幻想世界
ある所に幼い頃から夢見がちな子がいました。その子の頭の中には、いつもいつでも「こういう世界があれば良いな」「こういう世界に行きたいな、住みたいな」という自分だけの世界がいくつかありました。
目を瞑って、自分だけの世界を想像すれば本当にその世界にいる様な感覚に陥りました。
1つは、何処までも果てしなく広がっていて、決して落ちない雲の上。いつもずっとポカポカで、フワフワモコモコあったかあったか。存在すのは、自分と動物と言う動物だけ。動物とは会話が出来、いつも遊んだりじゃれたりしている。そんな世界。
1つは、何処までも果てしなく広がっているだだっ広い草原。草原には、色々な花が綺麗に咲いている。そのど真ん中に高い木と一軒家。そこから、少し離れた場所に何処までも果てしなく長い川。存在すのは、自分と1匹の犬。もちろん犬とは会話が出来る。そんな世界。
1つは、唯一自分以外の人間が存在する世界。でも知人は1人もいない。だから、自分から話し掛けて会話する事はあっても、誰かから話し掛けられる事は無い。そこは、人間と動物という動物が共存している。もちろん会話が出来る。
そんな世界。
1つは、真っ暗で上も下も壁も何も無い。だから足が地面に着いているのか、浮いているのか分からない。寒くも暑くもない。存在するのは、自分だけ。想像した物が「ポン」と出てきて、使用済みになったり必要性を感じなくなったら、また「ポン」と消える。真っ暗でも自分の手や足、身に付けているもの、「ポン」と出てきたものは見える。そんな世界。
どの世界でも共通なのは、「好きな(やりたい事を)好きな(やりたい)時に好きなだけ(やりたいだけ)やる」飲食、睡眠必要無いし。自分の体型も理想通り。時間の流れも無い。お金も存在しない。かと言って警察沙汰になる様な事は一切起きないし、ましてや戦争などは決して起きない。その子の中では、そういう事が起きる理由が分からないから。現実で「疑問に思う事」「自分にとって嫌な事」などは一切起きないし無い。あと、睡眠は必要無いけど眠る事は出来る。そんな自由で自分の都合の良い最高の世界。
ある日、いつもの様に自分だけの世界に行って幸福な時間を過ごしていると、知らない人が話し掛けて来ました。最初は気のせいだと思い、気にも留めませんでした。だが、次第にその人は自分以外存在しないはずの世界にまで現れるようになりました。「あり得ない」「何で?」と思い恐る恐る話し掛けました。




