シンの世界構築とココのやりたい事
途中からここ視点に切り替わります。
俺は旅行者たちを見送ると、俺はティアと共に、海の水が落ちているところに向かう。
俺が作ろうとしている施設はあと二つだ。それがこの海と…
「で?一人目ちゃん。次は何をするの?」
「ん?あぁ…海水浴場と…本当は水族館が作りたかったんだが…流石に建物はつくれても、展示する魚を集める時間がないからな…」
「あぁ~なるほどねー。水中トンネルでも作るの?」
「んや…潜水艦かなぁ…」
「潜水艦か~んじゃあ構造を簡単に説明するね」
「おう。頼む」
ティア…つまり管理者は、俺たちの世界の全ての情報を知っている。それを俺が聞き、この島の1/3を俺たちの世界風に造り替えているのだ。
ティアが反対しないのは、理由がある。それはまたおいおい語る時が来るだろう。ひとまず今は、急ピッチで仕事にかからなければならない。
「うし!大体わかった。まずはここを砂浜に変えてっと…」
海に面する地面を、白い岩のような材質から、真っ白い砂に変える。
「あとは…危険な魚を排除しないとな…地引網でもやるか?…人手がちょっと足りないか…」
天人族のほとんどは、ホテルマンとして旅館に置いている。今俺の手伝いをしているのはティアを含め数名だ。
「雷魔法で一気に殲滅する?」
「そんな物騒な事はするなよティア?魚だって生きてるんだぞ。邪魔だからって殺そうとするんじゃない」
「邪魔だからって、魔物を殺していた君に言われたくないなぁ…」
「……それは俺じゃないな。同じ名前の別人だ」
「都合のいい時言い訳だね~…で?じゃあどうするの?」
「とりあえず潜るかな…あまり水深が深くならないようにしないといけないし。その後に沖に向かって、船で網を引くか…」
そうして俺は、この海水を溜めてるだけの池を、レジャー施設にするべく動き出す。
「一人目ちゃんもそろそろ旅館で休んできなよ。あとは私がやっておくからさ」
俺が具現化を終えたころに、ティアがそう提案してくる。
「ん~…そうだな…んじゃあ頼む」
「まかされたよ~!」
ティアの魔法で旅館の前まで送ってもらう。旅館に入ると、俺の嫁達が颯爽と駆けてくる。
「シン。ちょっと手伝ってほしい」
そうサーニャが俺に会うなり言う。
「なんだ?俺にできる事なら手伝うぞ?」
「ありがとうシン。大好き」
「はいはい。俺も愛してるぞー。で?なにを手伝えばいいんだ?」
「サーニャは、ミカヅキ卿たちが、子育てで大変なので、なるべく休ませてあげたいそうなんです」
とココが俺に教えてくれる。
「ん。私だけじゃ、あの子たちの面倒は見きれないから…」
「わかった。ココ達も今後の子育ての参考になるかもしれないし。全員で行くか」
「「「「「はーい!」」」」」
全員でツバサの子供部屋に行き、そこにいたツバサの嫁達を部屋から追い出す。
「しん!」
トテトテと俺に向かって歩いてくるミサ。
「俺の名前を憶えているのか…この子は頭がいいな」
ミサを抱き上げあやしてあげる。サーニャは手慣れた様子で赤ちゃんたちと遊んでいるが…
「シン!?突然泣き出してしまいました!?どうしましょう!?」とココが狼狽え…
「リリア!ちゃんと頭を支えてあげないと危ない!」サーニャが悲鳴を上げる。
「あ~…お前ら…ちょっと待ってろ…シユ!!お前はまだ母乳は出ないだろ!?なに脱いでやがる!」
ミーコはまだ孤児院で慣れているのか、問題なかったのだったが…ココ、リリア、シユがひどすぎる…
俺とサーニャで、三人に説教と、赤ちゃんの扱い方を教育する。
しばらくすると、三人も慣れてきたようで、恐る恐る、割れ物を触るように丁寧に、ツバサの赤ちゃんたちと触れ合っていく。
俺も安心して見ていられるようになってきて、徹夜で作業していたこともあって…いつの間にか意識を落とし…子供たちと一緒に寝てしまっていた…。
~~ココ視点~~
「シン。オムツを替え終わりましたよ~。シン…?」
シンの方を見ると、眠っているミサちゃんを抱えながら、座って寝ていた。
私たちの見ていない所で、何をしているのかわかりませんが…彼の事だ、誰かを楽しませるために奔放していたのだろう。
「サーニャ。ミサちゃんを起こさないように、ベットに寝かせてあげられますか?」
「ん。任せて」
私の拙い手つきだと、起こしてしまいますからね…
「そういえば…シンの寝顔を見るのは…久々…ね?」
リリアがシンを横に寝かせて毛布を掛ける。
「そうですね~いつもは私たちの方が先に寝ちゃいますし…朝も先生の方が早く起きてますしね」
つんつんと、シンのほっぺをつつきながらミーコが言う。
そうして私たちは、ミカヅキ卿が帰ってくるまで子守りをし、温泉に行ってたはずの彼らが、なぜか汗だくで帰ってきたので、リリアがシンを背中におぶって、子供部屋を後にした。
彼を大きなベットに寝かせると、私たちも服を全て脱ぎ、一緒にベットに入る。
服を脱いだ方が、シンの事を感じられる気がするからだ。あと服にしわが寄らない様に?
そうして私たちが、ベットでシンの体温を感じていると…
「やっほー?一人目ちゃんいるかい?」とこの世界の神がやってくる。
「シンは疲れているので…出来れば休ませてあげたいのですが…」
私はシンにぎゅっと抱き着き、行かせたくない意志を示す。
「あらら。寝ちゃったのか~んじゃあ明日でもいいかな」と彼女は微笑む。
「ありがとうございます」
「いいよ別に。私の方である程度片づけとくよ。あの時計の針が7を示したころに夕食の時間だからね。宴会場に集まってね~」
「何かシンがやっていることで…私たちが手伝えることはないのでしょうか…?」
「ん~…彼は君たちに、自分の近くにいる事以外で、何か楽しめることを、何か探してほしいんだと思うよ?」
「それは確かに…」
私は…シンがいれば、他に何もいらないとは思っているが…そのことが却って、彼に変なプレッシャーを与えていたのでは……
「そこまで思いつめなくてもいいと思うよ?君は考え方が極端だからね…彼の隣に寄り添い、自分なりに、楽しいことを探せばいいのさ。気楽にね?」
「シンといることが楽しすぎて…そうですね。その為にシンは、私たちの日を当番制にしたのかもしれませんね…」
私とリリア以外は、自分たちが楽しめる趣味を持っている。シユはマジック、サーニャは子守り、ミーコはマオの所のフーコと研究をしている。
「何か好きな事はないの?私はあったと思うけどなぁ~んじゃあまたね~」
そう微笑み、彼女はどこかに消えて行ってしまった。
「私が好きな事…そんなこと…シン以外にあったっけなぁ…」
少し考えつつ、私はシンに抱き着き、彼を夕食まで堪能することに、集中するのだった。
いつもお読みいただき有難うございます。




