表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の世界にようこそ  作者: てけと
終幕『私の世界で幸せに』
110/189

ツバサはココ達を追う

 シンさんにお米をもらってから、僕はたまにマオの家に呼ばれ、アリサさんとナギの料理研究に付き合わされる日があった。

 僕は試食役だ。シンさんのレシピは曖昧にしか書いてない。だから味を確かめるために、一度食べたことがある僕の意見が必要なのだそうだ。


 しかし…


「いや…十分おいしいんだけど?」

「しかしまだ、調和がとれていない気がしますね…」

「そうですねアリサさん…もう少し肉の味を引き立てて、野菜と調和するような調合にしないと…」


 普通の家庭が、市販のカレールゥで作るような。そんな普通においしいカレーだったんだけど…


「まあまあ…そりゃシンさんの作るような、美味しい料理にも感動するけどさ。でもさ、こういう普通の懐かしい味にも、マオは感動すると思うし、僕もすごく懐かしい気分に浸れるからさ…」

「妥協は許されません!」

「ご主人様。可能性があるなら、そこへ至るために、努力するべきなんです」

「…はい…」


 まあよりおいしいものが食べられるなら、僕としては問題ないか…

 


 僕と二人が、意見を言いながら、カレーライスを食べていると、匂いにつられたのか、マオもフラフラとやってきた。


「ずるいよ!私にもカレー頂戴!!」

「あら?マオがこんなお昼時に、研究室から出てくるなんて珍しい…どうしたの?」


 ナギがマオの為にカレーを用意し、持ってくる。


「ん!おいしいね!お米様様だなぁ…ああ‥ちょうど…んぐんぐ…ツバサさんの所に行こうと思ってたんだ」


 マオがカレーを食べ終わるのを待ち。会話を続ける。


「僕の所に?なにしに?」

「ごちそうさま!…ちょっと気になることがあってね~私を冒険者ギルドに連れてってくれない?」

「ほう?マオが冒険者ギルドに?」


 マオは冒険者としてやっていけるほど強いんだけど…争うのが嫌いな彼女は、魔道具店をやることにしたらしい。

 そんなマオが冒険者ギルドに?


「この間私の所に、ココが来たんだよ。それで家のルイさん達を借りたいってね。あのココ達がだよ?」

「それは…気になるね…」


 シンを慕ってる獣人たちは強い。僕なら勝てるけど…5人がかりで来られると、手加減はできないだろう…


「今から行く?」

「行くよ!」


 そう言えば…僕はまだお米の代金を払ってないし、なんならココ達の案件を僕が終わらせてもいいかな?


 そんな事を考えながら、マオと冒険者ギルドに向かうことにした。







 

 冒険者ギルドに入り、受付に向かうと、狐族の獣人さんがいた。どうせなら、彼女の所に行くことにした。


「ご無沙汰ですね。ツバサ様、今日はどの様なご用件で?」

「ココ達の受けているクエストを、手伝ってあげようと思いましてね?報酬は別にいらないので」


 というかすでにもらっているので…


「そうですか…ツバサ様にお手伝いいただけるなら、頼もしい限りですね。ではクエスト内容を軽く説明しますね?そちらのお嬢さんは…マオ様ですかね?」

「よくご存じで…」

「聞かせてください!ルイさん達がやってるクエストを!」


 マオが食い気味だ、よほど心配なのだろう。


「今回ココ達が行ってるのは、盗賊の討伐なのですが…最近活発に動いている盗賊は、組織ぐるみでの犯行だと断言しました。なので黒幕の捕獲、もしくは討伐がクエスト内容になっております」

「ココ達で苦戦するとなれば、よっぽどの事なんですね?」

「ええ…しかし今回尻尾を掴んだので、補助要員として、ルイ様、ルル様、ニーア様に同行をお願いしました。万が一の為に。その見つけた拠点には、現在、他の冒険者と衛兵も向かっております。が…」


 と少し苦い顔をする受付嬢さん。


「実は悪い情報なんですが…大陸の中心に調査に出ている冒険者たちと、連絡が途絶えました…そしてこの拠点は…首都から大陸の中心に向かって、数日ほど行ったところにあるんです…この情報は、まだ彼女たちに伝えられてないのです…」

「ココのクエストと、その件が関係あると思うわけですね…」

「ええ…これは私のただの勘ですけどね…総勢80名の冒険者…それも、銀より上の冒険者が失踪したわけです…私たちが思ってるより、大きな組織だったようで…」


 銀の冒険者が、ただの盗賊に後れを取るわけもない…ならもしそれが、今ココ達の追っている黒幕の仕業なら?


「準備をして、明日朝早く出ます」

「私も行くからね!」


 マオが僕の服を引っ張る。


「んー…わかったよ…んじゃあ明日の朝に、西門に集合ね」

「分かった!」

「ツバサ様、マオ様…どうか彼女たちをよろしくお願いします」

「「もちろん!」」


 ギルドを出て、各々準備するために、町に繰り出したのだった。









 翌日、西門で、僕とミーシャとシャルで、マオを待つ。


「待たせちゃったかな?」


 と少ししてから、マオとセフィーが合流する。


「んじゃあ行こうか」


 と僕は馬車に乗り込む。


「ツバサさん達!飛んでいこうよ?」

「「「へ?」」」


 マオに手を引かれ、西門から徒歩で出る。

 そのまま街道を外れ、森の奥に出る。そして…


「セフィーお願い!」

「マオがそう言うなら…」


 セフィーがドラゴン形態になり、その後マオが魔法をかけると、大きなドラゴンになる。


「さぁ!乗って乗って!」

「いいのか?」

「セフィーにちゃんと許可は取ってるよ!」


 僕たちは恐る恐るドラゴンの背に乗り、鱗に捕まる。


「んじゃあセフィー!いこう!」


 マオはドラゴンの頭に乗り、そこにある角に捕まる。

 そして少し助走をつけ、空に舞い上がる。


「おおお~!飛空艇や、シャルに抱えられるのとは違った感動があるな~」


 飛空艇はほぼ海での船旅だった。シャルに抱えられてるときは、ふわふわ浮いてる感じだ。そして今は…ジェット機に乗ってるような感じだろうか?


「むぅ…」


 少し不機嫌そうにしたシャルは、背中っから綺麗な羽を出す。


「シャルと飛んでる時が一番気持ちいいからね?今飛び出す危ないからね?」


 僕を抱えようとしていたシャルを、何とか止める。


「スピード上げるよー!しっかりつかまっててね!」


 シャルとミーシャをぐっと抱え、体を伏せて鱗に捕まる。

 するとドラゴンの翼が輝き、スピードが一気に上がる。

 見る見るうちに、首都が小さくなっていき…大陸の中心へ猛スピードで飛んでいった。









 そのまま数時間ほど飛んでると、遠目に大陸の中心が見える。見えるというか…大雨の所為でほぼ何も見えないんだけど…

 

「マオ!ストップ!!」

「ん?セフィー止まって!」


 真眼を発動すると、魔法使いに追われているのだろうか?数十名の魔法使いと、獣人達が見えた。


「あそこにルイさんがいるぞ?ミーシャ頼むね」

「分かったわ」と目線だけでこっちの意図を察してくれる。


 僕は収納スキルで、鉄杭を取り出し、魔法使いに向かってそれを投げていく。

 まるで弾丸のように飛ぶ鉄杭が魔法使いに刺さっていく。


「こんなもんかな…?」

「じゃあ撃つわねー」


 ミーシャが雷魔法を撃つと、鉄杭に向かって、電撃が飛んでいく。

 すべてに当てたわけではないが…まあこれで下にいるメンツは迎撃できるだろう。


 マオに頼み、下に降りてもらう、弧を描くように降下していき、森の木をへし折りながら地面に着地する。

 するとそれに駆け寄ってくる、ルイさん達が見える。


「マオ!危ない!!」とルイさんが叫んでいる。


 即座に真眼を発動し、周囲を策敵、少し遠くで魔法を放とうとする男に向けて、駆けようとするが…


 ドゴォーーン!!とその男は爆発して爆ぜてしまった…


「ふぇ?」


 マオがきょとんとしている。そう言えば…マオは魔法を跳ね返すんだったね…

 マオがルイさんに抱き着き、僕たちは合流した。残っていた魔法使いは、シユとミーコとニーアさんが倒していた。


「マオ…覚えてますか?私たちを襲った金の冒険者…」

「ん~?……………あっ…いたね~そんな人」

「そいつがいたのですよ…さっき爆発して死んでましたが…」

「ああ‥ちゃんと契約が解けたんだ。約束通り、ちゃんと殺してあげたから良しとしようかな?」


 そんな人の事はどうでもいいかな?と、マオは言い捨てた。


「それよりルルさんと…ココとサーニャとリリアはどうしたの?」


 マオはきょろきょろと辺りを見渡してそう言った。


「私が説明しますね」とミーコが言う。

「その前に一個だけ、首都の狐族から情報だ。大陸の中心に調査に行った、冒険者80名が行方不明だそうだ」

「……そうですか…最悪ですね……。ルル、ココ、サーニャ、リリアは攫われた人を追って、洞窟に入っていきました。隠し通路を見つけ、一旦私たちと合流しようとしたのですが…さっきマオを攻撃してきたあいつが、洞窟を崩しました」

「え!?ルルさん達は無事なの!?」

「ええ。隠し通路に飛び込み、無事だと思いますが…ココお姉ちゃんの事ですから、先に進んでいるでしょう…そしてその通路は…大陸の中心に繋がってるのでしょうね…」


 ふむ…ならば大陸の中心に向かうべきか…でもあの荒れた天気をどうするか…

 全くが前が見えないほどの大雨に、荒れ狂う風、雷…僕なら大丈夫だが…


「何してるのツバサさん?さっさと行くよ?」


 すでに全員セフィーに乗り込んでいた。シャルとミーシャもだ。


「え?あの気候はどうすんの?」

「え?ツバサさん魔法使えるよね?獣人には魔石を渡したけど…ツバサさんもいる?」


 そう言って魔石を取り出すマオ。え?僕と獣人以外みんな使えるの?

 ひとまず魔石をもらい、起動してみる。


「なるほど…風魔法ってこういうう使い方もできるんだ」


 自分の体から、数センチほどの所に、風の膜のようなものが展開された。雨粒や、風を受け流すように、自分の周りをまわっているように見える。


「魔法使えるなら…割とこれくらいは、簡単にできるんだけどね?」とマオが僕を見て言う。

「風魔法はイメージが湧きにくくてね…」


 そんな言い訳をしておこう…決して闇魔法と、光魔法ばかりを、ずっと練習、研究していたわけではない…


 今ではメイドも含めて、六人でも、一人で相手できるようになってるけど…何かは言わないが…


 どして僕もセフィーに乗ると、飛び上がり、大陸の中心に向かって飛行する。

 すこしすると、天候が荒れだす、前も見えない様な豪雨だ。

 しかしマオが、大陸の中心まで、水魔法で雨を誘導し、道を開く。

 

「流石マオだな…しかしこれは山?…それも火山のような…」


 真眼で確認する。火山のように、山の頂上部分に大きな火口があり…


「何か黒い物が…火口から出ようとしてる?…っ!?」

「どうしたの?ツバサさん」と僕を見て、マオがきょとんとしている。

「これはまずいかも‥魔王なんていなかったんじゃないのか?」


 いや…確か管理者は…()()()()()()と言ってた気がする…ならあれが…


「マオ、気を付けて…僕の力でステータスが見えないのがいる…ただ一文だけ…『世界を終らせるもの』とだけ…」

「それは…ヤバそうだね……」少し顔がこわばるマオ。

「今のところは、あの火口から出られないみたいだね…」


 まるで火口のに透明な壁でもあるのか、ずっと体当たりしている。

 するとその脇に、二つの人影が火口から出てくる。


 そのうちの一人が、ありえないほどのスピードでこちらに向かって来て…


「まずい…っ!マオ達はこのまま進んで!すぐ追いつく…」


 僕はそう言い、セフィーの前に飛び、迫ってくる人影を迎え撃ち、下に叩き落とす。そしてそのまま僕も下に落ちていく。

 落ちる途中で、手のひらサイズの紙を火魔法で燃やし、僕は呟く。


「彼女の相手は僕がしないとね…」


 彼女をステータスを真眼で見る…


 アキ

 魔神族 ♀


 体力 ?????/?????


 筋力 ?????/?????


 魔力 ?????/?????


 スキル≪魔神化≫


 かつてミーシャの孤児院で出会った。魔物を研究しているという彼女だった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=724269873&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ