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了、かくて炎は燃え尽きぬ

終:


 俺はまた、生き残ってしまった。

 ジェミニのわかりにくい説明によるならば、爆発の直前に女神の精神が満たされたことで、その威力が最小限に抑えられた……ということらしい。あるいはエリサ自身が誰も巻き込みたくないと思っていたのかもしれない。

 ただ、テロ組織の一員の女は、巻き込まれる以前に腹の傷が原因で死んでいた。むしろあの失血でよくあそこまで生きていたと思う。

 女神の停止を確認したジェミニは、俺に最低限の説明をしてから、どこかへ消えた。いつどこへ去ったのかほんとうにわからなかった。神出鬼没、というのは彼のためにある言葉なのではないだろうか。

 残された俺はしばらく茫然としていて、あとから駆けつけた騎士団長によって保護された。

 その後、幾つかの戦闘を経て戦争は終わった。テロ組織の後ろ盾のないゾマは士気を欠き、結局双方の被害が大きくなりすぎる前に、書類でかたをつけることになったのだ。

 残ったのは俺と、三つの墓石と、喪失の痛みだけ。


 あれから一年経った今、俺は本を書いている。ジェミニに古代精神医学のことを学びつつ、ダニエルとエリサのこと、それから女神について、後世に何か伝えるものを残したかったからだ。

 もう、あんな悲劇が繰り返されないように。




(了)

これにて終劇です。お付き合いありがとうございました。

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