


 魔女姉妹だ。ツバサを入れれば楽に勝てると思ったのに…こいつは身体能力だけで、読み合いが苦手すぎる…真っすぐ過ぎるというべきなのか…。それでも俺が駒として使えば…五分五分には持ち込める。


 ココはなぜか嫌がった。珍しい事もあるもんだな…実は運動が嫌いなのか?そう言えば昨日の遊園地でも、ずっと一人で遊んでたようだし…何かあったのだろうか?


 ルイのサーブから始まる。まっすぐ俺の方に飛んでくると見せかけて…


「無回転だ!ツバサ!前に落ちるぞ!」


 ネットを少し超えたあたりでストンと落ちるボール。ツバサがギリギリでレシーブする。


「ツバサ!全力で叩け!島を撃ち抜いたら俺たちの勝ちだ!」とツバサにトスを上げる。

「いやいやいやいや!?それはさすがに!?」


 ツバサがアタックするが…軽々とルイに拾われる。


「手を抜くなって言ってるだろ!?」

「下にある町が何個か滅びますよ!?」


 てんやわんやと叫んでいると…


「ルイ姉!決めちゃって!」

「エクスプロージョン!!」


 ドンッ!!とボールを叩く瞬間に爆発する。獣人の身体能力でかろうじて目で追えるボール。あとは感だ!


「おっしゃー!!俺が決める!ツバサ!」と俺は片腕でレシーブし、ボールを真上にあげる。

「シンさん!任せました!」


 高くトスされたボールを、4メートルほど飛び上がって打ちに行く。


「死ねぇぇぇ!!」


 体の力をすべて使い、尚且つ二人の立っているど真ん中に向けて打つ。

 少しでもレシーブをためらえば、それで終わりだ。


 しかし…


「ルイ姉!」


 迷うことなく、光に包まれたルルがレシーブし…


「決めちゃいなさい!ルル!」


 高く高くトスする。それを追うように、砂場にクレーターを作り、一層光り輝くルルが飛び上がる。


「俺じゃ止められんな…ツバサ!」


 そう言って後方に飛んで下がる。あんなの受けたら普通に死ぬよな…


「任されましたよシンさん!」


 流石にあれだけの高さからのアタックだ。まっすぐな軌道ならツバサでも受けられるだろう。


「いくよ~!!」


 空中で回転すると、勢いそのままにボールを打つルル。まさに音の速度で迫ってくるボール。しかしその程度、ツバサなら…


 ドォーーン!!!!



 砂場の砂が巻き上げられる。ボールはっ!?と上を見上げるが…見当たらない…


 まさか…


「ゲームセット!!勝者ルイさんルルさん!!」

「「やったーーー!!」」


 抱き合って喜ぶ二人。俺はガクッと膝をつく。


「まじか…ツバサ…お前まさかわざと…」

「ぺっぺっ!砂がぁ…いや…確実に受けたと思ったんですが…ボールがすり抜けて…」


 チラッとマオの方を見ると、マオは勢いよく目線を逸らした。


「最初から仕組まれていたのか…?いつから…?」


 チラッとティアの方を見ると、こちらも目を逸らす。こいつら…!!


「約束忘れてないですよね?」

「忘れてないよね~?」


 そう言いながらこちらに歩み寄ってくる2人。


「わかったよ…俺ら2人が、お前らの願いを出来る範囲でなら、なんでも叶えてやるよ…」

「シンさん!?なんですかそれ!?聞いてないんですがっ!!」

「どうしよっかな~」

「どうしましょうかね~」


 そうルイとルルはとても愉しそうに、嬉しそうに笑うのだった。

いつもお読みいただき有難うございます。

この番外編のお話は…私が思っているより長引きそうです。どうか飽きずにお付き合いいただければと思います…

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