魔法使いの実家
さて勇者はどうやって魔法使いの機嫌をとるんでしょうか?
魔法使いが乗った馬車が王都に着く頃には勇者の収納にいる分身から
「今剣の勇者が馬車でおいかける」と連絡があった。それを母に伝えると
何故かとてもうれしそうだった。
母の実家は貴族通りの端にあった昔は貴族だったらしいしかし今は男爵家である。
貴族通りにありながら?跡取りが無く没落していた。
使用人もいないので自分で夜が明ける前に一日使う量の水を井戸から
汲み上げ、家に運びこみます。朝、他の人が起きる前に簡単な庭の剪定を
したりもします。
使用人がする仕事をこの時間に全てこなして一日が始まるのです。
貴族のプライドだけは残っているのでしょう。
党首が水くみをする姿を近所に見られるのがとてつも無く嫌らしいのです。
はずかしいので洗濯ものも中庭に干し、自分達が干してる姿を外から
見られない様に細心の注意までしています。
跡取りが無いのであればそのまま母を幼女として引き取って、自分達で育てれば
よかったのです。ばあさんがじいさんとエルフの間の子を家に入れ預かる事を
嫌がったのです。その為、母は変態ロリ魔導士の元修行させられる事となったの
でした。
魔法使いが父であるじいさんを訪ねると腰を抜かす程びっくりしていたが
金貨100枚で泊めてほしいとお願いすると二つ返事でOKしてくれた。
下町の料理店長の弟子を使用人として借り入れ、期間限定で一か月だけ
金貨3枚で厨房の仕事をしてもらう事になった。
ばあさんも久しぶりの使用人が出来て上機嫌である。
久しぶりに美味しいものが食べられると大変喜んでいた。
料理人は料理だけでなく水汲みや洗濯まで手伝ってくれていた。
じいさんも骨休みになると大喜びしていた。
そこへ勇者が飛び込んできた「おまえ何考えている」と魔法使いは言われて
魔法使いは「貴方も何をやったか解っているんですか?」と返していた
じいさん・ばーさんの手前、子供を千尋の谷に落とした事件は
二人共話せないらしくどうも端切れが悪い会話が続きます。
「とりあえず金を全額返せ」と言われた母は金貨200憶枚に近い
金貨を広間に出現させた。じいさん・ばーさんあまりの衝撃に
泡をふいてぶっ倒れます。料理人のトニーさんは「いいものを見せて
もらった貴族はこうでなければな」と腕を組んでうなずいている。
自分達の所持金総額を理解して無かった勇者も茫然としている
母が「これが全部よ持って帰って」と手を差し伸べた
勇者父が「悪かった悪かった俺にこんな量は運べないよ」と謝った。
アークはこのタイミングはチャンスだとふんで
どさくさに紛れて「パパ~」と言って勇者父に抱き着く
剣の勇者は固まっていたがそれは内緒である。とりあえず勇者も客間で一泊して
一晩中「愛してる」と「好きだ」を200回以上剣の勇者は言わされていた。
王都を翌日旅だち北の街に向かう馬車の中、一行は移動していた。
馬車の行き来で母の魔法書でわからないもの発音等を質問していると
勇者が何故幼児がこんな難しい事を質問しているのだと気味悪そうに
こちらをうかがっていた。
7話目投稿です