第2話 神谷萌奈美についての考察 by紫田日向
俺達の元にやってきた、新しい管理人のモナミン。
色が白くて、抱きしめたら折れちゃいそうな小さな体。流れるような黒髪。
モナミンは眼鏡をかけていて、表情があまり見えないから、何を考えてるのかよくわからないっていうのが今の印象かな。
笑わないし、言葉も淡々としてる。それに、全員に対して敬語。
ちょっと変わってるかもね。
でも、モナミンには、他の女の子達とは決定的に違うところがあった。
それは、俺達を見て、騒いだり媚びたりしなかったこと。
自慢じゃないけど、神谷荘の住人には、偶然にも、容姿が整っている────────つまり、格好いいという共通点がある。
そのせいで、周りにいる女の子達は可愛子ぶって近寄ってくるから吐き気がする。
真樹は女遊びが激しいみたいだからいいんだろうけど、俺からすれば良い迷惑。
でも、モナミンはそうじゃなかった。
女の子は好きじゃない。
けれど、モナミンとだったら仲良くなれそうだなって気がした。
それに、モナミンのことを知ってみたい。
謎が多いモナミンの素顔を、誰よりもはやくに知りたい。
何でかはわからないけどね。
俺がこの感情の正体に気付いたのは、そう遠くなかった。