表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の世界にようこそ  作者: てけと
終幕『私の世界で幸せに』
105/189

ココ達の冒険者業

 私たちは、マオ達と別れ、42日かけて人種族の首都までたどり着いた。やはり盗賊の襲撃は特になく、彼らがミカヅキ卿を狙っていると確信した。


 しかしなぜ…それに…魔人国領になぜ、人種族の盗賊がこんなに集められていたのか…

 疑問には思うが…ひとまず冒険者ギルドに向かう。

 ミーコとシユには、宿を確保してもらったり、明日からの旅に必要なものを買い出ししてもらう為、別行動だ。


 ギルドに入り、同族の受付嬢の元に向かう。


「あら?意外と早かったのね…助かるわ~」

「私たちの為に動いてもらったので、もちろん協力します。あと今日は筆記試験でしたよね。後ろの二人を受けさせたいです」


 そう言って、実力テストのラージラットの素材と試験の料金銀貨20枚を受付の台の上に置く。


「もうすぐ始まるから…この木札を持って奥へどうぞ」

「サーニャ、リリア…大丈夫ですよね?」

「たぶん…?」

「頑張る…わ」


 移動中に彼女たちに勉強を教えていたのですが…覚えが悪いというか…脳筋というか…苦労したとだけ言っておきましょう…

 まあ別に、彼女たちが落ちたところで、なんてことはないのですが…シンの為にと頑張る彼女たちには、受かってほしいものです。

 二人は木札を持って奥に向かって行った。


「で…今回の件ですが…異常なのは、魔人国で理解しました」

「盗賊の組織があるのは知ってはいたけど…ここまで表立って動いてるのは初めてね」


 盗賊は、街道で襲撃なんてめったにやらない。家荒らしや、裏家業で殺人依頼を受けたり、詐欺を働いて稼いだり、あまり表立ったことはやらない。街道で襲撃なんてすると、そこに盗賊がいることがばれる。ならば警戒されて、そこ周辺ではもう活動できなくなるだろう。なのに…


「そうなのよ…今はほぼ、街道での襲撃を主に活動してるの。ツバサさんを狙ってるだけじゃなくて、各地でね。獣人国でも魔人国でもね。でも首謀はこの国にいる。なぜなら…」

「人種族の盗賊が各地にいるのですね…特に獣人国なんて…」

「そうね。獣人で盗賊になる人なんて、ほぼいないからね」

「それで…どこまで当てがついてるんですか?」

「そうねー…小さな拠点は衛兵と、冒険者に頼んでるの…だからあたなたちに頼みたいのは…」


 そう言って彼女は地図を出す。人種族領の地図だった。そこに赤い丸を書いていく。そしてバツマークも、これは襲撃された場所だろうか…ん?これは…


「どう?なにかわかった?」

「ええ…もしかして彼らの目的は…人攫い?それがなぜなのかは、わかりませんが…」

「そうね…襲撃場所は、どこも商人が通るような、大きな街道じゃないの。小さな街道…食料を運んだり、ちょっと隣町に買い物に行ったりするような、小さな町と町を繋ぐものよ」

「攫われた人の移送先は?」

「不明ね。一つ大きな拠点を、ツバサさんが潰してるんだけど…そこにもいなかったわ。だから今回あなた達に頼みたいのは…」

「拠点をしらみつぶしに潰して、なおかつ移送先の特定ですね。分かりました。受けましょう」

「頼んだわ。情報はいつも通り飛ばしてね」


 そう言って、大きな拠点に丸の付いた地図をもらう。


「ええ…明日から始めます。出来ればさっさと終わらせたいところですね…」

「無理はしないようにね?」

「私たちは、シンと添い遂げるまで死ねませんから、自分たちの命が大事です」

「ふふふ…いいわねー…」


 サーニャとリリアも試験が終わったようで、合流する。

 どうでした?と聞くと、多分大丈夫、と言っていた…この二人は…

 夜に、全員と情報を共有し、明日、近くの拠点から潰すことにした。








 翌日、私たちは最初の拠点に向かう。シンから頂いた、武器を大事に装備し、準備を整える。


「私は…いらないって…言っちゃったけど…やっぱり羨ましいわ…ね」


 リリアが私たちの装備を見て、羨ましそうにそう言う。


「…シンはリリアがそう言うだろうと、思ったらしくて…」


 私は、シンに、リリアがそう言ったら渡してくれ、と頼まれていた、リリア用の装備を取り出す。


「これ…は…」

「これなら邪魔にならないだろ?手を傷めないように作ってあるし、決して破れないようにしている。大事に使えよ。だそうです」


 黒い革の手袋だ。リリアの手にフィットするようにできている。素材はよくわからないけど…手首で固定できるように、ボタンがついている。


「まったく…シン…大好き…」渡した手袋を、ギュッと胸に抱きしめるリリア。

「ですね…何気にシンも、私たちのことを想ってはくれてるのですよね…んじゃあ行きますよ」


 出来ればさっさと終わらせて…シンの元へ行きたいところですね…


「では全員予定通りに。基本殺していいですが、一人だけは確保しておいてください。では散開」

「「「「了解!」」」」


 リリアとサーニャは正面から、シユとミーコは裏を封鎖。私は離れた位置で、情報の分析と解析。そして指揮をする。全体を把握し、簡単な指笛で、指示を出し、拠点を制圧していく。

 数十分もたてば…ほぼ壊滅した、盗賊の拠点が出来上がる。


 こうしてできる限り、多くの拠点を潰しながら、情報を集めていくのだった。









「ある程度情報は集まりましたが…核心に迫る情報は特にありませんね…」


 拠点を潰し始めて、30日、赤丸の付いた拠点は全て潰したが…これと言って重要な情報はなかった…

 私とリリアなら、質問するだけで、呼吸の乱れ、視線、筋肉の硬直による動揺などで、持っている情報はすべて読み取れますが…

 多分組織の中心にいる数名の幹部以外は、人を攫って、送るだけ。それだけを命じられているようですね…送る位置もバラバラだ…意味のない所に送って、ただ捨てている、とかもあるのかもしれませんね…


「仕方ない…シユ、ミーコ。明日ここの街道で、盗賊が人を攫う予定があります」


 私は地図を指さして、シユとミーコに指示する。先ほどの拠点で入手した情報だ。


「二人でそれを、一度追跡してみてください。情報はいつも通り飛ばしてください」


 シユの追跡能力と、ミーコの隠密能力なら、気付かれずに追跡できるはずだ。


「わかったよココお姉ちゃん…しかしどこまで追跡する?完全に移送されるまで?」

「危険を少しでも感じたら撤退。そうですね…向かう方向が分かれば…いいのですが…ほかの所から攫ってきた人達と合流した場合は、その場所を知らせて待機をお願いします。出来るだけ情報を掴めるように頼みます」

「人質を殺そうとしたらどうするの?」

「制圧出来そうなら制圧。無理なら…私たちが来るまで待機してください…辛いでしょうが…」

「…了解…」

「大丈夫です。私たちは首都で援軍を連れて、追いかけますので。ひとまず先に、追跡お願いしますね?」


 そこでシユとミーコと別れた。私たちは一度首都に戻り、策を練ることにした。情報は逐一送っているので、向こうでも何かわかってればいいのだけど…








「言われた拠点は潰しましたが…特にこれと言って、情報はありませんでした…」

「おかげで人種族領の被害は、ほぼなくなっているわね…なぜか魔人国と、獣人国の方も、突如動きが無くなったそうよ?」


 首都の冒険者ギルドで、同族の受付嬢と情報のやり取りをする…

 全体的に動きが無くなった?


「私たちが襲撃した拠点の中に…ボスがいた?そんなはずは…」

「もう一つ…()()()()()()、という可能性もあるわね。何をしようとしてるのかはらないけど…必要な人数が揃った、と見てもいいかもしれないわね…」

「…ならば…救出の依頼を、私たちは先行します。ついでに有能な冒険者を借りたいのですが…」

「ええ、どちらも手配済みよ?そろそろ来る頃かしらね」


 同族の推薦なら、心配する必要もないだろう。出来るだけ早く、ミーコとシユを追わなければならない。邪魔なら最悪…置いていくだけだが…


「冒険者になってから…指名依頼ばっかりね…これが普通なの?」

「そんなことないと思うけどな~…まあ稼げるなら私はいいと思うよ~」

「マオに養ってもらうわけにも…いかないですし…がんばる…」


 そう言いながら、冒険者ギルドに似つかわしくない、メイド服を着た、三人組が現れる。


「彼女たちなら、適任でしょう?」とにっこりと笑う受付嬢。

「ええ…ですが…マオに許可を取りに行かないとですね…」


 私たちは、ルイとルルとニーアを連れて、ミーコたちを追いかけることにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=724269873&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ