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私の世界にようこそ  作者: てけと
終幕『私の世界で幸せに』
115/189

私も幸せな世界で

 まったく…一人目ちゃんは無理しすぎだよね…わかってるの?自分の魂を削る意味を…もう二度と生を受けないかもしれないんだよ?


「俺はそれでも構わんがな」


 君はよくても、私たちが…って…何時の間に!私声に出してないよね?


「顔見りゃ大体何考えてるかわかるぞ?」

「普通、私たちの顔なんて見えないって…」

「ひとまずお前らはさっさと一つになれ。話はそれからだろ?」


 むぅ…私まで救おうとする気かな?私壊れないよね?


「そうならない様に、俺がここにいるんだろ?壊れそうになったら、思う存分殴ってやるから安心しろ」

「ひぃ…やっぱり帰りたい…」

「駄目だ…さっさとやれ…」


 仕方ない…私は私を回収する…そして久々に感じる悲しみ…これはきっと彼らが争うのを見た時の、大きな悲しみだ…とても苦しい…痛い…


「そんなに泣くなよ…でもそんだけ悲しいからこそ、喜びや楽しさが何倍にもなるってもんだろ?」

「泣いてないし?そもそも私に涙なんてありませんよーだ!」

「はいはい‥」

「まったく…しかしまずはおめでとう、と言わせてもらうべき?」

「おめでたくは、ないんだけどな?」

「まあね~…ここまで来たんだ、小言は何でも聞くし、質問には答えるよ?もちろん君の望みも叶えるさ!」

「別に聞きたいこともないけどな…」

「そう言わず~…聞かないなら勝手に説明しちゃうよ?」

「…んじゃあ俺の体についてだ。普通に戻せるのか?」

「魂に刻んだスキルってのは、実は消せないんだけど…君の持ってるそのナイフを、使わせてもらおうかな?それならいけると思うよ」

「そうか…なら置いておく。後で勝手に使え…俺の体力が3しかないのはなんでだ?」

「んー…そもそも君に肉体を与えてないんだよね…その前に世界に降りちゃったからね」

「だがここにあるぞ?まあ今はボロボロだが…」

「左腕欠損に、内臓もボロボロ、足は折れてるし…なんで平気なの?普通はのたうち回る激痛なんだけどね?」

「慣れれば痛みなんて、感じなくなるもんだ。それで?肉体がないのか俺は…」

「魂のまま、この世界にたどり着いた君は、自分の肉体を無意識に想像して、具現化してしまった。あとはその再生スキルさ。その肉体を再生し続ける。まあ所詮、無意識に作った肉体だ、君は生き物を創れない、実質その体は、ただの血袋のようなものなのさ、体力の数値も、その肉体の耐久値じゃないよ?あれは君の魂の耐久値だ。最初は5あったんだけどね…」

「サーニャとリリアで2使ってるという事か…ココで1使って?…今どんくらいなんだ?」

「0.5だよ…あと一擦りで、君は魂ごと死ぬとこだったんだよ?」

「人の魂が見えるってのは…」

「そうだね。人の事を眩しいとか、表現する人は、あんまりいないんじゃないかな?君は彼女たちの魂を見ていたのさ。魂である君なら、そう言うのが見えてもおかしくないからね」

「ふーん?で?俺はこの後どうするんだ?」

「ほんと君は…自分の事をどうでもいいと考えるよね…」

「割とどうでもいいからな~失敗しても構わんぞ?その時はあいつらに謝っといてくれよな。失敗しちゃった。テヘッってな」

「やだよ…私自身も嫌だし、そんなことしたら殺されるよ…」

「お前にも恐怖が戻ってきてよかったな~」

「他人事みたいに…死ぬのが怖いって感じるのは久々だよね」

「で?魂自体も死にかけの俺を、どうやって戻すんだ?」

「うん…まず魂を修復して、肉体を与えるんだけど…二人目ちゃんや三人目ちゃんのように、この世界に来てすぐなら、その記憶通りに、肉体を造れたんだけど…君の魂は、すでにこの世界に定着してしまった…だから…その姿で肉体を作るのは無理だ。二人目ちゃんも三人目ちゃんも、人種族という括りではあるけど、実質は君の世界のように、猿の進化形だ。君はそれができない」

「いいぞ」

「軽いなぁ…私の世界に合った形になってしまう。その際に…記憶が…無くなるし…時間もかかるよ?」

「かまわん」

「ほんと軽いな…結果を言うと…君の具現化能力は残る。赤子から生まれてくるわけではないけど…君はその一欠けらだけの魂だけで、後は全て別人になるわけだ。記憶もない、姿形も違う。それでいいのかい?」

「ああ‥それでいい」

「即答か…どうしてそこまで?なんなら生まれ直す?ここでのんびり暮らしてもいいよ?私は一人目ちゃんのこと好きだし?」

「お断りだ…まあ俺は、この世界でもう一回生きてみると決めたんだよ。お前の作った世界で、なかなか悪くない世界だと思うぞ?」

「そっか…それじゃあ一人目ちゃん…」


「おう。頼んだぞ?泣き虫の管理者」


「ふふ…私にそんなこと言えるのは君だけだよ……君が私の世界で…いや……君が幸せにした、私の世界で…絶対に幸せに生きてよね!」


「まあ精々頑張るさ…」





 そうして彼は…また1から…いやこの場合0・5から?人生をやり直す。

 まずは彼の魂を治し、その魂に見合う肉体を作る…肉体自体は、すぐにできるけど…魂の修復は…少し時間がかかる。

 もちろん私は細工をする。彼への想いが籠った、このナイフを…彼女たちの…ほんの少しの魂が宿ったこれを、彼の魂の修復に使う。

 

 あとは…彼の今後について、少し説明しておく必要もあるようだね…


 そうして私はまた、世界に降りる準備をする…一人目ちゃんの魂を修復しながら…

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