第一話
この小説には多少、残忍な表現があります 。
僕は彼女にフラれた。
別に好きでも何でもない、可愛い娘に告白されたから何となく付き合っただけだが……
さすがに男と腕を組んで歩いているのを見ると堪える。
仲間内で花火で遊んだ後、墓場で肝だめしをした時に僕は思わず抱きついてきた彼女を突飛ばした。僕に彼女は泣きながら問い詰めてきた。
「いつも、あたしの事なんか避けてない? 本当に好きなの!? 答えて!」
僕がうつ向いたまま浴衣姿の彼女を見ることもなく、地面を見続けていると彼女は
「もういい!バイバイ」
と、言うなり一人帰って行った。
今、思い返すと彼女の事が好きだったのかも知れない。
だが、今さら泣きつくなんて格好悪い。変なプライドがいつも邪魔をする。
幼い頃に母親と離婚して以来、堅物の父親と二人暮らしだった僕は毎日、独りで居る時間が多かった。
その寂しさを埋めるのはテストで百点とった時の父の優しい笑顔。
僕は父親に必要とされつづけるように無我夢中で勉学、運動何でも頑張り続けてきた。
だが小学校高学年になった頃位から気付きはじめた。
頑張っても人並み以上になれない事に……
再婚した父は僕を見ていない気がした。新しいお母さんの人はとても綺麗で僕にも優しい。幸せなハズなのにポッカリ空いた穴のような感覚が塞がらない。
ある時、僕は他人を傷つける事に快感を覚えはじめた。他人を踏み台にする事によって初めて得た心の安らぎ。面白かった。少しからかっただけなのに奴らは自殺するわ不登校に転校。次々に起こる楽しいショータイム!
中学一年の時のクラス集団レイプは事件になり警察沙汰になった。
マスコミは【ただの狂言】【淫乱中学生】などと囃し立て……
結果、十二歳の妊婦は自殺。
僕のショーにツマラナイ日常にはないスリルを覚え、クラスメイトは誰もが歓喜の声を挙げる。
【次のショーを!!】
高校生になると熱は冷める。自分の周りが(ターゲットになりたくない)そんな気持ちが丸見えな奴らばかりで、嫌気が差したからだ。
半分自暴自棄になりはじめてた頃に彼女に告白された。ミニスカートの制服姿の中に恥じらいを隠しながら……
「入学式の時、初めて見掛けて! あっあの一目惚れなんです。けど誰よりも好きな気持ちは負けません! 付き合ってください。」
校庭の桜並木で散りゆく花びらの中で僕は彼女を抱きしめた。
どうでしたか?初めての小説でヘタレですが感想待ってます