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私の世界にようこそ  作者: てけと
私の世界のショートストーリー
121/189

マオの自動二輪試作第一号

 私の経営する魔道具店は、割と忙しい。最初はそんな稼がなくていいかな?と思ったけども…研究するためには資金が必要だ。なので私は資金を稼ぐために、私たちが作れるギリギリまでは注文を受けている。


 元の世界に合った便利なものを、動力を魔法にして作りなおしている。台車も意外に好評だけど、薄利多売では儲からない…なにせ人がいない…今はツバサさんが手伝ってくれてるから大分マシだけど…

 現在、主に作っているのは…クーラーだ。氷魔法と風魔法と火魔法を組み合わせて作ってるんだけど…これはかなりぼったくっている。原価は銀貨2枚ほどだけど…1台金貨2枚で売っている。まあ技術料だよね。しかし今飛ぶように売れているので、もっぱらこれの制作が忙しい。

 外装をそれっぽく豪華にして、その実中身はスカスカ。少量の水と魔石と魔法陣が書いてあるだけの箱だ。

 技術漏えい防止の為に、偽装した魔法陣を3つほどつけ、本命は一番奥に、一枚だけ書いてある物だ。

 

 正直忙しいが…一週間…つまり七日に、2日は休むので、まあ死にかけるほどではない。

 2日休みたいのは、お兄さんを独占できる日と、研究に費やしたい日が欲しいからだったんだけど…


「マオ…こんなもんでいいのか?」


 お兄さんが組み立てた2St4気筒エンジンを見せてくる。


「すごい…できちゃった…」とフーコちゃんが目を輝かしてる。

「燃料はいらないけど、オイルは差さないといけないからな…4Stじゃないから小まめに入れるんだぞ」

「そう言えばお兄さんは、創造系のチートだったね…」

「仕組みが分からないものは作れないからなぁ…今回マオ達が教えてくれたおかげで、多分作れるぞ?まあ…ガソリンは俺にしか作れないけどな…」


 最初はお兄さんとイチャイチャしてたけど…そう言えばお兄さんなら、精密な部品も作れるのでは?と思って頼んだらこれだった…


「さて…マオ…フーコ…走ってみたくないか?」

「「走りたい!!」」

「そう言うと思って、準備してあるんだよな…サーキットをな!」


 このお兄さんはホント…準備がいいというか…自分が楽しいことは率先してやるよね


「まあでも、このバイクの外装やブレーキとか…」

「外装は簡単だぞ?ブレーキの仕組みは教えてくれ」

「デスヨネー」


 私とフーコちゃんで、外装の案や、考えていたブレーキのシステムを教えて、お兄さんの案も加えていく。

 毎回こうやって、三人で話し合って、私の日は終わる。でもこれはこれで楽しいからいいのかな?


 





「ここだ…いずれこの国の、娯楽の一つになるだろうと思ってな。俺の日にコツコツ作っていたんだよ」


 とドヤ顔で私たちに言うお兄さん。


「うへぇ…本格的だね…しかも大きすぎない?」


 首都から少し東に歩いくと、突然目の前に大きな建物が現れる。アミューズメントパークかと思ったけど…でかでかと『ヒュームレルムサーキット場』と書いてあった…なにこれぇ…

 お兄さんに付いて行き、中に入ると、舗装されたサーキット場があった…

 直線距離だけでも、5キロほどある。曲がりくねったコースや、単純に楕円形なだけのコース。そして…


「ただまっすぐ走れるコースもあるぞ。100キロほどの直線だ。森を切り開くのに苦労した。あと舗装と観客席もだな。ちゃんとピットもあるぞ?」

「すごーい!」とフーコちゃんは目を輝かせているが…

「これは…管理者さんに怒られない?」

「その時はその時だが…バイクはマオの所で魔法で動く奴を売ればいいし、とは言っても…台数限定だけどな…もしくはここで貸し出しすれば、いい商売になるだろ?まあそんな事より…」


 お兄さんに促されて、私たちの作った魔道バイクを、圧縮していた箱から取り出す。


「マオが乗るのか?ちょっと待ってろ…」


 そう言ってお兄さんは保護具を具現化していく。ヘルメットやサポーターに防護服だ。


「流石に怪我させたら悪いからな…これでまあ…ツバサに本気で殴られても、一発なら耐えられるだろう」

「過保護過ぎない?ツバサさんの一撃は星を割るよ?」

「女性に怪我させたくないしな。フーコも乗るなら作るぞ?」

「おねがい」


 そうして私は、試作品第一号に跨る。スポーツタイプのバイクだ。魔石をはめ込み、エンジンをかける。


「いきなりアクセル回すなよ~ゆっくりな」


 ギアを入れ、ゆっくりアクセルを回す。おぉ!


「進んだ!」

「まずブレーキテストだ。少しスピードをだして、ブレーキをかけろ~」


 ギアをセカンドに入れ、スピードを出し、ブレーキをかける。


「ちゃんと…止まった?」

「大丈夫そうか?ならもうちょっとスピードを出して、好きに走ってみろ。まだ全開で走るなよ~」


 時速60キロくらいで、サーキットをグルグル回る。なにこれ楽しい!!

 しかし…思った通り燃費が悪いのか、エンジンがすぐ止まってしまう。

 フーコちゃんとお兄さんの所に一度戻る。


「燃費が悪いのかなぁ…魔石の大きさを変えてみる?」

「うーん…要は魔法陣に魔力が供給されればいいんだよな?そこの見せかけだけのガソリンタンクから魔力を通せるようにして、その大きさの魔石にするとかどうだ?」

「お高く…なりそうだね…」

「だねー…まあそのくらいの資金はあるけどね~要改善だね」


 少し欲求不満になるが、仕方ない。試作品の一番目で、ここまで行く事自体が、十分な成果だ。


「不満そうな顔すんなよ…今回は俺が走らせてやるからな?まあ俺自身がちょっと試した後でな」


 そう言ってお兄さんは同じ形のバイクを作り、タンクにガソリンを入れていく。

 そして直線のコースにバイクを持っていき、走り出す。


「速い…」

「おぉ~すごいね~」


 あっという間に消えて行き、そして帰ってくる。


「うん…大丈夫そうだな。よしそこのサーキットで好きに走れ!危なくなったら守ってやるから安心しろ」

「わーい!」


 そうして私とフーコちゃんは満足するまで、サーキットでバイクを運転して遊んだ。

 フーコちゃんが転びそうになったけど、お兄さんが一瞬で、大きなマットを作って守ってた。

 そして夕方になるころには、私の家に帰ることにした。


「あれが…完成系…すごく楽しかった…」

「だねー!早く完成させたいね!」

「俺も魔法が使えれば…もう少し手伝えるんだけどな~」

「十分…すぎるくらい手伝って…もらってるよ?」

「そうだよ!と言うか多分お兄さんじゃないと、完成まで行かないしね!」

「バイクだけじゃなくて、車もあるしな~先は長いぞ~」

「そこまで作る気はないんだけど…」

「ええ!?キャンピングカーを作って、快適な旅でもと思ってたのにな…」

「お兄さんに頼まれたら…やるけどね!」

「俺も手伝うからやろうぜ!」


 まったくイチャイチャしない、お兄さんを独占できる日だけど。これはこれで、私らしくていいんじゃないかと思う。楽しいしね!


 そして今日は、お兄さんの手料理を食べられる日でもある。アリサさんが、この日だけは緊張した面持ちで、食事を待っている。


 そしてまあ…食べ終わるとお兄さんと一緒に、獣人国の家に向かう。ちゃんと夜、愛してもらうので…私に不満はない!

 こっそりお兄さんの尻尾をモフモフして、満足してふらつきながら…人種族の家に帰る…ちゃんと毎回自室で寝るようにはしている…

 そして今日も…裸のまま…私はベットで眠りに着くのだった…

いつもお読みいただき有難うございます!

次回は土曜日辺りに…

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