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私の世界にようこそ  作者: てけと
終幕『私の世界で幸せに』
104/189

ツバサは家に帰る

 家を決めたマオたちを連れて、僕は僕の屋敷に帰る。

 これで当分働かなくていい…そうだな…10年くらいは、遊んで暮らせるだろう。

 子供ができたら、また少し稼ぎながら、のんびり暮らそう…別に争い事が好きなわけではないのだから…


 少し長めの新婚旅行を終え、やっと屋敷に到着する…が…


「なんで僕の屋敷の庭が…農園になってるんだ?」


 庭の三分の二が、果樹園と畑になっていた。屋敷に繋がる道とその脇には、綺麗な花がたくさん咲き誇り、右の方には、噴水ができており、左には大きな白い円卓と椅子が、花に囲まれる位置に置いてある。

 なんだこの空間は…まるで…


「なにここ?まるでどこかの大貴族様の家みたいだね?ミカヅキ卿?」


 といじわるな笑みを浮かべてマオが僕に言った。

 確かにその通りだ…どこの公爵様だよこれ…


「あら?おかえりなさいツバサさん。屋敷はちゃんと綺麗にしてますのでどうぞ?」


 とミーシャのお母さんのミラさんが出迎えてくれる。


「この庭は…?」

「息子が張り切っちゃってね…まっさらの紙に、絵を描くように楽しかったようで…マーシュ!ツバサさんが帰ってきましたよー!」と息子を呼ぶミラさん。


 そして少し筋肉質な少年がこちらに走ってくる。


「あんたがツバサさんか!今回は雇ってくれてありがとう!ミーシャの兄のマーシュです!ミーシャはいい婿さんをもらったな~」

「久しぶりねマーシュ。でもこれはやりすぎじゃないかしら?」とミーシャが少しマーシを諫める。

「最初はこの花だけだったんだけどさ…ツバサさんが、奥様方と、そしていつかできるであろう、子供さんと、お茶会でもできればと思って…でもさ‥空白があったら埋めたくなって…」

「気遣いは有り難いけど…それでこの果樹園と畑?」

「そそ…でも味は保証しますよ!取れたての果物に野菜だ!美味しいですよ~」


 まあ…予想と違うけど…いいか…


「まあいいや…庭はマーシュに一任するよ…人が足りなくなったら言ってね?」

「任せてください!自分の嫁と二人で丹精込めて、作りますんで!」

「よろしく頼むよ…」


 まだ少し聞きたいこともあるが…庭先で聞くのもあれなので…とりあえず屋敷に入ることにした。

 屋敷の中も綺麗になっており、少し家具が増えていた、来客用だろうか?いろいろと増えて、リビングにあった机も、かなり大きいものになっていた。



 ひとまずリビングに集まり、一息つくことにした。

「さて…マオ達はこの屋敷を好きに使っていいからね。特に手伝いは必要としていないけど…アリサさんだけは、ナギと一緒に料理してほしいかな?」

「もちろんです。ナギと師匠に追いつくために、腕を錆びさせるわけにはいきません」

「ご主人様。自分たちはちょっと、マーシュさんの畑に行ってきてもよろしいですか?」

「無理しないようにね…ちゃんと休む時は休んでね?」

「行きましょうアリサさん!」「ええ、どんな野菜と果物がなってるか、気になります」


 そう言って二人は屋敷を出て行った。シンさんとの出会いがとても刺激になったようだ。


 まあそれは僕もなんだけどね。


「ツバサさん。馬車借りてもいい?町を見て回りたいんだ!」とマオがお願いしてくる。

「僕たちは当分、屋敷でのんびりするから、ここにいる間は勝手に使っていいよ?買い物もついでに頼んだりするかもだけど」

「もちろん。買い物は任せて。今日はさすがに行かないけど…」

「ミカ、アミ。マオ達を部屋に案内してあげて。空いてるところだったらどこでもいいよ」

「「はい!」」


 そう言ってメイド達は、マオ達一行を、二階の部屋に案内しにいった。


「ミラさん達はどこか家を借りてるの?」

「ええ…この近くに私とマーシュとその妻のノンと一緒に住んでいますわ」

「そうですか。では一年分の給料を先に払っておきますね」


 そう言って僕は金貨9枚を渡しておく。



「ありがとうございます。では三人分、確かに頂きました。そういえば先に貰っておいた金貨で、屋敷の庭の苗や、家具を購入したのですが…4枚余ったので、お返ししておきますね」

「いえ、それは取っておいてください。むしろ6枚渡しておきますね。これからもよろしくお願いしますね」


 そう言って6枚金貨を渡し、僕は荷物の片づけをする。食材を、食糧庫に入れていく。じゃないと腐るからね…僕の装備はそのまま収納スキルで入れておく。その他ドレスなど、嫁とメイドの持ち物は、取り出して、片づけておく。


 一通り終わり、自室の椅子に座りぼーっとしていると、ドアがノックされる。

 誰だろう?入るように促すと。


「ツバサさん。お手紙が届いておりましたので、渡しておきますね」


 ミラさんは、少しお辞儀をして、部屋に入る。

 届いていた?とりあえず受け取って、封を切る。内容を見ると…


「ミラさん、これはいつ届いてました?」

「私たちが、ツバサさんの屋敷に来た時ですね。帰ってきたら渡してほしいと」

「そうですか…ありがとうございます。では二日後にお伺いするとお伝えください」

「かしこまりました」


 アダラ元第一王女からのご招待だった。

 スピカと二人で来てください、とのことだった。








 その後、夜は嫁達と、少しだけ激しめな夜を過ごし…二日後にスピカと屋敷を出ることにした。

 マオ達に同行し、目的の屋敷まで連れて行ってもらう。

 マオ達が少し顔を赤くして、僕を見ていたが…

 夜の方は気にしないで、と言ったのは彼女なのだから、別に気にしていない。そのために僕は家を買ったといっても、過言ではないしね。


 少しすると、目的の屋敷に着く。僕の屋敷なんかより、大きな屋敷だった。なんというか…まさに豪邸と言って差し支えにないような。数百人は済めるようなそんな家だった。


 マオ達と別れる。僕たちは勝手に帰るから、町を探索しておいで、と言っておく。

 門の前に立っていた門番に、招待状を確認してもらい、門の前で待つ。

 少しすると、小さな馬車に乗った執事が僕たちを迎えてくれる。その馬車にスピカと乗り、屋敷に向かった。

 屋敷に入ると、豪華なドレスを着た女性とタキシードを着た、服が断ち切れんほどの筋骨隆々な男性が、立っていた。


「ようこそミカヅキ卿。そしてスピカ…元気そうでよかった…」


 そうアダラさんが言い、僕たちを迎え入れてくれた。





 挨拶もほどほどにし、広間に通され、椅子に座り、歓談する。


「ほんとは、すぐスピカに会いたかったけど…私なりに心の準備をする必要があったの…」とアダラさんが神妙な面持ちで語る。

「ひとまず…すまなかった!!完全に俺の失態だ。王城で攫われるなど…あれから騎士隊を再編してな。先日終えたところだ」と夫のドルンさんが頭を下げる。

「私はこうして無事ですし…それに素敵な夫に出会えたので、私は大丈夫ですよ?お顔をお上げください」とスピカが笑顔で答える。


 ドルンさんはこの国の騎士のトップだ。各町とかにいる衛兵も、その管轄の一つと言えば、どれだけ強大な組織のトップかがわかるだろう。

 事件の詳細を聞きたいところではあるが…スピカにとっていい思い出でもないし…聞くのをやめた。


「それより、ドルンさんは貴族ではないのですね?その割にでっかい屋敷をお持ちで…」

「貴族は断った。どうも堅苦しいのは嫌いでな…この屋敷は俺がアダラを娶るときに、必死で頑張って、プレゼントしたものだ。この屋敷は俺の物ではない」

「別にそんなプレゼントなくても…私はあなたに好意を抱いていたんですけどね?」そういってドルンさんの腕を抱えるアダラさん。

「お熱いことで…でもなんで僕とスピカだけ招待したんですか?正直少し警戒してしまいましたよ」


 てっきりスピカをまた攫う算段でもあるのかと、疑ってしまった。


「大勢で来られるとその…恥ずかしいじゃないの…」

「ふははは…実はアダラは人見知りでな…大勢の前ではキリッとしてて、まさに王女って感じなんだが…裏では嫌で嫌で、泣いてるときもあったそうだぞ?」

「言わないって約束でしょ!?やめてくださいよぉ…」

「うちの嫁は可愛いだろ?」


 ギャップ萌えというやつか…うん可愛いね。うちの嫁には劣るけどね。


「それを見かねたドルンさんが、アダラさんを攫ったわけですね。なるほど…」

「むぅ…それに関しましては、もちろん感謝しております。それにもし王妃となるなら、スピカが一番適任だったでしょう。社交的で、誰からも愛され、それに頭もいいし…カペラは自由奔放で、縛られるのが嫌いだったし。スピカはまだ幼いですが、政治に一枚噛んでましたのよ?」

「今はツバサ様の嫁として、日々邁進するのみですよ。王なんて興味がありません。夫に愛されているなら、他には何もいりません」

「政治に一枚噛んでた?なにをしたの?」

「そうですね…せっかく広い土地があるのに、野放しにされているので、それを開拓し、雇用を増やすことで、奴隷や、盗賊の有用な活用法として提示したりしておりました。これにより、奴隷は無くなり、盗賊なんてしなくても、ちゃんとまっとうに生きて行けるのではないかと?」


 なるほどね…敵を作るわけだ。


「スピカ。奴隷はともかく、盗賊はそんなに、うまくいかないよ?人は必ずしもまっとうに生きるとは限らない。楽な方法があれば、そちらにすぐ転がってしまう、そう言う人は少なくないはずだよ」

「そうですね…思い知りましたよ…」


 そう言って少し体を震わせる彼女を、椅子から立ち上がって抱きしめる。スピカも僕の背中に手を回す。


「まったくお熱いことで…ありがとうね、スピカを救ってくれて…」

「まったくだ…今後このような事がないよう、しっかりと騎士団を纏めていくつもりだ」

「ええ…でもまあ…スピカは僕がちゃんと守るので、そこは安心してください」

「そう言えば、ミカヅキ卿は強いらしいな。どうだ?一戦交えないか?」

「ここにも戦闘狂が…義理のお兄さんのお願いは…聞いてあげたいところですが…」

「安心しろ。俺はこの国で一番強い。ちゃんと手加減してやるさ」

「はぁ…では1分だけなら…」


 流石騎士団長と言うべきなのか、庭に大きな訓練場があり、そこで騎士たちが訓練していた。

 

 ここ家じゃないの?


 どうやら、すぐに騎士団が動けるように、この屋敷の半分は、騎士団の本部のような役割になってるらしい。

 そして僕とドルンさんは刃の付いてない剣を持ち、相対する。騎士たちも一目見ようと、周りにギャラリーができる。


「いつでもいいぞ!ミカヅキ卿」

「では行きます」


 そう言い僕は、文字通り、目にもとまらない速度で、懐に入り、ドルンさんの持っていた剣を、刃の付いていない剣で、斬りつけ…切られた剣の切っ先が上に吹っ飛んでいく。


「は?」と驚愕するドルンさん。

「あれ?僕の剣には刃がついてたようですね?っと‥気を付けないとですね」


 落ちてきた剣の切っ先をキャッチし、お辞儀して訓練所を後にする。騎士の皆さんに、失礼しました。と元の広間に戻ろうとすると‥


「ま…まあ待てよミカヅキ卿…一分の約束だろ?」


 ガシッと肩を掴まれる。


「だめです。一分とは言いましたが…攻められたら、一分避け続ける予定でしたが、受けるならこれで終わりです。いいですか?あなたより強い人なんて、この世界にたくさんいます。己惚れるより、精進してください」

「わかったよ…しかし俺より強い奴と戦うなんて、そうない機会なんだがな…」

「そうですね…今この首都には、強い人がいっぱいいますよ。冒険者ギルドに依頼すればいいです」


 そう言って、戦闘狂の彼女たちを紹介しておく。ココ達は忙しそうなので、紹介していない。

 ルルさん、ルイさん、ニーアさんは冒険者ギルドの筆記試験が今日なので、数日後には冒険者になっているだろう。実力テストは、昨日終えたと言っていた。


 その後、お昼ご飯をごちそうになり、屋敷を後にした。

 

 夕方になるまで、スピカと二人でデートして、その後家に帰った。

 シャルとミーシャにズルイ!と怒られたので、メイドも含めて、明日から日替わりでデートすることにした。


 こうして僕は当分、日常の幸せを満喫するのだった。

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