第10話職場体験
ハジメは持ってきた踏み台を木の幹のそばに置き、木の枝に持ってきたロープを巻き付けた…
そして、台に足を乗せ、ロープの輪に首を入れようとした時…
ある子供たちの笑顔がふと頭をよぎった…
それは、ハジメが6月に あった職場体験の時のことだ…
中学では6月ぐらいになると職場体験がある、そこでハジメは幼稚園に行くことにした。特に意味はなくただ子供と遊べて楽しそうだと思ったからであった。
幼稚園はハジメが通っていた幼稚園に行った。
幼稚園児たちは最初は恥ずかしがってなかなかハジメに寄り付かなかった。
ハジメもとても人見知りが激しく、恥ずかしがり屋なので子供たちに近寄りにくかった…
ハジメはどうしても、この状況を打破したかったので…
「ヤバい!!死にそうだ!!」
と叫びながら倒れた。
すると、子供たちが心配そうに、ハジメに近寄ってきた。
それを見計らって子供たちを捕まえた。
作戦通りだった。それをきっかけに子供たちと打ち解けた。
子供たちを観察しているといろんな子供がいてとてもハジメは楽しかった。
その中にひとりぼっちになっている子がいた。その子の名はよしあきという。一見普通の子供なのだが、とても落ち着きがなく、いつも暴れ回っていた。
ハジメは、
「凄い、やんちゃな子だな…」
と、思っていた。
だが、それには深いわけがあった…
それは…神経に障害があったのである…